かえって不気味な派遣村バッシングの「間」

産経新聞が、こんな記事を載せたそうです。

【日本の議論】「派遣村」にいたのは誰か?

http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/090118/wlf0901181801000-n1.htm


保守系産経新聞なのに、おもいっきりサヨク臭さがぷんぷんするにもかかわらず

あまり派遣村を批判するような記事を載せてこなかった(ように私は思う)


少なくとも私は、この記事より前に派遣村バッシングの記事を見たことがありません。

強いて言えば、みのもんたが批判的な発言をしていたという話を聞いた程度です。


日比谷公園派遣村が行われていたのは12月31日から1月5日まで。

坂本発言も5日である。J-CAST

派遣村「真面目な人なのか」発言 ネットでは擁護論目立つ

http://www.j-cast.com/2009/01/06033224.html

の記事が掲載されたのはその翌日、6日。

それがきっかけでネット上の一部でくすぶっていた派遣村バッシングが

一気に明るみに出たわけです。


産経新聞が上記記事の前、12日に取り上げた、

検証・「年越し派遣村」 その実態は

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090112/trd0901122133016-n1.htm

という記事で派遣村の活動実態について取り上げている。

 講堂開放では与野党を超えた協力態勢があったものの、派遣村に政治色やイデオロギーがちらついたのも事実。5日に日比谷公園から国会までを歩いたデモでは共産党と行動を同じくすることが多い、全労連自治労連街宣車が村民らを先導。「総選挙で政治を変えよう!」「消費税値上げ反対!」とシュプレヒコールを上げる光景もあった。

と書いてあるものの、この時点では派遣村の活動について

批判的な論調ではありませんでした。

それが1月18日*1になって、派遣村に非常に批判的な論調の

記事が出ることになりました。

奇妙なのは派遣村批判ではありません。むしろ、何で今頃になってようやくこんな記事が

出たのかということです。

(私が何で今頃になって取り上げるのかといわれると、それもそうですが…)


サヨク的な)政治、イデオロギー的なものが色濃く出ているということは、

とっくに分かっていたはずです。時間をかけて取材する代物ではないでしょう。

 だが、派遣村の村民たちに対する世間の目は、同情や理解ばかりではなかった。政党やイデオロギー色が強くなるにつれて、反発や厳しい意見が目立つようになってきた。

 産経新聞のネットニュースMSN産経ニュースで、10日から派遣村に関する意見を募集したところ、9割方が村民に対して厳しい意見を寄せた。

 「貯金はしていなかったのか」「職の紹介を受けているのに、選り好みしている場合か」「ゴネ得ではないか」…。「最初は同情していたけど、だんだんできなくなった」という声もあった。

 坂本政務官の発言に理解を寄せる声も多く届いた。これについては12日の東京新聞で、同紙の投書欄担当者が「非難が相次ぐ一方で、一定の支持が集まった」と書いている。各新聞社とも、似たような読者反響を得たのだろう。

http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/090118/wlf0901181801000-n5.htm

アンチ産経が、産経信者(?)の組織票に対し、対抗カスケードを組まなかった

こともあってか、派遣村に厳しい意見を寄せる人が多かったようです。

9割が厳しい意見と言っても、厳しいのニュアンスがそれぞれ全く同じというわけでは

全く無いですし、自己責任論を唱える人や、妬みや僻みを露わにする人が

少なからずいたのは事実のようですね。



さて、この記事を書いたのは、匿名の記者のようです。

もっとも、12日の記事を書いた人とは別の方だと思われます。

いずれにせよ、私がこの記事を見て一番気になったのは、

何で今頃になって派遣村バッシングをするのかということです。

年末年始の休みがと言っても、新聞などは速報性重視。

スピード性には長けているはずです。派遣村批判をしたければ、

数日で記事を書くことができるはずなのに、派遣村の本格的な活動に

区切りがついてから1、2週間もかかっているのは、奇妙です。

派遣村を批判したければ、もっと堂々と批判すればいいじゃないですか!!



産経嫌いの皆さんは、「産経はこんなにトンデモないんだ!!」とやり玉に挙げていますが、

むしろ、今まで批判的な論調の記事が公のメディアで報道されてこなかったことが、

かえって不気味に思えて仕方がないんです。

なにか、派遣村を批判的に取り上げることに関して、マスコミの間で

何らかのタブーあるいは、談合があったのでしょうか…


あまりに考察が浅くて申し訳ありません…

*1:本誌に掲載されたのは19日だろう