久しぶりの記事は、2012年末の選挙について
長文を書くほどのことが思い浮かばなかったり気力がなかったり、疲れ気味な状態が続いたり、
官邸前の反原発デモの最盛期に取り上げようと思いつつ、結局ここで取り上げなかったりと、
ここ1年4か月放置していましたが、とりあえず思ったことを書きます。
たぶん、このブログはどうなるか分かりません。一応消さずに残しておきたいと思っていますが。
前に比べれば長文を書く気もなくなりました… Twitterで充分です…
Twitterの方が多くの人に見られやすいですし、他の人と話もできます。
まとめもTogetterがあるので、複数のツイートを整理してまとめられるので、
いちいちこっちに引用してくる必要はそれほどありません。
というわけで、今回の総選挙について話します。
具体的な政策については敢えて書きません。
「就任したころが支持率のピークで、政局の混乱、発言のブレ、失言やスキャンダルなどなどの理由で、
後になっていくにつれて支持率がガクンと下がって落ちるところまで落ちてしまう」というのは、
今の所、小泉政権が終わって以降の内閣、
安倍、福田、麻生、鳩山、菅、野田と全てに当てはまる法則となっています。
そして、今後の政権も同じように最初は持ち上げられた挙句、マスコミにボロクソに叩かれて支持率低迷…
という構図は当分続いていきそうな予感がします。
野田政権も消費増税などに対する反発で大量の離党者を出し、消費増税を含む社会保障と税の一体化についての
与野党協議の過程で、「近いうちに信を問う」と言ったことで後々追い込まれていくこととなりました。
「嘘つき」だとか「決められない政治」とか関係なく、誰が総理の座にいても同じだったでしょう。
こんな状態なものだから、当然支持率がガタ落ちな状況で総選挙になり、民主党は大惨敗確実な情勢。
大物議員も続々落選しそうな情勢となってしまっています。
一方、一時は民主党を上回るどころか、自民党に肉薄するとも言われた日本維新の会は、
橋下徹大阪市長が国会議員を迎えて国政進出を果たした時には既にピークを過ぎ、
都知事を辞任し、国政復帰を表明した石原慎太郎氏がたちあがれ日本を改名した太陽の党と合流し、
石原慎太郎氏を代表に据えて選挙を戦うことになりましたが、石原・橋下の二頭体制による混乱などもあり、
比例では民主党に迫るとも言われているが、小選挙区では橋下氏の本拠地、大阪でも苦戦気味とのこと。他は壊滅的。
優位なのは大阪を除いては、平沼赳夫氏と園田博之氏という有様。
その石原慎太郎氏が都知事を辞任したことによる都知事選も同時に行われています。
副知事の猪瀬直樹氏や、日弁連前会長の宇都宮健児氏、前神奈川県知事の松沢成文氏らが出ています。
公職選挙法に抵触しないように候補者名前が伏せられていますが、誰の事かバレバレのビラやポスターを見かけます。
私もその候補者に入れようと思っていますが、考えたなと思います。結構あざといやり方ですが…
国政の話に戻しましょう。民主党はダメ、維新の会もダメ、…と考えた人が
消去法で自民党に投票という、小泉選挙の時の盛り上がりがないままに自民党の圧勝という情勢です。
そもそも2005年の自民党も、2009年の民主党も勝ちすぎだった。
2005年の選挙の時に自民党の圧勝に非常に不安を感じましたし、2009年の民主党の圧勝の時も、
今後の事までは予想はできませんでしたが、圧勝はまずいのではないかと思った次第です。
谷垣前総裁が出馬断念に追い込まれた総裁選で、安倍晋三氏が自民党総裁の座に返り咲いています。
これもある意味、石破茂氏が総裁に選ばれるのことを望まない派閥の論理で消去法的に選ばれたということになるでしょうか。
なお安倍総裁については、タカ派的な主張以上に、前回の「政権投げ出し」の方が私にとっては悪印象です。
具体的な政策については上記のとおり敢えて書きません。問題がいくつもある代物なのですが…*1
単なる自民党の勝利以上に、小選挙区制の歪みにやるせなさを感じます。
完全小選挙区制のアメリカやイギリスでも選挙のたびにそんなに極端な結果は出ないというのに…
2003年までの3回では極端な差が出なかったのに対し、2005年以降は極端な結果が出るのは、
国民性の影響なのでしょうか・・・
そもそも、前回民主党が勝ちすぎていなければ消費増税法案を通すことは不可能だったと思いますし。
無罪が確定して、足かせから解放された小沢一郎氏が嘉田由紀子滋賀県知事を代表に担いで、
亀井静香氏や減税日本の国会議員らを合流させて結成した日本未来の党は、
皮肉なことにある意味民主党以上に悲惨なことになりそうです…
もしかして小沢氏は戦略を間違えてしまったのでは!?と思った次第です。
自民党幹事長時代から「選挙に強い」として名を馳せた小沢氏ですから、
小沢信者ではない私でさえ「民主・自民の支持基盤を地道に切り崩し、意外と善戦するに違いない」
「民主党と合併する前の自由党ぐらいの議席は取るのではないか」と思っていましたが…
自民党には入れたくない、民主党はダメダメ、維新の会に入れるぐらいなら自民の方がまだマシなほど、
共産党は小選挙区で勝ち目がない、保坂展人氏が出ない社民党に投票する価値は見受けられない、
と積極的に入れたいと思う政党がないのが実態です。
私は、自分の選挙区の候補者を消去法ながら選びました。自民以外で当選可能性が高いと判断した候補者です。
しかし、問題は比例。いったいどこに入れればいいのか、究極の選択を迫られます。
自民党を勝たせたくないのであれば、戦略投票をするしかない。
自分に最も合った候補者の当選可能性が限りなくゼロに近いなら、より当選可能性が高い候補者に入れざるを得まい。
比例は他の党に入れた人の話がある。)
最後の最後まで熟慮を重ねることにしましょうかね…
人権侵害救済法案提出と産経が報道
ずいぶん久しぶりの更新です。
長文を書く機会がなかなか出てこなくて、Twitterで済ませていましたが、
長文を書きたい話が出てきました。
人権救済機関設置法案、20日閣議決定で調整 民主保守系反発、阻止へ
民主党は、政務三役や「人権侵害救済機関検討プロジェクトチーム(PT)」で法案の策定作業を進めてきた。野田佳彦首相も昨年9月の内閣発足時、平岡秀夫法相(当時)に重要政策課題として「新たな人権救済機関の設置」を指示、法務省は昨年12月に法案の概要を発表した。
ただ、政府内には法案の閣議決定に消極的な意見が少なくない。民主党内の保守系議員も「消費税増税法案をめぐって党内が二分しているどさくさに紛れて法案を出そうとしている」と批判。4月上旬に党の法務部門会議で法案が審議されるとみて、党内手続きの阻止に向けて賛同者を呼びかけることにしている。
同法案をめぐっては、法務省が自民党政権時代に「人権擁護法案」を策定した。しかし、自民党内で反対論が出て、断念に追い込まれた経緯がある。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120403/plc12040301100001-n1.htm
さすが、産経新聞らしいスクープといったところです。(皮肉半分)
表現の自由、言論の自由を侵害するとして反対の声が高い人権侵害救済法案を
提出する動きが急浮上しているという報道です。
骨子や内容については、以下のリンクをご覧ください。
ネトウヨのまとめサイトを見るより、産経の記事の方がはるかにまともですから…
人権擁護法/人権侵害救済法の問題点・基本編(Togetter)
そういえば、ネット情報で、「人権擁護法案が成立する!!」という話がことあるごとに拡散していましたが、
「産経新聞が報道していない」という事実を確認すれば、ほぼ確実にデマだと分かりました。
法案が提出されたなら、いずれ確実に衆議院あるいは参議院のサイトに出てくるはずですし。
第一、人権侵害救済法案に関して、何らかの動きがあった時点で産経が黙ってはいないでしょう。
ちょっと経緯についておさらいしておきましょう。
2002年に人権擁護法案が最初に提出された当初は、「メディア規制法案」と呼ばれ、
反対派の大部分はマスコミと左派が目立ち、ネット世論も
ネット規制につながるから反対という意見の他に、マスコミや左派を軽蔑する側からは賛成する意見もあったような記憶があります。
その影響もあり、2003年の衆議院解散とともに廃案になりました。
2005年に再提出の動きがありましたが、その時から反対運動の趨勢が逆転しました。
反対派の主軸はメディアから、保守・右派の政治家やジャーナリスト、ネット右翼などに変わり、
産経新聞などの保守・右派系メディア以外ほとんど報じなくなりました。
自民党の保守・右派色が強い議員らが強硬に反対したことにより、葬り去られました。
(実は郵政造反組とかぶる議員も多く、半分政局がらみを疑わせる側面もあったのだが…)
2008年の福田康夫内閣の時にも再提出の動きが自民党内であり、
推進派の太田誠一氏が独自の修正案を提示しましたが、当然のごとく反対され、
自民党政権下では。ほぼ完全に葬り去られた形となりました。
一方、民主党は2005年、自民党内で再提出の動きがあった時に、
人権擁護法案の対案として、人権侵害救済法案を提出しています。
民主党が政権を取ってから、法務省内で再度議論が行われており、
上記のリンクの通り、骨子がまとめられています。
当然ながら、民主党内でも保守・右派を中心に反対する動きがあります。
という報道が以前産経であった通り、民主党内にも反対の動きが出ているのです。
それにしても、人権侵害救済法案反対派の多くが、
他の表現規制につながりかねない法案に賛成しているというのが、何とも皮肉なねじれ現象です。
両方に反対しているのは、せいぜい日本共産党ぐらいしかいないのが現状です。
あと、人権侵害救済法案が成立すれば、在特会とかその手の団体のヘイトを止めることができると思っているなら、
残念ながらそれはとんだ見当違いだと言わざるを得ません。
むしろ、このような法案が通れば、在特会などはますます増長することになるのではないでしょうか。
逆に、反在特会側が在特会側によって潰されるという事態も起こりうるわけです。
このように、「言論弾圧につながりかねない」と危惧されている法案なので、
是非とも、日本ペンクラブと弁護士会に反対していただかないといけません。
青少年健全育成条例改定問題の時に、ペンクラブと弁護士会を槍玉に挙げ、
「完全に左翼の人たちです。」「表現の自由を口実に日本解体をしようとしている。」
と発言した水島総氏ですが、日本ペンクラブと弁護士会が人権侵害救済法案に反対したら、
当然、水島氏は「反対する人は左翼」だとか言うんでしょうね!?
(もちろん、言うわけないに決まってるだろうが…)
その後、6日間に新しい報道はありませんでしたが、公明党のサイトにはこのような内容の記事がありました。
人権侵害の救済に全力
公明党同和対策等人権問題委員会の西博義副委員長(衆院議員)は31日、大阪市内で開かれた部落解放同盟第69回全国大会に出席し、あいさつした。
http://www.komei.or.jp/news/detail/20120401_7708
この中で西氏は、今国会で提出が見込まれる人権侵害の禁止や救済制度などを定める「人権侵害救済法案」について、与党の方針がいまだ定まっていないことを指摘。
その上で西氏は「何としても今国会で議論し、成立させなければならない」とし、「一日も早く人権侵害を救済する仕組みができるよう、公明党は一致団結し、皆さまと連帯しながら全力で推進していく」と語った・
となると、公明党は採決の場で賛成する方向になるのでしょうか。
恐らく、自民党は反対するでしょう。政局的な理由もあるので、推進派も反対に回るのではないでしょうか。
そもそも、まさかとは思いますが、人権侵害救済法案提出の動き自体、
自公分断を狙った動きではないか!?という疑念さえ出てきます。
フジテレビデモについて思ったこと
先送りされて時間稼ぎができたところで、ちょっと気になっていた反韓流デモ
今までよくこの手の抗議活動が表だって行われなかったことのほうが不思議なほど、
嫌韓感情やマスコミ不信がネット上ではあふれていたものが、高岡蒼甫の発言がきっかけで一気に爆発した格好です。
何も韓流ゴリ押しは他局でもやっているのにフジテレビが槍玉に挙がったのは、
高岡さんの発言がそれであったことや、実際に他局よりも韓流を扱う時間が長いといったこともあります。
叩けばほこりが出るの言葉のとおり、フジテレビの「反日」的な言動が次々と槍玉に挙がり、(強引なこじつけもありますが…)
さらに、系列局の東海テレビで「汚染されたお米 セシウムさん」という字幕を流す放送事故などが重なり、
ますます火に油を注ぐ結果となっています。
実は私、実際に行ってウォッチングしてきました。
集合場所になっている、船の科学館付近に行ってみると、思った以上に大人数で驚きました。
第一印象で「少なくとも2、3千人はいるんじゃないか」と思いました。
と思ったら、「公式発表」で6000人らしいし、4000人はいることは間違いない。
というのも、大手メディアでは報道されていないものの、スポーツ報知とスポーツニッポンが報道していたからです。
ほかの国内の新聞・テレビメディアでは報道されていません。
このデモに賛同する立場だけでなく、このデモに批判的な人からも(晒し上げるために)報道すべきだという意見が出ているぐらいです。
ちなみに、公安らしき人を私は見ませんでした。
在特会のデモよりも人数が多いのに、警察車両は少なかったです。バスも見かけませんでしたし。
デモでは「韓国ドラマなんか見たくないぞ!!」「K-POPなんか聞きたくないぞ!!」などと声が上げられていました。
シュプレヒコールには韓国以外のネタも含まれていました。
メディア構造に関するシュプレヒコールは少なかったような気がします。
フジテレビの前に来ると、チャンネル桜の水島総氏らが演説していました。
水島氏がデモの参加者に対して激励すると、参加者もそれにこたえてるのが見えました。
(それにしても、生で見ると田母神俊雄氏の背が思ったより低く感じた…)
そして、野次馬も非常に多かったと思います。特に、外国人の野次馬が妙に目立ちました…
チャンネル桜系の頑張れ日本!全国行動委員会が主催するデモは見ませんでした。
それにしても、疑問に思うことがいくつかあります。
何も韓流ゴリ押しもネット上の嫌韓も今に始まったことではないのに、なぜ今頃になってデモが起こるんだという感じがします。
在特会がデモ活動を始めてずいぶん経ちます。NHKや新聞社に対するデモはありましたが、
民放テレビ局に対するデモは私の知る限り初めてです。
あと、反韓流という根っこがなければ、マスメディアの構造の問題点について追及することができないというのが何とも言えないところです。
クロスオーナーシップを見直そうとした政治家なんて原口一博氏ぐらいなもんですよ…
むしろ、自民党からほとんど出てこないのが不思議なほどです。これも利権の影響からでしょうか…
チャンネル桜は、むしろ竹島問題に抗議するデモを開催したほうがよかったような気もしますが…
ネットの動きに便乗している感は否めない低次元のデモよりも竹島問題について韓国大使館に抗議したほうが
よっぽど建設的なような気もするのですが… 馬鹿馬鹿しい限りです。
人権侵害救済法案の骨子まとまる。そして、ジレンマも…
委員は国会同意人事 人権救済機関の基本方針発表 権限強化の余地も
江田五月法相は2日の記者会見で、人権侵害の被害者救済を図る新たな人権機関設置の基本方針を法務省政務三役名で発表した。人権侵害の有無を調査する「人権委員会」は法務省の外局とし、委員長と委員は国会同意人事にする。民主党政権は基本方針を軸に年内の人権救済法案作成を目指す。
基本方針は、人権委員会について「国民の人権擁護に関する施策を総合的に推進し、政府に対して国内の人権状況に関する意見を提出することなどを任務とする」と規定した。
その上で、政府からの独立性を保つため、公正取引委員会や国家公安委員会などと同様、独自の規則制定権を持つ「三条委員会」として設置する。
都道府県では、人権擁護事務を担っている法務局や地方法務局などが窓口となる。都道府県の人権擁護委員は地方参政権を有する者から選ぶ方針を示し、永住外国人に地方参政権が付与されれば外国人も有資格者になる。
一方、人権侵害の調査に関しては「任意調査に一本化し、調査拒否に対する過料などの制裁規定は置かない」とした。救済措置についても「調停・仲裁を広く利用可能とし、訴訟参加、差し止め請求訴訟の提起は当面導入しない」と定めた。報道機関の活動に対しても「自主的取り組みに期待し、特段の規定を設けない」とした。
ただ、基本方針は「制度発足後5年の実績を踏まえて必要な見直しをする」ともしており、今後の政治情勢によっては人権委員会の権限が強化される余地を残した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110802/plc11080210120014-n1.htm
こっちの表現の自由を脅かしかねない法案も動きだしました。
人権侵害救済法案の基本方針についてまとまりました。
人権委員会については、「地方参政権を有する者」から選ぶなどとなっています。
「令状なしに家宅捜索や押収を行う事ができる」という反対論の論拠となっている立ち入り調査に関しては、
任意調査に一本化することになっています。
年内の作成を目指すとなっており、そんなに急ではないのがせめてもの救いです。
もちろん、反対派がこれで納得するとは到底思えません。
怒りはますます高まるばかりでしょう。
むしろ、当初の案では人権委員会が内閣府の外局であったものが法務省の外局になったことから、
自民党時代の人権擁護法案のうち、人権委員会が法務省の外局にあることを問題視していた人の不興を新たに買うのは必至です。
右派ばかりでなく、左派からも反対の動きが強まると考えられますので、
定義拡大解釈…何が人権侵害か 人権救済機関の骨格公表
法務省政務三役名で2日明らかにされた人権救済機関の基本方針は、これまで指摘されてきた制度への根本的な疑義を払拭できる内容ではなかった。報道への規制や調査拒否への過料などは「ない」としたが将来どうなるかはわからない。「人権侵害」のレッテルを貼られ、糾弾の末に社会的に葬られる「人権侵害社会」が到来する危惧をぬぐい去ることはできない。
▼「そもそも必要か疑問」
平成14年以降、何度も構想が浮かんでは消えてきた人権救済機関だが、「そもそもそうした組織が必要なのかが疑問。法律の全貌を示さずに断片的な情報を小出しにしながら批判回避に明け暮れている」(百地章日大教授)という指摘が今回もある。
「何が人権侵害にあたるのか」という肝心の問題点も、相変わらず曖昧なままだ。基本方針にそうした定義はない。過去の民主党の人権侵害救済法案(平成17年案)では「人権侵害とは『不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為』をいう」とあり「何人も他人に、次に掲げる行為、その他の人権侵害をしてはならない」。これではどうにでも拡大解釈が可能だ。
▼言葉が独り歩きの恐れ
これまで、何が人権侵害とされるのか。各地の弁護士会にある「人権救済」の勧告制度をみると、学校での生徒指導や校則指導、さらに国旗や国歌をめぐる出来事が、「学ぶ権利」や「意見表明権」「思想信条の自由」を奪ったとして「人権侵害」とする例が後を絶たない。
「学校教育や指導自体が脅かされかねない。国旗国歌の問題での弁護士会の主張も一面的断罪に流れる傾向が強い。既存の制度すら問題なのに、新たな制度ができると、人権侵害という言葉が独り歩きして混乱に拍車をかける危険が高い」(百地教授)
拉致事件をめぐる北朝鮮への批判や警察の職務質問…。何が人権侵害とされるかへの疑問は尽きない。
▼「恐怖社会化が進む
基本方針では「調査に強制力はなく、調査拒否した場合の罰則規定も当面設けない」とした。その一方で法施行後5年程度をめどに活動内容を見直す条項も含んでいる。政治情勢次第で内容が強化される恐れは十二分にある。
基本方針の発表を受け、国会内では民主党の「人権侵害救済機関検討プロジェクトチーム(PT)」(座長・川端達夫衆院議院運営委員長)の会合が開かれ、法務省が基本方針について説明した。会合では「5年後に見直すのではなく、今しっかり議論をしよう」との慎重審議を求める意見が出された。
しかし、基本方針の根幹は6月にPTが示した取りまとめに沿っており異論はほとんどなく終了。会合終了後、川端座長が慎重派の議員に「ずいぶんハードルが低い基本方針になっているだろう?」。糾弾の横行や統制社会をもたらすといった危惧を認識していないかのような口ぶりだった。
拓殖大学大学院の遠藤浩一教授は「批判回避を図って小細工をしても人権救済機関の設置は密告による社会的抹殺を促し、政治弾圧を横行させ、左翼全体主義的恐怖社会化を進めることになるだろう。そうした法案を進める民主党はもちろんだが、危機感をもって対(たい)峙(じ)しない自民党にも危うさを感じる」と警鐘を鳴らしている。(安藤慶太)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110802/trl11080222590006-n1.htm
やはり、人権侵害救済法案については産経新聞が詳細に書き立てています。
右派的反対論についてはこの産経の記事を見ていただければ一通り分かると思います。
左派的反対論でも、「人権侵害の定義が曖昧」といった批判はよく見られます。
左派的反対論の一つに、人権委員会の独立性を指摘する問題があります。
法務省の管轄だと、刑務所などでの人権侵害に対して甘くなると言われていたので、
それに対し内閣府の管轄にしようというものですが、結局は法務省の管轄に。
これで左派の反対派をもますます刺激することになり、成立は遠のいたように感じられます。
私も当然ながら、人権侵害救済法案について非常に強く反対しております。
しかし、内外の反発が極めて大きいため、成立する可能性は極めて低いと思います。
さて、規制反対派の最大のジレンマは、何と言っても
児童ポルノ禁止法改定反対派と、人権侵害救済法案反対派の多くがねじれ現象を起こしていて、
両方に反対している人がほとんどいないという、何とも皮肉な現状なのです。
両方に反対している政治家やら文化人やらは私が思い浮かぶ人だけで、
ほんとあまりいません…
どちらか片方の賛成派でもう片方の反対派はよく見かけるんですがね…
あと、両方とも賛成派もなかなか見かけません…
審議に向けた動き本格化か!?
児童ポルノ法、修正協議へ 所持規制で民自公3党
2011.7.27 13:51
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110727/plc11072713530017-n1.htm
民主、自民、公明の3党は27日の衆院法務委員会理事懇談会で、児童ポルノの所持規制を強化する児童買春・ポルノ禁止法改正案の今国会成立に向けて、民主党と自公両党の改正案を一本化する修正協議を実施することで一致した。ただ所持規制をめぐる認識に開きがあり、合意できるかは不透明だ。
自民、公明両党は改正案を既に国会に提出。民主党も今週中に改正案をまとめて提出する予定だ。8月9日の法務委員会で双方が趣旨説明した後、実務者で協議を始める。
現行法は製造や提供目的の所持に罰則を設けているが、自公案は個人が趣味で写真や映像を持つ「単純所持」も規制対象に加える。これに対し民主党は購入した場合などに適用する「取得罪」の新設を検討している。
公債特例法案の審議がまともにできていない政局の中なのにも関わらず、
優先順位の低い法案の審議がされようとしています。
基本的に以前審議が行なわれた時と似たような状況でしょう。
なお今のところ、産経新聞のみが報道しているようです。
この記事を書くのが記事が掲載された3日後になりましたが、「今週中に」という箇所ははずれたようです。
ただ、続報がどのメディアからも確認されていないようなので
成立、施行されたコンピュータ監視法の時とは異なり、基本的に与野党間に対立点は残っているようですので、
安易に妥協されないことを祈りつつ、何らかのアクションを起こすべきです。
ただ、そうは言っても実際問題として難しいことは多々あります。
以前、宮崎岳志議員がメール攻勢について苦言を呈していましたからね… (参考:http://togetter.com/li/152883)
結局、議員の前に出てこられるだけの能力がない人は出しゃばらないで引っこんでいた方が無難だと言うことなのでしょうか…
手紙攻勢も最初の方こそうまくいったものの、結局は動いてくれなかったですからね…
まあ、いずれにせよ別の戦術を考える必要があると思います。
産経が報道したものには、人権侵害救済法案についての記事もありますので、次回はそれに言及したいと思います。
どうせだったら、早く問責決議出してしまえば審議が全面的に止まってしまうのに…
慰安婦問題に言及したことで思わぬ波紋。
#hijitsuzai 規制反対の意見広告を提案する。
http://togetter.com/li/159554
私の前々からの持論である、規制反対の意見広告を作るべきだという提案についてです。
取っ掛かりとして意見広告によるメリットとして、大衆への周知効果を挙げ、
また、規制反対派の課題である資金集めにも利用しようというものです。
慰安婦問題について言及したのが思わぬ波紋を呼んでしまったようです。
私の過去の記事を参照していただければ、分かると思いますが
私が意見広告を出すべきだという着想に至るきっかけは"THE FACTS"です。
まあ、"THE FACTS"は明らかに意見広告としては大失敗だったと思っていますし、
意見広告を作成するに当たっては反面教師だと思っています。
そのことに言及したのが、かえって「歴史修正主義」と物議を醸すことになってしまったようです。
他に意見広告を出すべきだという考えを補強するきっかけになったものには、
護憲派の市民団体が毎年のように出している意見広告や、拉致問題についての意見広告を出している「意見広告7人の会」、
台湾の東日本大震災への支援に感謝する「ありがとう、台湾」広告なども挙げられます。
私は河野談話によって慰安婦問題はほぼ政治決着がついていると思います。
それにも関わらず、双方の立場にいる人々がいらぬ火をつけて回っているから不毛なのだと思います。
アメリカ下院の慰安婦決議なんてその典型例だと思うんですけどね…
ちなみに、私は河野談話を撤回すべきだとは金輪際思っておりません!!
ただ、河野談話に批判的な層を皮肉るために、「規制推進派の論理は河野談話と同じだ」ということはあります。
保守色の強い総理大臣でも撤回できないぐらいなので、もはや河野談話を撤回したくても、誰も撤回できないと思います。
だから、「河野談話の撤回なんぞ無理だからあきらめろ」と本心で思っている次第です。
表現規制問題にも非常にシニカルな立場のApemanさんならまだしも、
他にも慰安婦問題についての言及に噛み付いてくる人が出るとは思いませんでした…
河野談話で決着がついたはずの話を右と左の双方が突っつきあったり、掘り起こしたりして、
かえって話をややこしくしているのだと思います。
それを、「過剰に煽りたてられている」と考えたわけです。
過剰に煽りたてている側には、保守・右派も当然含みます。
ちなみに、
http://d.hatena.ne.jp/blast-off/20090515/1242353944
今回の都条例可決で、ある種の婦人団体は「嘘に基づいた主張」をまたしても成功させたことになる。前回は「日本は従軍慰安婦の強制連行を行なった」だったが、今回は「日本は児童ポルノ大国」だった。味をしめたこの団体が今後一層増長してくることを懸念する。 #hijitsuzai
http://twitter.com/#!/ni_no5/status/18837264310206464
といった具合に、規制推進派と慰安婦団体が密接に関わっている。
というのは、規制反対派の間ではよく知られている話です。
その点を利用して、慰安婦問題に批判的な人を取り込むことはできないかと考えたことはあります。
ECPATが主催した集会に出席した山谷えり子氏らは間違いなくほぼ確信犯(誤用)ですが、
保守系文化人に対してカマをかけるにはぴったりの話題で、
上手くやればもしかしたら規制反対派にすることができるのではないかと考えたまでです。
実際に一部では効果を上げているらしいんですね…
城内実氏がコンテンツ文化研究会のロビイングの結果、規制反対になり、
去年12月の集会にも出席しましたし、
日本ハッテン党幹事長さんから頂いた情報です。
平沼赳夫氏からお返事をいただきました。
(転載開始)
メール有難うご座いました。
児童ポルノ法改正のこと詳しくご説明頂き、御礼申し上げます。
左の蠢動を感じます。保守が頑張らなければなりません。
衆議院議員 平沼赳夫
(転載終了)危機感を持ってくださったようです。
反日勢力との繋がりについてガッツリと書き込んだ文面が効いたようです。
しかし、平沼氏のような良識のある保守派は一握りしかいないのが痛いところです。
自称保守本流の自民も反日団体に毒されていますからね・・・orzただ、創作物規制の件についても、以前は賛成派のようでしたが、最近は慎重な様子なので意見する価値は十分にあるでしょう。城内実氏の件や「国益に関わる問題」を織り交ぜて意見すると良さそうですね。
http://otakurevolution.blog17.fc2.com/blog-entry-1387.html
と、平沼赳夫氏が規制慎重に転じたようだという情報もあります。
平沼氏を規制慎重に転じさせることができるぐらいなら、他の保守・右派論客も
もしかしたら規制慎重派に転じさせることができるのではないかと思ったまでです。
あるいは、保守・右派の矛盾点を暴き立てるカマかけの材料として使うとか…
認知的不協和に陥るネトウヨ以上に、保守系文化人のたじろぐ様子は見物だと思います。
あと、補足しておきますが、
「日本鬼子を萌え化して日中友好でございと抜かす類の阿呆」は私も阿呆だと思っていますけどね…
ひのもとおにこは知ってますが、あまりにしょうもないので全くと言っていいほど相手にしていません。
審議開始は先送りされたが…
児童ポルノ:禁止法改正案 政局で成立には難航予想
児童ポルノ所持に対する規制強化をめぐり、民主党は28日、児童ポルノ法検討ワーキングチーム(WT)で、児童買春・児童ポルノ禁止法改正案を今国会に議員立法で提出する方針を確認した。別の案を提出済みの自民、公明両党との修正協議も視野に入れてはいるものの、民主党内には「規制強化は捜査権の乱用につながる」との懸念があるほか、自民党側には菅直人首相による同党参院議員の政務官起用に反発が渦巻き、法案の一本化は難航も予想される。
民自公3党は09年7月、児童ポルノの提供目的での所持を禁じた現行法に関し、個人的に見るための「単純所持」も禁止し、罰則規定を設けることでいったん合意した。主要8カ国(G8)で単純所持罪がないのは日本とロシアだけだったためだ。当初、有償や反復して入手した児童ポルノに限って禁じる案を出していた民主党が自公側に歩み寄った。ただ、この時は直後の衆院解散で廃案となっていた。
今回は、09年秋の臨時国会に同様の案を再提出した自公両党が延長国会での審議入りを求めたため民主党も対応に乗り出した。以前の自公との協調ムードはなく、28日のWTではあっさり対案の提出を決めた。座長の辻恵衆院議員は09年7月の3党合意について、直後の政権交代を理由に「リセットだ」と明言した。【堀井恵里子】
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110629k0000m010107000c.html
どうも、民主党は基本的に対案路線みたいですね…
コンピュータ監視法の場合は、民主党内から反対意見が噴出したものの、民主自民両党に大きな対立点はありませんでした。
しかし、政局の混乱で審議されないだろうと考えられていた間に審議・可決されてしまいましたからね…
ですから、今回も同様の事態が起こる可能性はゼロではありません。
ただ、WTの座長の辻惠氏はコンピュータ監視法審議の際に慎重な意見を述べていたので、これも慎重派だと思います。
だからこそ、同じ轍は踏むまいと対案路線ということになったのでしょうか。
おそらくは解散以前と基本的に変わらない動きになる可能性が高いと思いますが…
少なくとも、最低でも時間稼ぎにはなってくれるとは思いますが…