児童ポルノ法改正の動きは忘れた頃にやってくる

仕事が忙しかったり、体調が悪かったり、ネタが思うようにまとまらなかったりで久しぶりの更新です。

不信任案は「茶番劇」で一転否決、コンピュータ監視法もあっさり通ってしまいましたが。そんな中こんな話題が。

児童ポルノ禁止法改正案、自・公が今国会提出へ


 自民、公明両党は、児童ポルノ画像などの氾濫を防ぐための「児童買春・児童ポルノ禁止法改正案」を議員立法で今国会に提出する方針を固めた。


 画像を個人が取得して保管する「単純所持」の禁止が柱だ。法案提出は、今国会の会期延長の動きに伴って急浮上したもので、民主党も法案協議に応じ、合意に至れば賛成する方向だ。

 同法は、児童ポルノの提供や提供目的での所持は禁止しているが、画像や写真を個人DVDの記録媒体に保存するなどの「単純所持」は禁じていない。主要8か国(G8)で禁じていないのは日本とロシアだけで、国際社会からも批判がある。

 自公両党は与党時代の2008年、通常国会に単純所持を禁止する改正案を提出。異論のあった野党時代の民主党も、09年の通常国会で修正協議に応じた。この時は、単純所持を禁止し、違反すれば1年以下の懲役か100万円以下の罰金を科す規定を設けることでほぼ合意したが、同年の衆院解散で廃案となった。09年秋の政権交代後は目立った協議がなかったが、今国会の会期延長の流れに伴って公明党が再協議を呼びかけ、自民党が同調した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110619-OYT1T00807.htm

久しぶりに大きな流れが出てきました。しかし、疑問が一つ。

あれ?自公は既に提出済みのはずでは!?と思いました。

衆法 第173回国会 5 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g17301005.htm

にあるように、既に2009年、政権交代から間もない間に提出されています。

別の動きでもあるのかと思っていれば、その記事が出た翌日に、推進派の集会があったそうです。

「子供たちを守れ!児童買春児童ポルノ禁止法改正に向けた緊急集会」の実況まとめ

出席者は、後藤啓二氏、宮本潤子氏、大森佐和氏(ECPAT運営委員)。

議員の出席者は、

自民 阿部俊子 小渕優子 河野太郎 塩崎恭久 野田聖子 平沢勝栄 山谷えり子
公明 大口義徳 富田茂之
民主 小宮山泰子 小宮山洋子
(敬称略)


民主党推進派の実務の中心は、小宮山は小宮山でも小宮山泰子氏の方が中心。

小宮山洋子氏が副大臣だからでしょうか。

詳細は、先ほどのリンクを見ていただくとして、

「ジュニアアイドルは3号ポルノではない」というのが意外でした。

私だって3号ポルノに該当するんじゃないかと思う代物はいくつもあると思っていますが。

何件か摘発されているのですから、検察か制作者側が最高裁まで粘って判例を出せばいいのにと思っているぐらいです。


さて、早くも翌日には民主党の法務部会が行なわれるとか。

あまりに急な動きです。

郵政造反組の動きについて、あるいは産経新聞による「日本解体法案」への動きの報道などで言われた

ステルス作戦が行なわれていたようです。

コンピュータ監視法案についての考察

今日の衆議院法務委員会でのコンピュータ監視法案の可決。何人か民主党議員が採決前に退室したとの情報が入りました。事実上の棄権。なお、今日の午後の衆議院本会議に緊急上程されて可決されるとの情報もあります。

http://twitter.com/crusing21/status/75404085741891584

サイバー法案、衆院通過 政府、今国会成立を目指す 
 

 インターネットを使ったサイバー犯罪を取り締まるため、コンピューターウイルスの作成、配布罪の新設などを盛り込んだ刑法等改正案は31日午後の衆院本会議で民主、自民両党などの賛成多数で可決した。参院に送付され、政府は今国会での成立を目指す。

 改正案では、正当な理由がなくウイルスを作成や配布した場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科すと規定。わいせつな画像を電子メールで不特定多数に送信する行為を処罰対象に加えた。

 ウイルスを作成したコンピューターと接続しているメールサーバーからデータを複写し差し押さえることが可能になり、インターネットの接続業者や企業に最長60日間の通信履歴の保存を要請できるとした。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110531/plc11053117520017-n1.htm


仕事も忙しく、ちょっと体調を崩してしまい、ろくな行動が取れないうちに、

ウイルス作成罪、いわゆる「コンピュータ監視法案」が衆議院を通過しました。

審議過程は大手メディアで一切報道されることがありませんでした。

通称『コンピューター監視法案』の恐怖 −修正が加わった現状でも残る問題点−

http://nihon-jyoho-bunseki.seesaa.net/article/205920399.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter

ひのもと情報交差点 コンピューター監視法 5-25に審議入り (抗議先と意見例あり

http://johokosa.blog98.fc2.com/blog-entry-190.html

敢えてウヨ系ブログのリンクを紹介しました。

なぜ敢えてウヨ系ブログのリンクを紹介したかというと、

ふと国籍法改正問題の時と比較してしまったからです。

有名なウヨ系ブログ、「博士の独り言」でも言及していました。


1つは、保守・右派とリベラル・左派の法案をつぶす能力の格差。

与党の議員が、政府与党が提出した法案に反対する図式は国籍法改正の時と同じです。

国籍法の時は、閣議決定があってだいぶ経ってから反対運動が起きたはずですが、

今回のコンピュータ監視法案の時には閣議決定前から反対の動きはありました。

にも関わらず、この有様です…

これで、右の方が左より法案をつぶす能力が高いことが改めて証明されました。


保守・右派は大きく出遅れても追い込んで頭差ぐらいにまで責めよることができますが、

リベラル・左派は徹底的にマークしても届かないのです。


また、ネット右翼が騒いでも保守・右派の反応が鈍いことがあると改めて証明されました。

平沼赳夫氏に「左の蠢動を感じます」とコメントさせ、

佐藤正久氏に児童ポルノ法改正について慎重に扱うよう要請する請願に賛同させた*1のはネトウヨ的運動論の賜物です。

ほんの少しですが、ネトウヨ的反対運動の効果は出ているようです。

その割に、コンピュータ監視法案に対して反対寄りの意見をする自民党議員はいないようです…

全くもって無力というほかありません。

強いて言うなら、無所属の城内実氏が多少なりとも慎重寄りな意見をした程度ですかね…




内閣不信任決議が早ければ1日にも出されるそうですので、

そこで造反が多く出れば、可決されるので衆議院解散ということになるでしょう。

(解散するより総辞職した方がいいと思うが…)

すると、事実上総選挙後まで先送りされることになると思われます。

おそらく自民党政権になってしまうはずですが、皮肉にもそれでほんの時間稼ぎになりそうな気がします。

自民党はさんざん民主党政権の震災・原発事故対応を批判しているのですから、

政権を奪還したらそちらを真っ先にやりますよね!?

野党の時のように、暇を持て余している余裕なんて一切ないですよ!?




(そういえば、反対派の民主党議員の多くが小沢系のような…)

人権擁護法案、秋にも提出か

人権侵害救済法案提出へ、メディア規制なし 

 
 政府・民主党は、不当な差別や虐待で人権侵害を受けた被害者の救済を目的とする「人権侵害救済法案」を次期臨時国会に提出する方針を固めた。
 
 
 2002年に小泉内閣が提出(翌年に廃案)した人権擁護法案の対案として民主党が05年に作成した法案をベースに修正を加える方針で、擁護法案で批判が強かったメディア規制条項はなく、早期成立を図る構えだ。
 
 民主党は4月に人権侵害救済機関検討プロジェクトチーム(川端達夫座長)を設置、今国会中に救済法案の骨子をまとめる予定だ。政府は党の作業を踏まえ、人権侵害の定義、国と地方機関の組織のあり方などの制度設計を法務省で行い、次期国会への提出を目指す考えだ。
 
 自民、公明両党の連立政権時の擁護法案では〈1〉人権侵害救済機関「人権委員会」を法務省外局として設置〈2〉取材を拒む被害者らを継続して待ち伏せることへの停止勧告――などの内容に報道規制や救済機関の独立性への懸念が示され、自民党内でも異論があった。民主党対案は05年の衆院解散で廃案となり、同党は09年の衆院選政権公約マニフェスト)に「人権侵害救済機関の設置」を掲げていた。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110511-OYT1T01191.htm

いよいよ、人権侵害救済法案提出の動きが出てきましたね…

次期臨時国会ということは秋ごろになるのでしょうか…


人権侵害救済法案というのは、人権擁護法案民主党版で、メディア規制条項の全面削除と

救済機関の所轄が内閣府になると言う点、人権委員会に人権団体員が優先的に入るという点が異なります。


そもそも、人権擁護法案は2002年に提出されたときにメディア規制法案と呼ばれ、

マスコミやジャーナリストなどを中心に大々的な反対運動が行なわれていました。

その時には、メディア規制が槍玉に挙げられ、審議されずに衆議院解散で廃案になりました。

その後、2005年に自民党内で再提出が検討されたときに、保守・右派を中心に大々的な反対運動が起こります。

その時の反対論が、「特定の団体*1が『人権侵害だ!!』と言いがかりをつければ、それが人権侵害だとみなされ、言論の弾圧につながりかねない」などといったものでした。

自民党の右派色の強い議員で大々的な反対があった結果、葬り去られました。

2008年、福田内閣の時に再提出が議論され、太田誠一氏が独自の修正試案を定義しましたが、

やはり反対の声はおさまることがなく、自民党からの法案提出は事実上不可能となりました。


保守・右派の反対派の間では、民主党人権侵害救済法案自民党人権擁護法案よりも危険な内容だと言うことで一致してます。


産経新聞が、

同法案は、自由な言論の制限・弾圧につながる危険性が指摘されている。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110513/plc11051315290015-n1.htm

と書いているのは、さすがに産経と言ったところですね。


なお、時事通信の報道によれば、

人権救済法案、臨時国会提出へ=メディア規制盛らず−法相

 
 江田五月法相は13日午前の記者会見で、人権侵害を受けた被害者の救済を目的とする「人権侵害救済法案」について、「民主党の方で考えがまとめられつつある。臨時国会にという話があるが、そういう日程で立法への歩みが進むといい」と述べ、政府・与党内の調整がつけば次期臨時国会に提出する意向を表明した。
 同法案は、不当な差別や虐待で人権を侵害された人を迅速に救済する新たな機関を設置することなどが柱。自民党政権下で提出され廃案となった人権擁護法案には、メディアの活動を規制する項目が盛り込まれていたが、法相は「私たちが考えている法案にはメディア規制は取り込まない」と明言した。 
 民主党は2009年の衆院選マニフェストに「人権侵害救済機関の設置」を明記。党内にプロジェクトチーム(川端達夫座長)を設置して、法案の内容を検討している。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011051300416

と、江田法務大臣は党内の調整が必要との認識の模様。

つまり、民主党の右派系議員が騒ぎ立てれば、提出されない可能性があると言うことだと思います。


ちなみに、一番上に乗せた読売の記事のはてブを見ると、

「わざわざこんな時に・・・もっと今必要な法案を通せよ。」

「聞こえはいいど中味は都条例のアレより規制が厳しくなる法案」

「 警察でさえ裁判所の条令が無いと「踏み込み」が出来ないのに、人権委員会は「侵害を受けた!」と言う証言があれば踏み込みが出来るという、戦前よりも酷い『人権侵害法案』を提出。しかも委員に国籍条項無し。」

とのコメントがありました。


左派的なid:Thscさんが、

「×メディア規制なし ○マスコミにネガキャン張られたからマスコミ規制撤廃/これ、法益の著しい不均衡という弊害を訴える正攻法より、保守の差別意識を煽りまくった方がまだ潰せる目があるって点で本当絶望的な法案よ」

と反対寄りのコメントを残し、保守・右派に反対派が多いことについて非常に歯がゆく感じているような

コメントをしていました。


私は右派的反対論にも左派的反対論にも同意できるところがありますから、

この法案には「反対」という点では間違いなのですが、運動論がややこしいことになりそうです。


詳しい経緯や反対理論などの私の考察など、詳細は近いうちに書きます。

*1:外国政府の意を受けた勢力や市民団体。とりわけ、部落解放同盟朝鮮総連などが槍玉に挙がった。

表現規制問題と反原発の違いは何か

原発:1万5000人が参加してデモ 東京で

 
 「脱原発の一点でつながろう」と市民有志による「原発やめろデモ!」が7日、東京・渋谷や原宿周辺で行われ、約1万5000人(主催者側発表)が参加した。
 
 東京電力福島第1原発の事故を受け、杉並区高円寺北のリサイクルショップの経営者やミュージシャンらが企画した。先月10日の高円寺でのデモに次ぐ第2弾で、参加者は「バイバイ原発」「エネルギー政策の転換を」などと書かれた手作りのプラカードを掲げた。
 
 川崎市から来た妊娠7カ月の大富香織さん(37)は「(静岡県御前崎市の)浜岡原発の停止が実現しそうなのでほっとしている。生活を見直し、子どもが安全に暮らせる社会を築きたい」と話した。【明珍美紀】

http://mainichi.jp/select/science/news/20110508k0000m040082000c.html

福島第一原子力発電所の事故を受けて、大々的な反原発デモが行われています。

保守系市民団体、「頑張れ日本!全国行動委員会」が主催した尖閣デモの時は、

主催者発表で6000人とか言っていましたが、今回はそれを大きく上回りました。

恐らく、近年ではまれにみる非常に大規模なデモです。

実際問題、反原発派の多くは左派であることもあって、「反原発サヨク」という偏見を持たれていることから、

保守・右派陣営はますますひがんでいることでしょう。


主催者発表というものを往々にして信じない私は、警察の把握している人数を知りたくて、

渋谷警察署に問い合わせましたが、電話での問い合わせは受け付けていないとのことでした。

私が疑問に思ったのは、なんで反原発派はデモばっかりなのか?

青少年健全育成条例の時みたいに政治家に意見を送ろうとかいう動きはないのか?と疑問に思っていたわけです。

その決め手となったのは、

「デモをするより議員事務所に行け」 河野太郎流、脱原発運動のススメ

 
 「デモをするより、議員事務所に行ったほうがよい」――反原発反核燃料サイクル派として知られる自民党河野太郎衆議院議員は、2011年4月26日に行われた自由報道協会主催の記者会見で、脱原発に向けて国民ができることこととして、「議員に直接意見を届けること」だと語った。なお、この模様はニコニコ動画でも中継された。
 
 河野議員は、「日本の原子力というのは、全体が利権になっている」と語り、電力会社と各界との蜜月関係を指摘する。「官」にとっては天下り先になるため、電力会社の地域独占と送電・発電の一体化を保護し、研究開発費をもらっている「学」は卒業生の就職先にもなるので喧嘩はしない。「メディア」も広告宣伝費をたくさん受け取っているので、原子力政策の批判はできない。もちろん「政」も例外ではなく、自民党には電力会社から多額の献金があり、民主党は電力会社の労働組合に集票活動を手伝ってもらっている。こうして、「みんなが黙っていれば、美味しいものがたくさんある」という構図ができあがってしまったという。
 
 こうした状況を打開するためには、次回の総選挙で「エネルギー問題」を争点に据え、反原発の考えを持つ議員を、党派に関わらず選ぶ必要があると河野議員はいう。

http://news.nicovideo.jp/watch/nw58412

という河野太郎氏の会見です。

都条例の件でデモをやろうという機運が無かったというより、

逆に反原発で陳情をしようという機運が無かったのが不思議で仕方がなかったので、

【素朴な疑問】都条例問題と反原発、デモ活動・陳情活動の違いは何か

http://togetter.com/li/133123

で何人かの人に聞いてみました。

問題の規模ではないかとか、敷居の高さの違いではないかという意見が出てきました。

この問題についてはまた書くかもしれません。

保坂展人氏が世田谷区長に

’11統一選:後半戦 世田谷区長選 保坂氏初当選 高い知名度で乱戦を制す /東京
 

 統一地方選後半戦は24日、先立って投票された一部の島しょ部を除いて都内でも一斉に投票が行われた。このうち、10区長選、7市長選、16区議選、19市議選、1町長選、6町村議選は即日開票され、新首長・議員が続々と決まった。大震災発生を受け、災害対策も争点となったが、都選挙管理委員会のまとめでは、都内の投票率は、首長選は45・22%(前回07年は46・05%)、議員選は44・21%(同45・83%)にとどまった。行われている選挙が異なるため一概には比較できないが、議員選は03年の44・84%も下回って過去最低。江東、大田、江戸川の3区長選と江東、大田、中野、荒川、江戸川の5区議選、八王子市議選は25日に開票され、同日午後には新しい体制が出そろう。【統一選取材班】

 今回実施された区長選で唯一現職が引退し、無所属新人5氏が立候補した世田谷区長選は、社民、国民新などが支持する前衆院議員、保坂展人氏(55)が初当選した。保坂氏は同区北沢の選挙事務所で支持者らに迎えられ、満面の笑みをみせた。

 保坂氏は出馬表明が4月と遅れたが、「国会の質問王」と異名を取った前衆院議員としての知名度を生かし、無党派にも幅広く浸透。乱戦を制した。

 自民推薦の元都議、花輪智史氏(44)は石原慎太郎知事とのツーショットをポスターにする選挙戦術で臨んだが及ばなかった。

 自民総支部が推薦する前区議長、川上和彦氏(52)は引退を表明した熊本哲之区長の路線継承を掲げたが浸透しなかった。

 民主などが推薦する元区議、菅谷康子氏(36)は子育て支援策の拡充などを訴えたが表明出遅れが響いた。

 共産推薦の世田谷民主商工会事務局長、慶野靖幸氏(59)は支持が広がらなかった。【神足俊輔】

http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20110425ddlk13010274000c.html

保坂展人さん、当選おめでとうございます。

大変失礼ながら、まさか当選できるとは全く思っていませんでした。



世田谷区長選に出馬すると聞いた時は社民党を離党することにより、国政に復帰する機会を失ってしまうのではないかと思い、

戸惑いを隠すことができませんでした。

規制反対の議員が国政復帰の機会を捨てるのは望ましくないのではないかと思ったからです。。


自民党が、民主党を離党し寝返った前都議の花輪智史氏を推薦する一方、総支部は川上和彦氏を支持。

自民党分裂選挙になったことも、保坂氏当選にとって有利な結果になりました。



自民党世田谷総支部としては、つい数カ月前まで民主党の人間だった花輪氏を公然と支援することについて

相当な不満があったものと思われます。


それにしても、「まさか当選するとは思わなかった」という認識です。

社民党系の候補というより、無党派系の候補と見なされたことが背景にあると思われます。

事実、NHK出口調査によれば。無党派層でトップ、民主党支持層でも上位になっていました。

その出口調査を見て、「ウソ!?」と驚きを隠せませんでした。


ともかく、保坂氏が自力で当選したのはこれで初めてです。




当選したからには、是非とも頑張っていただきたいと思いますので、

よろしくお願い申し上げます。



余談ですが、自分が地元で投票した候補はどちらも落選しました…

石原都知事4選

東京都知事に石原氏4選 東国原氏・渡辺氏ら破る


 東京都知事選は10日投開票され、現職の石原慎太郎氏(78)が4選を決めた。前宮崎県知事の東国原英夫氏(53)やワタミ創業者の渡辺美樹氏(51)、前参院議員の小池晃氏(50)=共産推薦=らは及ばなかった。

 一度は引退の意向を固めた石原氏は、自民党などの要請を受けて立候補を決めた。出馬表明の直後に東日本大震災が起き、その後は災害対策の公務を優先。街頭に立ったのは選挙戦最終日だけだったが、東京が復興の先頭に立つと訴えた。

 東国原氏らは石原氏との政策の違いを強調したが、震災報道でメディアへの露出も限られ、支持が思うように広がらなかった。

http://www.asahi.com/special/tokyo/TKY201104100145.html

まあ、そうだろうとは思っていましたが、石原都知事が4選してしまいましたね…


投票率は57.87%。前回の54.35%を上回る。

得票数と得票率を見てみると、

氏名 得票数 得票率
石原慎太郎 2,615,120 43.40%
東国原英夫 1,690,669 28.06%
渡邉美樹 1,013,132 16.81%
小池晃 623,913 10.35%
ドクター・中松 48,672 0.81%

石原都知事の得票率が過半数を割れています。

そして、東国原氏と渡邉氏の得票を合わせると石原氏を1.46%上回ります。

となると、非石原票が多かれ少なかれ割れたという見方もできなくはありません。

親石原が少なくとも投票行動で割れることはありえないですからね…


やはり、組織力や年配層を中心とした支持が高いことが勝因ですかね…

なお、20代、30代の支持率は東国原氏がトップ。

しかし、若い人の投票率の低さが何とも言えません…

改めて無力さを思い知らされました。

震災の影響が、どのように影響したかと思うと、

多分メディアの露出度の関係なのでしょうかね…

保坂展人氏、世田谷区長選に出馬へ

保坂展人氏に大きな動きがありました。

世田谷区長選挙に挑む記者会見報告
 
 本日午後2時、北沢タウンホールの12階で記者会見をしました。記者・支持者・区民70人の前で「世田谷区長選挙立候補要請を受けて1週間かかり決断しました」と抱負を語りました。会見は1時間に及び、記者や参加者から活発な質問が出ました。
 
 昨年秋から何度か世田谷区長選挙に立つように求められてきました。当初、衆議院議員3期11年の場で培った経験を国政の場に戻ることで生かしたいという理由で、区長候補と目されるのは光栄としながらも固辞してきました。
 
 3月11日午後、激しい揺れが東京を襲いました。大地震による大津波が言語を絶する被害を生みました。私は、東北・宮城県の生まれです。地震の晩、帰宅困難者となって都心の出版社にいた私は、「福島原発の異変」のニュースに背筋が凍りました。
 
 それ以来、地震原発事故の緊張と恐怖が東京を包みました。停電が始まり、交通機関が乱れ、すべてが停滞する中で、この災難に立ち向かっていたのは被災地の自治体であり、また被災を免れた自治体でした。
 
 私は、地震の直後から田中良杉並区長と意見交換をして、杉並区が原発事故の後で「避難地域」と「屋内退避」地域とされた福島県南相馬市に緊急援助物資を送り、また「陸の孤島化」を危惧する桜井勝延南相馬市長の訴えを受けてバスを送り避難者を群馬県の宿泊施設に移送するプロジェクトのお手伝いをしました。そして、私自身も南相馬市に出向き、極限状態の中で市民の生命を預かり奮闘する桜井市長とも話してきました。
 
 素早く行動し、迷うことなく人々の生命を守る役割をするのは自治体だという姿をしっかりと瞼に刻みました。3月31日に、「もうぎりぎりだけれど」と世田谷区内の住民グループに出馬要請を受けた時に、たいへんな責任の重圧感とともに、今だからこそ私の力で役割を果たすことが出来るかと自問自答を続けました。
 
 3月11日の地震原発災害は、私たちの未来に大きな不安と影を落としています。そして、私たち自身の生き方や社会の慣習を大きく変えるように求めていると思います。政治の役割は、暗黒の中に灯を掲げ、困難な壁の向こう側に夢をつくりだすことです。
 
 それが25年間、子どもと教育問題をテーマに地域活動をしてきた世田谷で出来るのであれば、思い切った舵取りをしていきたい。国政が危機の前に停滞し、すぐに回答が生み出せない状況が続いていく中で、「新しい社会のあり方」を世田谷から提示していきたいと思うようになり、要請を受けることにしました。
 
 短い期間ですが、多くの人が身体を動かして、参加し、提案し、意見を述べ、議論しあう活力を作り出していきたいと思います。
 
 これが抱負です。
 
2011年4月6日               保坂のぶと

 
これは下原稿だったので、おおむねの内容です。
 
以下、質疑応答をしました。質問の中で「あくまでも国政をめざすべきではないのか。どうして区長なのか」という問いが何人かからありました。 今後、ブログの中で答えていきたいと思います。

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/971231376b9e117642584067fd7e67b7

保坂展人氏が世田谷区長選挙への出馬を表明しました。

世田谷区と言えば、元々の保坂氏の地元です。2009年の総選挙時に杉並区に移りましたが、

また世田谷に戻ってきたわけです。

この文章を見る限り、東日本大震災が区長選出馬を決断する契機になったようです。


ちなみに、社民党には離党届を出したとのこと。

保坂氏は比例の順位で党首の福島瑞穂氏、吉田忠智氏の次点ですが、

離党は国政復帰の可能性を捨てたことを意味するにほぼ近いものです。

保坂氏が辻元清美氏のように、民主党会派に食指を伸ばしているとは到底思えないので、

国政に未練を残さないという覚悟で臨むということなのでしょうか。

今後答えてくれるそうなので、見ておきたいところです。


なお地方、特に市区町村の世界では党員資格を持っていても無所属や別会派で活動することは珍しくないので、

市町村議会議員では圧倒的に無所属が多く、自民党民主党よりも共産党公明党の方が議席が多いのです。*1

都道府県知事や市町村長でも圧倒的に無所属として党の公認を得ないことが多いです。

だから、ウヨサヨ界隈で、隠れ自民とか隠れ民主とか何とか言われているわけです。

知事や首長なら党派性は分かりやすいけれども、

市町村議会議員の党派は公認・推薦がなければ分かりにくいですからね…


出るからには、是非とも頑張っていただきたいと思います。

世田谷区長選は候補者乱立の様相だそうです。

ただ、私としてはあくまでも国政を目指していただきたいというのが本音ではありますが…

*1:2009年12月31日現在