ネット規制を訴えるには、入れ知恵が必要なのでは?

津田大介:「青少年ネット規制法」成立はほぼ確実 その背景と問題点 (1/3) - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0804/09/news096.html


青少年ネット規制法案が議論されているようですが、表現の自由との兼ね合いから多くの問題点が噴出しています。
ふと思ったのですが、人権擁護法案と似てるのではないでしょうか?*1


そこで、見てみたのが次の記事。

自由帳で数学とか物理とか 人権擁護法案反対派はネット規制推進派に利用されたのか
http://hisamatomoki.blog112.fc2.com/blog-entry-150.html


この記事の中で私が気になったのは、ブックマークでt-satさんが指摘していたように、
人権擁護法案反対」と「ネット規制推進」が両立するという点ですかね。
人権擁護法案反対派の萩生田光一氏が、ネット規制を推進しているというのだ。


誰が議員に入れ知恵したのか分かりませんが、「人権擁護法案が通れば朝鮮総連などに日本が乗っ取られる」と
いう反対論がネットユーザーだけでなく、保守系の国会議員にもあります。
人権委員会が「人権侵害」を判断するので、朝鮮総連などの団体が乗っ取れば北朝鮮にとって都合が悪い言論を
つぶされるおそれがある。などといった話がそれです。


青少年健全育成推進委員会が「有害情報」を判断するのであれば、人権委員会が「人権侵害」を判断するように、
恣意的な判断がなされ、それを理由に立ち入り検査などの権限が与えられるのであれば、
朝鮮総連だろうと、部落解放同盟だろうと、その他もろもろの団体が乗っ取ってしまえば、
保守的な言論だろうと革新的な言論だろうと何だろうと、「弾圧」することが可能になってしまうではないか!


もちろん、これらのことが起こる蓋然性は極めて低いでしょう。
しかし、こういった主張が広がるのかどうかは、蓋然性が高いかどうかではなく、アイデアがどれだけ
多くの人々に信じられていくかという点にかかってくると思います。


問題点がきわめて類似しているにもかかわらず「人権擁護法案反対」と「ネット規制推進」が両立するのは、
おそらく、自己の無謬性を過信しすぎているからではないでしょうか。
蓋然性がどれだけあるかは別にして、「自分のやっていることは正しい」という確信があるなら、
「ある団体に乗っ取られるおそれがある」などと考えはしないわけです。



国会議員と交流関係がある方がいらっしゃいましたら、次のように入れ知恵してみてはいかがでしょうか?

例えば、

人権擁護法案と同じように、青少年ネット規制法案もある団体に乗っ取られる恐れがあります。

青少年健全育成推進委員会が「有害情報」と判断すれば、○○先生の主張もネットに載せることができなくなります。


中川昭一氏が「人権擁護法案が成立すれば私たちもブタ箱行きになる」という趣旨の発言*2をされましたが、*3

青少年ネット規制法案でもブタ箱行きになる可能性がある


とでも言えば、反対に転じてくれるのではないでしょうか。(さすがに無理か?)


とりあえず、今現在の私によるこの問題に対する考察です。
何か、新たな情報や不十分な点がわかり次第、新たに書くと思います。


なお、私は人権擁護法案に反対です!保守的な観点からみても、リベラル的な観点からみても問題だらけの
法案を通すべきではありません!*4

*1:同様の指摘は、http://blog.livedoor.jp/tokumeikibon/archives/51108813.htmlでもされているみたいですね

*2:http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080216/stt0802162033003-n1.htm 産経新聞より

*3:少なくとも2002年に提出された原案を見る限りでは、人権擁護法案で留置所行きになることはないはずだが…

*4:リベラル的な観点の反対論はメディア規制以外あまり見掛けませんが…