H2Sを用いた自殺問題について

高知の事件 http://mainichi.jp/area/kochi/news/20080425ddlk39040395000c.html

有楽町の事件 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080425-OYT1T00682.htm?from=navr

横浜でも… http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080425/crm0804252247034-n1.htm

大阪でも… http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080425/crm0804252247033-n1.htm

最近H2Sを用いた自殺が多くて、大変なことになっているようですね…

いや、厳密にいえば、自殺報道が急増したということか…

なんで、最近こんなものが話題になっているのでしょうか…


そこで思い出したのですが、

世界保健機構では、「自殺事例報道に対するガイドライン」を発表しています。

2006年の秋にいじめ自殺が多発した時にも取り上げられたと思いますが、((奇しくも安倍晋三首相(当時)が)教育再生を掲げていた時であり、盛んに報じられた)

自殺報道が多発したので、その要約と日本での現状を取り上げます。

1)やるべきこと
・自殺に代わる手段(alternative)を強調する。
・ヘルプラインや地域の支援機関を紹介する。
・自殺が未遂に終わった場合の身体的ダメージ(脳障害、麻痺等)について記述する。

2)避けるべきこと
・写真や遺書を公表しない。
・使用された自殺手段の詳細を報道しない。
・自殺の理由を単純化して報道しない。
・自殺の美化やセンセーショナルな報道を避ける。
・宗教的、文化的固定観念を用いて報道しない。

○日本における自殺報道の現状
・個々の自殺の手段を詳細に報じる傾向
 例:X-Japanヒデ氏の自殺報道、ネット自殺報道、練炭自殺についての報道
→新しい自殺手段が入手可能であることを大々的に宣伝してないか?
→模倣自殺(ウェルテル効果)
・自殺を考慮中の人が読者に多数いることを前提とした報道がなされていない。
→そのような人々をサポートするメッセージ等がセットで紹介されていない。
   (例:相談機関連絡先)

http://www.lifelink.or.jp/hp/jisatsuhoudou.html より

また、オーストリアでは、自殺報道をコントロールすることによって

自殺率を低下させることに成功したとのことです。


それに対し日本はまだ、ラジオも無い明治時代に

旧制一高の学生、藤村操が「巌頭之感」という辞書を残し、華厳の滝に飛び降り自殺。

すると、後追い自殺が多発しました。4年間で185人が華厳の滝で自殺を図ったそうです。

昭和初期には伊豆大島三原山火口での自殺が多発。

1986年には、アイドル岡田有希子後追い自殺が多発。*1

前述のいじめ自殺連鎖など、マスコミがセンセーショナルに騒ぐことによって

自殺を止めるどころか、自殺志願者を逆に助長してしまっているのではないだろうか。



メディアでは、自殺サイトでH2Sを用いた方法が乗っていることが問題視されています。

確かに、ネットで自殺の手法について書かれているのは問題だとは思いますが、

もう一度書きますが、この問題の本質は、マスコミがセンセーショナルな報道をして、

逆に自殺志願者を煽り立ててしまっているとしか思えないのですが・・・


もし万一、これをご覧の方に自殺したいという方がいらっしゃったのであれば、

必ず、 https://www.inochinodenwa-net.jp/index.htm をご覧になってください!!

そして、自殺は絶対に止めてください!!!

*1:1986年には中野区の中学生が自殺したことにより、いじめ自殺も初めて大々的に報じられた