表現規制問題に関する動き その2 (「マンガ論争勃発」編)

昼間たかしプロデュース「マンガ論争勃発番外編-表現の自由と覚悟を問う-」in阿佐ヶ谷ロフトA

http://d.hatena.ne.jp/azumi_s/20080502/1209657047

について、崩壊日記のid:azumi_sさんがレポートして下さったので、それを元にまず、

今の私の感想を書いてみたいと思います。


まず、日米の児童ポルノ観について触れられています。

シーファー駐日大使の立ち位置。政治屋ではない。秘書官の関連文章の紹介。日本の「ANIME&MANGA」を狙いうちしている。正義と善意の暴走の側面があるのがタチが悪い。大統領戦の結果によってはまるまるひっくり反る可能性は高い。

アメリカの現状。実在児童も架空児童も規制対象だが範囲が非常に狭い。架空の人物への性表現規制違憲かどうかがまだ確定していない。

アメリカの児童ポルノ法は労働法の延長である。子供を性産業の生産に関わらせてはいけないという視点。そこがまず日本と違う。性的な行為・思わせるものなら違法というレベル。

「ポルノ」と「猥褻」という言葉の日米差。まず「ポルノ」は名詞。「猥褻」は法律用語。「猥褻」に表現の自由はない。ただ猥褻かいなかは官ではなく民が決めるべきだとはっきり謳われている。陪審員制の国であることに注意。倫理を国家が規定すべきではないという考えの人は多い。


へえ、アメリカでは児童ポルノ禁止は労働問題の延長線上にあるなんですね。知りませんでした。

おそらく、他の欧米諸国でもそうなのでしょう。


アメリカでは規制対象の範囲が狭いというのが意外でした。実在児童に関しては、てっきり日本以上に

厳しいものだと思っていましたが、違うようですね。

合衆国憲法修正第1条が厳しいからなのでしょうか?


あとは、表現規制の原動力となっているのが正義と善意だという点には留意しておく必要があるでしょう。

表現規制推進派は悪意を向けているという話は誤謬だということを多くの人に理解していただきたいものです。*1


あと、政治に関して気になった点を。

マンガやアニメ好きは有権者とは見られていない。地方では目立たない。よって「省みられない」。

とありますが、そのことについて私の見解を。

しばしば指摘されることですが、アニメの放送は大都市圏に集中し、

地方によっては、深夜アニメが全く放送されないところもありますよね。*2

オタクの占める人口比も地方は低く、大都市圏は高いでしょう。

よって「地方では目立たない」というのは間違いないと思いますが、

有権者とはみられていない」「省みられない」とはあんまりです!


地方では目立たない代わりに、大都市圏ではオタクは目立ちます。

日本の人口の過半数が関東・関西・東海の三大都市圏に集中しています。

おそらくオタク人口約275万人の9割近くは三大都市圏などの大都市圏に集中してると思いますので、

マンガやアニメ好きを有権者として見て、票田にできると思いますが…

表現規制に明確に反対すれば、接戦で極めて有利に運べると思うのですが…

「単純所持」という言葉がまずミスリードなので「収集目的所持」という言葉に…という話もあるが、やはり収集という部分を誰が判断するかがまだ主観混じり。主観を取り除かねば話にならない。日本の児童ポルノ法での「児童」という言葉が示す範囲を理解してないひとはやはり多いのではないか。そのような人については「宮沢りえサンタフェが違法化する(当時17歳10ヶ月)のよ」は理解が得られやすいとか。

といいますが、宮沢りえの写真集が児童ポルノ法違反で摘発されたという話は

聞いたことが無いのだが…

国内で正規のルートを通じて商業出版されているもので摘発されたのは、

投稿ものとか裏モノの転載とかしか、私は聞いた事がありません。

販売禁止や販売目的所持は明確に現行法で禁止されているはずなのですが…*3

国会議員は正しい情報しらないから誤るので正しい情報を与えればOKという説には否定的。結局はその議員の基本の考え方によってしまいそれは変わらない。たとえ論理で勝っても最後で感情論にひっくりかえって考えが動かない。

ネット規制については現状やっと発生した関連団体からの反論によってストップしている段階。民主党でも毎週のように勉強会が開かれていてそれがいつ終わるのやら…という感じ。ただ、ネット規制派は「ほらこんな酷いことがおきてるんですよ」と極一部の例を提示すればいいだけだが、規制反対派がその印象を突き崩すのは容易ではないとか。

議員への直接献金で意見を吸い上げてもらうってのはどーよという話について。お金渡すのは問題ないが「そのお金で動いてしまう」とそれは犯罪になってしまうし、結局数多ある献金の一つに過ぎないので効果は期待できないのではないか。

というのも興味深く思いました。

コミックマーケットの集客力を利用して、20億円以上とも言われる経団連に匹敵する額の政治献金を集めて

政治家に口利きさせようと思っていた私には衝撃的でした。

政治家の心はカネで買えるとは限らないんですね…

土建屋はあっさり政治屋の心を買えるのにね…


id:azumi_sさんによれば、他に、某社*4の協賛の意味がとれたそうです。


あとは、このイベントにも参加されていた荻上チキさんが

ご自身のブログで何か報告してくれないだろうか…

荻上さん、心より期待しております。



また新たに書くことができたら、連休明けまでに書こうと思います。

*1:アメリカは正義を体現するあまり、大量破壊兵器の存在を捏造してまでイラクを攻撃しましたからね…

*2:動画サイトで見る人はそれなりに多いとは思いますが、地の利を考えると大都市圏のほうがマンガやアニメ好きが多いはず

*3:ということは、「サンタフェ」は児童ポルノだと見られていないという事なのだろうか?

*4:azumi_sさんの意向に沿ってあえて伏せました