児童ポルノ法改正問題の話題

まずこれまでの情報を整理


意外とおとなしかった21日の「クローズアップ現代

21日の「クローズアップ現代」についての簡単なまとめ


「規制を強化すべき」との論調でまとまっていながら、

単純所持推進派の主張を一方的に垂れ流したわけではなく、

アメリカにおける単純所持の冤罪の事例も挙げられていて、

個人的にはそれほど問題ある内容ではないような気がしましたが…


もっとも、放送したこと自体が世論を喚起してしまうのではないかという問題点もありますが…


なお、漫画やアニメなどの創作物規制については一切言及されませんでした。

与党案、まとまった模様

児童ポルノ、単純所持も禁止 与党PT案、厳罰化へ

http://www.asahi.com/national/update/0522/TKY200805220318.html

与党案がまとまったようです。創作物規制を将来の検討課題に盛り込むことは

排除されませんでした。


22日の時点で与党案がまとまったなら、昼間氏も19日の時点で何か

草案に関する情報を入手していてもおかしくないと思いましたが…


まあ、民主党とのすり合わせが決裂して、先送りになってくれればありがたいんですが…


というわけで次は、

与党案よりも罰則の対象を絞り、(1)対価を払って取得(2)性的目的などで所持−−の場合に限定した。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080523ddm005010034000c.html より

対案を提示した民主党に関する話題です。


ところで、民主党の対案は本当に創作物規制に含みを残す内容ではないのでしょうか?

まったく言及されていないのが若干気になります。

民主党の規制推進派、動く

民主党の規制推進派議員が仕掛けてきたようですね…

要求しているのは、児童ポルノ禁止法改正とは別個の問題のように思われます。

いずれ、与党の規制推進派も追っかけを仕掛けてくるのではないでしょうか?


この請願を提出したのは、円より子氏と下田敦子氏ですね… 規制反対派の皆さんは覚えておきましょう…

なお、お二人とも最近の当選は2004年です。


請願の内容は以下の通り

 街中に氾濫(はんらん)している美少女アダルトアニメ雑誌やゲームは、小学生の少女をイメージしているものが多く、このようなゲームに誘われた青少年の多くは知らず知らずのうちに心を破壊され、人間性を失っており、既に幼い少女が連れ去られ殺害される事件が起きている。これらにより、幼い少女たちを危険に晒(さら)す社会をつくり出していることは明らかで、表現の自由以前の問題である。社会倫理を持ち合わせていない企業利潤追求のみのために、幼い少女を危険に晒している商品を規制するため、罰則を伴った法律の制定を急ぐ必要がある。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/seigan/current/2525.htm

論理がおかしいと思います… また、文体も非常にくどい…


もし私が推進派だったら、

「近年、幼い少女に対する性犯罪が目立つが、その背景には幼い少女をイメージした成人向けアニメやゲームがある。」

などと、もっとそれなりに理論整然とした文章を要旨として書きいれると思いますが…

論旨がまとまっていたら、今の私でも規制すべきという結論を除いてはある程度理解的になるでしょう…


確かに、過激な性的表現は問題視されて至極当然だとは思いますが、

規制すべきかどうかとなると、全くもって別問題だと思います。

どうせなら、某古本チェーンが成人向けを隔離していないことに文句を言っていただきたい!

私は恥ずかしいので言えません!


やはり、批判の声は激しいようで、円氏のサイトの掲示板は大炎上して、

産経新聞にまで取り上げられましたからね…*1


法的規制には反対しますが、その手の業界の製作者にも一言言いたい!


自重しろ! 自主規制してください! 過激な表現は慎んでください!



自主規制は表現規制を抑止する方法の手段として有効な方法の一つではないかと思います。


個人的には、表現規制推進は、民主党の悲願である政権交代にマイナスだと思っていますが、

規制推進派のお考えは全く逆なのでしょうね…



まあ、私はアダルトものは買うのも恥ずかしいし、家族と一緒に生活しているので

一切持ってないので、無かったら無いで一切困りませんが…

しかし、表現の自由のことを考えると看過できない問題ですから…


http://d.hatena.ne.jp/hagakurekakugo/20080522/p1 でのid:hagakurekakugoさんの指摘や、

それに対するid:noir_kさんのコメントの双方とほぼ同じ見解を私は持っています。*2

日本における児童ポルノのおとり捜査

奥村徹弁護士が、日本でも普通に児童ポルノのおとり捜査をやっているとおっしゃっています。

 「買い受け捜査(買受け捜査)」という名称で普通にやってます。

http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20080521/1211368220

買い受け捜査って、麻薬取締官のやるおとり捜査のようなものですよね?

例えば、表向きは通常のDVDショップで裏で児童ポルノを扱った店があるとする。

その店で警察官が身分を隠して潜入し、児童ポルノを注文する。

そして店側が児童ポルノを売ろうとしたところに他の警察官が踏み込んで、

その店を摘発する。などといったものでしょうか?



これなら情報を入手し次第、販売店をほぼ確実に摘発できるのではないかと思います。

少なくとも、私は違法なやり方ではないと思います。

販売者が摘発されれば、製造者も芋づる式に摘発できて、有効ではないかと思います。

よって、おとり捜査は積極的に行うべきだと思います。



単純所持が禁止されたら顧客リストから購入者が割り出されるのでしょうが、

インターネットだと偶然に見てしまった人のIPアドレスも残ってしまうので、

冤罪になってしまうことがある。それが単純所持禁止の問題において最も気がかりな問題の一つです。



最後に、もう一言

本当に児童を性的搾取するようなものは表現の自由の範疇で守られるべきものから逸脱した物ですが、

それがどんどん暴走し、行きすぎて、広範囲に広がらないことを祈っております。


現行法上で違法な物はバンバン取り締まってもらって結構!

ただし、表現の自由を侵害するような法改定には断固として反対します!

*1:http://sankei.jp.msn.com/economy/it/080523/its0805231820000-n1.htm

*2:しかしこのエントリ、半ば炎上しかけているような…