WaiWai問題とババァ発言とフィギュア萌え族発言

先日WaiWai問題で、毎日新聞に法的措置を実行しようという人がいるという

話題を取り上げましたが、どうも本当に訴えたようです。


ソースはこちら↓

とうとう

http://d.hatena.ne.jp/hikobee33/20080705/1215207938

hikobee33さんは非常に冷笑的なようです。私なんかの比ではありません。

訴訟を起こす人は勝算があるのでしょうかね…

アメリカならまだしも、この日本においてこんな裁判をやっても勝つ見込みは皆無でしょう。

「ババァ発言」をめぐる名誉毀損の裁判からして、問題となった『週刊女性』の記事中では、

特定の人物や団体を挙げることも示唆することも一切なく単にババァと言っただけであり、

石原慎太郎は原告を指してババァと言ったわけではないので、損害賠償は1銭も取れません。

こういう裁判を起こす人に限って、「ババァ発言」訴訟の原告を嘲笑しているんですよね…

まあ、私も「彼女たちは何で勝てない訴訟を起こしているんだ」と思っていましたけどね…


少なくとも、日本における法の論理では「日本人全体の名誉が傷つけられた」からといって、

損害賠償や慰謝料を請求しても勝算はないでしょう。

それが何百万人もの日本人の名誉を傷つけたとしても、法の論理では絶対に勝訴は不可能です。

訴訟費用と弁護士費用だけの骨折り損になってしまい、仲間内でのパフォーマンスにしかなりえません。

実益主義者の私だったら絶対に訴訟を提起しませんがね…



前も書きましたが、天下の毎日だからこそ大真面目に食ってかかることができるのであって、

低俗なタブロイド紙ゴシップ誌がこのような記事を全世界に配信したって、

誰も国辱ものだとは思わないし、大真面目に「これが日本の風俗だ」などと思う人も

ほとんどいないと思います…

それにしてもなぜ今までずーっと問題になってこなかったんでしょうかね…

何年も前からWaiWaiの「変態記事」はネット上にアップされ続けていたのに、

なぜここ2、30日前になって大騒ぎになったんでしょうかね…



勝つ見込みが無い裁判がある一方で、提訴すれば勝算が十分にあるはずなのに

提訴されていない名誉毀損があります。

その一つとして、大谷昭宏氏の「フィギュア萌え族」発言をめぐるものです。


フィギュア萌え族」発言そのものは特定の人物をあげているわけではないので、

名誉毀損で勝訴できる見込みは皆無ですが、この一連の騒動の中で、

NGO-AMIが公開質問状を出したり、大谷氏の講演の際に「フィギュア萌え族」発言を

批判する質問があったりしたそうですが、

大谷氏は、彼ら抗議してきた人たちに対し、刑務所にぶち込んで性欲減退の措置を取れなどと

いう発言をしたそうです。

これは、名誉毀損に該当するのではないでしょうか。

具体的な名前が出ていなくても、「質問状を出した人」と言っているので、大谷氏に対し

公開質問状を提出したNGO-AMIのメンバーに対する名誉毀損は法的に成立すると思います。


名誉毀損での損害賠償の請求は、不法行為があった時点から20年、

あるいは不法行為があったと知った時点から3年で時効になります。


あ!


もう遅い!手遅れだ!

何でAMIの皆さんは大谷氏を名誉毀損で提訴しなかったのでしょうか?

不法行為」があったと知った時点からすでに3年経過しているのではないでしょうか?

「ババァ発言」のケースでは、「ババァ」と言っている特定の対象が一切存在しないので

勝つ見込みは皆無ですが、「フィギュア萌え族」の一連の騒動では、

大谷氏に「質問状を出した人」は具体的な名前がその場で出ていなくても、

その質問状の提出者の名前が公表されているために特定可能なので、

十分に勝算があると思います。違いますか、山口貴士弁護士?


なら、何で提訴しなかったんでしょうか?

それとも、私が知らないだけですでに提訴されているのでしょうか?

『マンガ論争勃発』にはそういった話は載っていなかったように思いますし、

少なくとも私は知りません。

私は非常に不可解でなりません。


なお、オタクバッシング的な発言を除けば大谷氏は優秀なジャーナリストだと

思いますのであしからず…