Quietworksさんが表現規制問題でいいことを言ったのですが…
リオデジャネイロ会議でいわゆる「準児童ポルノ」をも規制の対象とすべきとの宣言が出され、
国会で児童ポルノ法改定案が審議されそうだという話も取り沙汰されていますが、
ここでは他の方の意見について考察したいと思います。
あまり深入りした考察が行われず、少し残念でした。
というわけで、id:Quietworksさんの児童ポルノ法改悪-“事情を知らない賛成派”を“事情を知る慎重派”にするために
という記事に注目しておきたいと思います。
まず、
ところで、規制推進派は外圧で押し切ろうという作戦のようですが、このような外圧の背景には、規制推進派による巧妙な印象操作があると見ることもできるようです*4。
陰謀論に見えるという指摘もあり得るのかも知れませんが、規制推進派が印象操作に長けているということは確かなようですし、事情を知らない一般人には、児童の権利の保護を掲げる規制推進派の主張は、それだけで訴求力があります。
という、規制の動きの背景に対する冷静な分析が行われ、規制推進派のロジックが
一般人に受け入れられやすいことについて理論づけられています。
そして、Quietworksさんは、こう提言します。
特定層の感情を煽って威力で押し切るべきではないことは言うまでもありませんが、これまでのように表現の自由を殊更に主張することは、規制反対派の結束を強めるには有効であるものの、規制反対派への同調を拡大するには有効ではありません。
何しろ規制推進派は、“児童の権利が表現の自由よりも尊い”ことを前提に、“規制反対派が自己の利益を拡大するために児童の権利を蔑(ないがし)ろにしている”かのような印象操作をすることにより、“事情を知らない一般人”からなる規制《賛成》派を形成してきたのですから、表現の自由を主張するほど規制推進派を勢いづかせることになります。
従って、まずは“規制反対派が自己の利益を拡大するために児童の権利を蔑ろにしている”という誤解を解かなければなりません。
そのため、規制を求める外圧には根拠がないこと、規制推進派が主張する規制案は児童の権利の保護には繋がらないことなどを、社会から信用を得られる方法で示し、“児童の権利の保護”に反対しているのではなく“児童の権利の保護には繋がらない規制”に反対しているということを、印象づけなくてはなりません。
その上で、現行法の「性欲を興奮させ又は刺激する」といった外形的な要件に頼った規定こそが児童の権利の保護を妨げていること、現行法の定義のまま厳格化した場合に児童自身が処罰される可能性があることなどを指摘し、“規制推進派こそが児童の権利を蔑ろにする可能性”を示すべきです。
更に“規制推進派よりも的確かつ効果的な対案”を提示し、“規制反対派こそが児童の権利を保護するべきだという態度”を表明すべきです。例えば、「性欲を興奮させ又は刺激する」といった外形的な要件に頼って規定するのではなく、強制わいせつ等の具体的な加害行為の派生物(或いは名誉毀損等の特例又は特則)として規定し直すというのは如何でしょうか。
(太字は引用者による)
確かに、Quietworksさんがおっしゃることは非常に理論だっていて、また、
反対論を展開していく上で理想的な考えであるということには私も賛同いたします。また、
規制反対派への同調を拡大するためには、“事情を知らない一般人”からなる規制《賛成》派を“事情を知る一般人”からなる規制《慎重》派にする他はありません。
とおっしゃっているように、時間をかけてじっくりと表現規制に慎重な人間を増やす
というお考えなら、その方法は極めて有効な手法と言えます。
しかし、時間をかけていられる余裕はありません!!
保坂展人議員の情報によれば、この臨時国会の会期中に児童ポルノ法改定案の審議が
行われる可能性があるとの事。今すぐにでも動かなければならないのに、やけにのんびりした考えです。
中長期的な観点からすれば、Quietworksさんの考えに賛同いたしますが、
何せ、時間が押し迫っているので、そんな悠長な真似はできません!!
Quietworksさんは好ましくないとおっしゃっていますが、
国籍法改定案と同様に「日本が乗っ取られる!!」というロジックを用いて、保守派らを
動員するように仕向けさせるべきです!!
印象操作なら、規制推進派だけでなく、左翼もネット右翼もしばしば使う方法です。
即効性は抜群!! 国籍法改定案が閣議決定されて1週間やそこらで、保守論壇じゅう
反対反対大反対の大合唱です!!!
タイミングが遅れたため、法案の阻止そのものには失敗しましたが、審議を引き延ばすことと
国籍取得審査の厳密化などの成果をあげています。
一度反対論に火がつけば、爆発的に広がり、瞬く間に効果が出ます!!
Quietworksさんのおっしゃることは理想論としては非常に素晴らしい考えだと思います。
しかし、急がなければ間に合わないのです!!
保守派の言うところの「国益」を目的としての表現規制反対論を形成できないかと思います。
そのためにも、「児童ポルノ法が通ると日本が乗っ取られる!!!!」というアイデアを
形成することに成功すれば、即効性が高く規制推進論を吹っ飛ばすことも
不可能ではないかと思います。
そして、中長期的な観点からの説得の手段として、規制推進派が主張する規制案が
児童の権利の保護には繋がらないことなどを訴えていくという二段構えで行くしかないと思います。
最後に再反論をしておきます…
ちなみに、ブックマークでid:flagburnerさんが私の手法を取ると逆効果になるのではないかと言っていますが、
そもそも、私は規制推進派に直接的にアピールするためではなく、むしろ保守論壇をてこにして
「国籍法と同じように『売国』『反日』と騒ぎ立てることによって手っ取り早く潰す」ことが
できないかという考えを持っています。規制推進派に面と向かってこの手法を取ると逆効果に
なるかもしれませんが、保守派というワンクッションを置けば、逆効果になる心配はなく、
逆に保守派の動員に失敗したとしても無視される程度でしょう。
mekajiroさんは「ファビョ起して駄々をこねるキモい連中」の烙印を未来永劫押されると
おっしゃいますが、現に規制推進派は規制反対派に対して同じような烙印を押しているので
大した違いはありません。