性的搾取に反対する世界会議の宣言、まとまる
児童ポルノ規制、日本への圧力強まるか…世界会議閉幕 社会 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
【リオデジャネイロ=榊原智子】ブラジルで開かれていた「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議」は28日午後(日本時間29日)、児童ポルノやインターネット上の子どもの性的虐待画像について、製造や提供、所持だけでなく入手や閲覧も犯罪と位置づけ、過激なマンガやアニメも規制の対象とすることを盛り込んだ「リオ協定」をまとめ、閉幕した。
日本は「単純所持」を規制していないなど対応が大きく遅れており、世界的なアニメ生産国でもあることから、国際的な圧力がますます強まりそうだ。
同会議では、インターネットや携帯電話などの普及に伴い児童ポルノが国境を越えて拡散しているとの危機感が共有され、各国が足並みをそろえて取り組む国際的基準を定める必要性が確認された。
具体的には、日本でもすでに違法とされている児童ポルノの「製造、提供」のほか、個人が画像をダウンロードするなどしてパソコンなどに保管する「所持」や「入手、(サイトへの)アクセス、閲覧」も犯罪と位置づけることが求められた。
また、ネット上の児童ポルノの流通にかかわるインターネットプロバイダーや携帯電話などの関係企業に対し、違法な画像を掲載するサイトを通報したり除去したりすることを求めるため、必要な規制措置を導入することも盛り込まれた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081129-OYT1T00433.htm
児童ポルノ:「閲覧も処罰対象に」 根絶へリオ宣言−−世界会議閉幕 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/world/news/20081129dde007030011000c.html
児童の性的搾取に反対する世界会議が終わり、宣言が発表されたようです。
この報道を見ると、いろいろ対策しなければならないと思うところがいくつもあるのは確かです。
児童ポルノ取締りに関して国際的に連携すべきだというのは当然です。
インターネットの普及による児童ポルノの拡散に対する危機感とネット関係企業に児童ポルノサイトを
通報・消去するように呼びかけるというのもまだ理解できます。
しかし、やはり単純所持を禁止すべきだということは盛り込まれたようですね。
既に多くの国が単純所持禁止を施行しているのですから、このような結論に至ってしまうのも至極当然でしょう。
単純所持の問題点については、ここで書くときりがなくなるので省略します。
私は何が何でも反対というわけではなく、厳しく条件を付けた上で容認できないかと考えています。
問題なのは単純所持だけでなく、むしろこれだと言っていいでしょう。
さらに協定は、「バーチャルな画像や性的搾取の表現」という文言で、子どもを性の対象として描いたマンガやアニメなども児童ポルノに含めると規定した。
(読売新聞上記記事より 太字は引用者による)
また、児童ポルノについては「バーチャルな画像や性的搾取の描写」という表現で、過激な漫画やアニメも児童ポルノに属するとした。
(毎日新聞上記記事より 太字は引用者による)
特に聞き捨てならないのはこれ! 規制反対派を締め出し、欠席裁判状態でゴリ押しし、
反論の場すら全く与えられずに、一方的にこのような宣言を通されてしまいました!!
確かに、過激な描写のある漫画やアニメは好ましくないのは確かでしょうが、
被写体、すなわち性的搾取の被害者が実在する、実写のものとは違い、
フィクションのものが児童ポルノと見なされるのは非常におかしな話だと思います。
仮に百億歩譲って、そういう代物が児童ポルノに該当するとしても、
こういった討論の場で、自分たちの意思に反する人間を締め出して一方的に決めるのは卑怯だと思います。
改定問題の情報整理
さて、世界会議の結論について取り上げたので、
昨日の記事で書いたとおり、保坂展人議員の情報によると、児童ポルノ法改定案が
審議される可能性が高まってきたとの事です。ちなみに、今回の原案はこちらをご参照ください。
この問題に関心がある人は、児童ポルノ法の条文ぐらい読んでいただきたい。
とりあえず、今のところの改定案の内容を要約すると、
- みだりに児童ポルノを所持し、保管することを禁じる
- インターネット事業者に対し、捜査機関への協力、児童ポルノ送信防止の努力義務を課す
といったところでしょうか。
この問題に関心を持っている人は、法律(案)を読んで論点を覚えておくべきです。
民主党が独自の対案を作っているそうですが、審議の上でどう進んでいくのか気になるところです。
(保坂議員が民主党案に関する何らかの情報を持っていなかったのかも気になるところです…)
与党案と民主党案でまとまらずに先送りになるのか、与党案がそのまま通ってしまうのか、
はたまた「準児童ポルノ」規制をも盛り込んだ法案が通ってしまうのか、非常に気になるところです。
さて、国籍法改定案について、ネットを中心に問題点について針小棒大に騒ぎ立てたために、
与野党、右派左派を問わず、多くの国会議員が慎重論を唱えるようになったように、
たとえネットで加速された妄想だったとしても、政治に影響を与えていければいいと思います。
児童ポルノ法改定で大した問題が起こらないと考えている人*1が、
ネットで加速された妄想が政治に与える影響を、もっと真面目に心配したほうがいいかもなぁ。
と思うぐらいに動かせるようになることを願っております。
id:good2ndさん、はてな会員にぐらいコメントさせてくださいよ!!