採決を控えて
いよいよ、14日に総務委員会で採決が行われます。
11日の審議については、昼間たかし氏が傍聴したものがまとめられていますので、下記の記事をご参照ください。
【非実在少年規制】 東京都 総務委員会 質疑
http://togetter.com/li/28571
さて、実際問題として賛否の動向ですが、
の態勢と思われます。野上ゆきえ都議が
都議会民主党は、自公の修正案に賛同できないという結論になりました。
ゆえに、改正条例案に対しては反対・否決という態度となります。
と発言していましたからおそらくそういうことになるでしょう。
造反者が出なければですが…
採決の際に党派ごとに賛否を決める方式である起立採決を取るのであれば造反者は出ませんが。
この件に関しては、保坂展人氏も言及しています。
東京都青少年条例、「非実在青少年」の言い替えの修正とは?
3月の東京都議会第1回定例会で継続審議となった都青少年条例の改正案の審議が6月1日開会の第2回定例会ではじまっている。6月11日には、総務委員会で条例改正反対を訴えた5本の請願・陳情の審査があり、青少年・治安対策本部の参事に対して改正案について質疑を行ったそうだ。審議を傍聴した方によると、民主党、共産党、生活者ネットの委員は反対の立場を明確にし、自民党、公明党の委員は条文上の字句に多少の問題があったとしつつも、成立を訴えたとのことだ。自公はこの日、都議会の議案課に修正案を提出し、14日の委員会では都が提出した改正案とともにこの修正案の審議が行われ、その日のうちに採決に付されるようだ。修正案は14日まで公開されないとのことだが、関係者によると、東京都の改正案に対してで、自公は次のような修正が施そうとしているという。
改正案・(図書類等の販売等及び興行の自主規制)第7条2「年齢又は服装、所持品、学年、背景、その他の人の年齢を想起される事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交又は性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識できる方法でみだらに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な育成を阻害する恐れがあるもの」
自公の修正案では、規制対象を「漫画、アニメーションその他の創作された画像(実写によるものを除く。)」と明記し、「非実在青少年」を「描写された青少年」に、「性的対象」を「性欲の対象」、「肯定的に描写」を「不当に賛美し又は誇張するように描写」に置き換えるそうだ。
改正案・(不健全な図書類等の指定)第8条2「販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、第七条第二号に該当するもののうち、強姦等著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写したもので、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を著しく阻害するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの」
修正案では、やはり「肯定的に描写」を「不当に賛美し又は誇張するように描写」に変更するという。
改正案(児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた都の責務)第18条の6の2「2 都は、青少年性的視覚描写物(第七条各号に該当する図書類又は映画等のうち当該図書類又は映画等において青少年が性的対象として扱われているもの及び第十八条の六の五第一項の図書類又は映画等をいう。以下同じ。)をまん延させることにより青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに、事業者及び都民と連携し、青少年性的視覚描写物を青少年が容易に閲覧又は観覧することのないように、そのまん延を抑止するための環境の整備に努める責務を有する。」
修正案では、(児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物のまん延抑止に向けた都の責務)を(児童ポルノの根絶及び青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類又は映画等の青少年による閲覧等の抑止に向けた都の責務)に変更し、本文は「都は、青少年をみだりに性欲の対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための気運の醸成に努めるとともに(後略)」といった条文に変えるとのことだ。児童ポルノにかかわる条項については、附則で「施行後三年を目処に」「検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」ともしているという。都の改正案よりも踏み出した内容だ。自公が提出した児童ポルノ禁止法の改正案にも3年後を目処に創作物規制を目論む条文があったが、うり二つの内容ともいえる。
一部の字句をいじって、マイルドな内容に見せかけようと腐心しているかのようではある。しかし、改正案の問題点は何ら変わるところはない。
民主党は廃案を求めているので、14日の総務委員会では生活者ネット、共産党とともに、改正案、修正案を否決するはずだ。16日の本会議では、総務委員ではない自治市民'93の福士敬子都議も反対に回ることになる。だが、まだまだ安心はできない。弁護士の山口貴士さんや明治大学教授の藤本由香里さん呼びかけの
「東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案に反対する請願署名」
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/1cffeec85a9f4da775d0c4447311e2bb
(http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2010/05/post-6e5c.html)も継続するという。
民主党側にも修正案はある程度提示されていたと思われます*2が、
だからこそ、野上氏は「自公案に賛同できない」と発言したのでしょう。
さて、明日はいよいよ委員会採決です。
否決の方向になるみたいですが、どうなるかはぎりぎりまで分かりません。