規制反対派のための戦略投票講座 その1

いよいよ、7月11日に参議院議員選挙が始まります。

そこで、規制反対派がどう投票すべきかの参考のために、

戦略投票について考えていきたいと思います。

Wikipediaの記事によると、「投票を意見表明のためではなく望ましい結果を得るために行うこと。」

簡単に方法論を言うと、自分が勝たせたい政党を勝たせるにはどう投票すればいいのか、

自分の理想とする政策に近い候補者を(現実的な範囲で)確実に当選させるにはどうすればいいのか

といった考えに沿って、投票行動を行なうものです。


この戦略投票は民主的な選挙方法であれば、必ず行なうことができるのです。

戦略投票をするには、事前に選挙結果を予想しなければなりませんが、

マスコミの政党支持率世論調査や、過去の投票結果などを分析すれば、ある程度容易に予想できます。

少なくとも、競馬などの予想に比べればはるかに簡単です。

なぜなら、選挙結果で穴が来ることは極めてまれだからです。

デュヴェルジェの法則によって、当選ラインの次点までに誰が入るかは

世論調査の時点でほぼ確定してしまいます。

優先順位

さて、規制反対派が戦略投票する上での優先順位を考えると、

1 最善の候補者を当選させる
2 最悪の候補者を落選させる
3 次善の候補者を当選させる

といったところになると思います。

最善の候補者を当選させることが困難であれば、最悪の候補者を落選させるために、

規制賛成派であっても対立候補に入れざるを得ないケースもあると思います。

なぜなら、規制推進派を全員落選させることは実際問題として不可能だからです。

ならば、最悪の候補者を落選させることを優先させるべきではないでしょうか!?


そういった観点を考えると、比例で一番切るべきなのは最凶の候補者、後藤啓二氏がいるみんなの党

次に、公明、たちあがれ日本、自民…という順に切っていくことになるでしょう。

もちろん、比例で最も当選させるべき人はご存じだと思います。

当然、後ほど言及しますが。


特に選挙区で言えることですが、規制反対派でも当選する見込みがないなら、最悪の候補を落選させるために、

切らざるをえなくなるのではないでしょうか。


理想論に固執することなく、現実的に最善の選択肢を取る。

これが戦略投票なのです。


理想論にこだわるあまり、現実を無視すると最悪の結果につながることもあります。

普天間基地問題も危うくそうなるところだったように思います。

沖縄県民にとって基地の全面撤去は望ましいはずですが、現実的には不可能です。

鳩山政権が当初県外を掲げ、迷走した挙句、辺野古に逆戻りしたのも、

普天間基地永続という最悪のシナリオを回避するにはやむを得ないという判断だったのでしょう。

もちろん、大多数の沖縄県民が納得するものではありません。

世論もこの迷走ぶりにあきれ返っています。

一度(非現実的な)理想主義を掲げてしまった以上、沖縄県民は引き下がれなくなってしまいました。

始めから現実主義的な判断をできていればこのようなことにはならなかったのではないでしょうか?

全国比例の場合

今後は、パターンごとに戦略投票について考察していきます。

まずは、比例代表についてです。

もちろん、規制反対派が比例代表で入れるべき人は決まっています。

http://www.hosaka.gr.jp/

保坂展人氏こそが今回の候補者の中で最善の人物です。


候補者名は必ずフルネームで書いてください!!

この理由は後で分かります。


しかし、規制反対派の中にあくまでも「サヨクには入れたくない」と言う人がいるはずです。

どうしても社民党の候補者に入れないような人をどこに誘導すべきか考える必要があります。

「どうしてもサヨクに入れたくない」という人は、

国民新党に入れることをお勧めします。


なぜならまず、「サヨク」は除外するという条件なので、民主、社民、共産が消えます。

たちあがれ日本、自民、新党改革が消え、幸福実現党はアレだし、新風は候補者を立てない。*1

といったことを考えると、消去法で最後に残った国民新党がいいということになります。



国民新党の中には規制派の人間もいますが、代表の亀井静香氏は規制に慎重です。*2

最悪レベルの候補者は他の保守政党に比べて少ないですし、

何よりも国民新党外国人参政権反対なので、国民新党の勢力が伸びれば

外国人参政権の抑止力になります。

今や、国民新党の抑止力は自民党のそれを上回っていると個人的には思います。


よって、どうしてもどうしても保坂氏に入れるのがためらわれる方は

国民新党に入れるべきではないかと思います。

東京都選挙区の場合

まずは、過去の投票結果を見てみましょう。

2007年参議院議員選挙結果
 

当落 得票 候補者 政党
1,087,743 大河原雅子 民主党
794,936 山口那津男 公明党
780,662 鈴木寛 民主党
691,367 丸川珠代 自由民主党
683,629 川田龍平 無所属
  651,481 保坂三蔵 自由民主党
  554,104 田村智子 日本共産党
  209,053 杉浦ひとみ 社会民主党

 
2004年参議院議員選挙結果
 

当落 得票 候補者 政党
1,014,293 中川雅治 自由民主党
991,477 小川敏夫 民主党
924,643 蓮舫 民主党
827,091 沢雄二 公明党
  596,272 青島幸男 無所属
  453,287 今村順一郎 日本共産党
  381,771 増元照明 無所属
  176,289 中川直人 社会民主党


今回の参議院選挙の候補者は、民主党蓮舫氏と小川敏夫氏、自民党中川雅治氏と東海由紀子氏、

公明党竹谷とし子氏、みんなの党が松田公太氏、共産党小池晃氏、社民党が森原秀樹氏、らとなっています。


過去の実績から考えると、定員5のうち、民主1、自民1、公明1は確実で、

残りの2議席を民主、自民、みんな、共産で争う図式となるものと思われます。

うち、民主党の候補者である蓮舫氏と小川敏夫氏はともに規制慎重派です。

共産党は規制反対ですが、小池晃氏は過去に規制推進寄りの発言をしたことがあります。

保坂展人氏の元秘書でもある社民党の森原氏は当落ラインに達するかどうか微妙です。


なお、民主党の1人目の当選者は間違いなく蓮舫氏です。

蓮舫氏は事業仕分けでの実績を買われ、菅内閣では行政刷新担当大臣になりました。

知名度も実績もすでに小川氏を大きく上回っているので、蓮舫氏の当選は鉄板です。

よって、小川氏に投票するのが手なのではないかと今の段階では考えています。


戦略投票の法則上、同じ党から2人の候補者が出ると、その得票が近づくことがあり、

場合によっては逆転することさえあります。

2007年の自民党の選挙結果を見てみると、次のようなことが分かります。

選挙直前の世論調査では、実績から保坂三蔵氏が当確ラインに立ち、丸川氏は当選するかどうか

微妙なラインに立っていました。そこで、自民党支持者が2人目を当選させようと、

当選確実と思われた保坂三蔵氏から、当落ライン上の丸川氏に乗り換える人が続出し、

結果として丸川氏が保坂三蔵氏の得票を上回り、保坂三蔵氏は川田龍平氏にも及ばず

落選する形となったものと思われます。

2004年の蓮舫氏と小川氏の得票、2007年の丸川氏と保坂三蔵氏の得票差は小さく、

複数候補者の得票数は平均化する傾向があります。


さて、その保坂三蔵氏が今回の選挙で比例代表で出馬します。

だから、候補者名はフルネームで書かなければならないのです!!

「保坂」とだけ書けば、票が按分されてしまいます。*3

保坂展人氏に入れるつもりが保坂三蔵氏に入れることになりかねません。*4

よって、候補者名は必ずフルネームで投票用紙に記入してください!!

*1:第一、議席を獲得できる得票数に満たない。幸福の科学大川隆法氏が「創価学会よりも集票力がある」と吹いていたにも関わらず、1議席も取れなかったどころか、供託金も全て没収された。

*2:トップ入りが予想される江本孟紀氏は規制派らしいが、後藤啓二氏や山谷えり子氏、円より子氏よりははるかにマシであろう。

*3:按分票は半々にはならず、個人得票の比率に沿って按分される。

*4:もちろん、逆に保坂三蔵氏に入れるつもりの人が保坂展人氏に入れてしまうという可能性もある。