参議院選の結果
第22回参院選は11日、投票が行われ、即日開票された。
昨年9月に民主党が政権を獲得して以降、初の全国規模の国政選は、民主、国民新の連立与党が非改選議席を含め参院の過半数(122議席)を割り込み、大敗した。
民主党は菅首相の設定した勝敗ラインの改選議席(54議席)を下回り、44議席に激減した。改選定数1の1人区で自民党に大きく負け越し、選挙区全体でも水をあけられた。
自民党は堅調で、改選議席(38議席)を超えて51議席に伸ばし、改選第1党になった。
首相は引き続き政権を担う意向を表明したが、民主党では首相と執行部の責任を問う声があがっている。同党は他党に連携を呼び掛けるなど、参院での多数派確保のための動きを始めた。ただ、野党には現状での連携に慎重論が強く、困難な国会運営を強いられそうだ。
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/news/20100711-OYT1T00754.htm
世論調査での結果よりも大きく落ち込む結果になりました。
敗因として消費税増税を示唆する発言をしたことがあげられました。
消費税問題が理由というのは少なからず事実ではあるが厳密には違う。もちろん「売国」政策に対する批判と言うわけでもない。
そもそも、民主党を「売国」と批判する人が去年の総選挙で民主党に入れたはずがないから、それが敗因であるはずがない。
「小鳩ならもっと大敗」経団連会長は首相支持
日本経団連の米倉弘昌会長は12日の記者会見で、菅首相が引き続き政権を担うことについて「安定した政権がなければ日本の改革はできない」と述べ、続投を支持する考えを示した。
参院選の大敗で、与党内からも菅首相の責任を問う声が出ている。だが、米倉会長は、「昔の(鳩山前首相の)体制のままならもっと大敗していた。(議席の減少が)マイナス10でよくとどまった」と擁護した。
菅政権は発足後、鳩山政権時代の経団連と距離を置く姿勢を見直し、関係を重視する方針に転換した。米倉会長の発言は、短命政権が続けば、税財政や社会保障制度の抜本改革が十分に進まない恐れがあることを懸念したものとみられる。
衆参両院の多数派が異なるねじれ国会への対応について、米倉会長は「ねじれが起きることで、(民主党は)政策論議や説明をもっと丁寧に行うことが重要だ」と指摘、強引な国会運営を避けるように求めた。
また、米倉会長は、「民主党と自民党で政策の隔たりは従来ほどなくなっている」と述べ、消費税率の引き上げや法人税率の引き下げなどに向けた議論を与野党が協力して進めることへの期待感を示した。
(2010年7月12日18時45分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100712-OYT1T00889.htm
とのこと。鳩山体制のままだったらもっと大敗していたという点はその通りだと思います。
ただ、小沢一郎氏の政治とカネはともかく、小沢氏の選挙手法というのは大きくマイナスにはならなかったと思います。
日本経済新聞の記事では米倉氏は消費税が敗因ではないと分析しています。
ちょっと選挙結果の分析については今度続けます。
保坂展人氏は落選
社民党は2議席取れるかどうか微妙な情勢が伝えられていましたがギリギリのところで2議席確保。
保坂展人氏は69,214票を獲得しました。
1位は当然ながら党首の福島瑞穂氏で381,554票。しかし、2位につけたのは保坂展人氏ではなく、
自治労*1出身の前大分県議会議員、吉田忠智氏で130,745票でした…
ちなみに沖縄県選挙管理委員会によると、沖縄県内での比例得票数は社民党がトップ。
やはり、基地問題で辺野古反対を貫いたことが沖縄県民の株を上げたことが1議席を免れた理由でしょう。
みんなの党から出馬した、最凶の規制推進派候補者の後藤啓二氏は13,122票。23人中19番目の順位でした。
どうも、後藤氏は警察関係の人脈を中心に当たっていたらしく、規制推進派団体の票を当てにしていた様子は
なさそうなようです。ちょっと奇妙な感じはしますが、これで少しは救われたか…
保坂展人氏の敗因は
参議院選挙では、国政復帰を果たすことができませんでした。
http://www.hosaka.gr.jp/
街頭で、個人演説会で、短い期間に多くの人たちから
熱い反応をもらいました。
私の力量不足で結果が出せず、協力してくれた人たちや
一票を投じてくれたみなさんに、申し訳ない気持ちで一杯です。
今後の活動再開に向けて頑張ります!
保坂展人氏のホームページのトップに書かれていたこのメッセージを見ると、
やはり、前向きな方だなと感心せずにはいられません。
私も2位につけられると思っていたのですが、何が敗因だったのか考察してみたいと思います。
私が保坂展人氏の当選を当て込む根拠となったのは、昨年の衆議院総選挙の時に社民党は前回比(2005年)で、
全国平均19.2%減なのにも関わらず、保坂展人氏がいる東京ブロックでは0.6%しか減っていない*2ことから、
全国ではもしかしたら十数万票取れるのではないかと思っていたものです。
しかし保坂氏の得票は7万票弱。思惑を下回る結果となりました。
昨年6月26日に児童ポルノ禁止法改正案の審議があった時に比べて、都条例の問題があって
表現規制問題に関心がある人が増えたのにどうして!?と思いました。
私が考えるその理由を挙げると、
1. 都政の問題で、国政は関係ないと思われてしまった
2. 6月に一度否決されたことによって忘れ去られた
3. 保坂展人氏の認知度が低かった
4. 票が他の候補者に分散した
のいずれかだと思われます。
中でも1.は国政の問題である児童ポルノ法改定審議の時に盛り上がった一方で、
東京都青少年健全育成条例は都政の問題で国政は関係ないと思われてしまったことで、
国政にそれほど注目されることがなかったということになるのでしょうか…
ところで、保坂展人氏を得票数で上回って社民党2人目の当選者になった吉田忠智氏には、
規制賛成派だと言う話があります。
そのため、私は非常にはがゆい思いをしました。
ある意味、後藤啓二氏以上に目の上のたんこぶだとさえも思ってしまいました。
しかし、吉田氏が規制賛成派だというのは
2010参院選 重要法案に対する立候補者の立場リスト
http://source-stat.blog.so-net.ne.jp/2010-06-29
しかソースがないんですよね…
*注意:「わいせつ・残酷なアニメ漫画の規制」については、回答者が刑法175条の「わいせつ図画」を含むと誤解した可能性があります(刑法175条の「わいせつ図画」は、当然法律遵守の立場から規制すべきであり、現在すでに規制されています)。ですので、これについては参考情報程度に考えてください。なお、「残酷なアニメ漫画」については、条例で青少年への販売を規制している都道府県はありますが、(現在のところ)刑法違反ではありません。
という注釈があるので、質問者の意図と回答者の意図がずれてしまった可能性は否定できないと思います。
ただ、私もその情報に乗ってしまい、Twitterで吉田氏を非難するつぶやきを拡散させてしまいましたからね…
取り敢えず、吉田氏に関しては新たな情報を待つか、何らかの説得が必要になるでしょうね…