民主党代表選雑感

民主党代表選は菅直人氏が再選されました。

民主代表に菅氏再選 党員・サポーター票で小沢氏に大差


 民主党代表選は14日午後、東京・芝公園のホテルで投開票され、菅直人首相(63)が小沢一郎前幹事長(68)を破り、再選を果たした。菅首相は、ただちに党役員人事と内閣改造に着手する。7月の参院選での敗北でつまずいた政権運営を立て直し、衆参各院で多数派の異なる「ねじれ国会」に臨む態勢を整えることが急務となる。

 代表選では、「脱小沢」路線を掲げる菅首相と、党内融和を重視する小沢氏の党運営への姿勢に違いが際立った。

 財源論や外交・安保などの政策でも激しい論争が交わされ、全体の約3分の2を占める国会議員票の奪い合いなどで両陣営の運動は過熱した。

 このため、党内外で代表選後のしこりを懸念する声が上がっている。菅首相がこれからも「脱小沢」の姿勢を貫けば巨大な「党内野党」勢力を抱えることになり、今後の人事で小沢氏やその周辺の議員をどこまで登用するかが注目される。

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民主党代表選の結果(敬称略。単位はポイント)

菅 直人721(国会議員票412、地方議員票60、党員・サポーター票249)

小沢一郎491(国会議員票400、地方議員票40、党員・サポーター票 51)

http://www.asahi.com/politics/update/0914/TKY201009140397.html


いい悪いはともかくとして、私は小沢一郎氏が勝つと思っていました。


鳩山由紀夫前総理が支持を表明した時点で、小沢グループ鳩山グループを合わせてすでに過半数

社会党系や羽田孜元総理のグループなども支持を表明しているから6割は固い。

議員票で6割以上なら、党員票・地方議員票で7・3で菅氏に負けても、小沢氏は勝つはず。

そう思っていましたが、情勢報道では菅氏がやや優勢と聞いて意外だと思いました。


で、ふたを開けてみれば議員票でもわずか6票上回って勝利。

小沢グループ以外の小沢支持派閥のメンバーの足並みがそろわなかったのでしょうか…


それにしても、党員票でこれまで大差が付くとは…

なぜ大差が付いたかというと、党員票の集計は小選挙区ごとのブロックで集計し、

各ブロックごとに上回った候補者が総取りする形式のためです。

総得票数に比例する形式だと181対119になるのですが、

この総取り形式だと249対52になるわけです。

思わぬ形で小選挙区制の問題点が露見した形です。


世論が党首選に影響を与えた例と言えば、2001年の自民党総裁選があります。

当初は橋本龍太郎氏が有利とみられていましたが、構造改革を訴える小泉純一郎氏が

世論の支持を受け、それに呼応する形で党員票では小泉氏が圧勝。

なお、この時も党員票は各都道府県連で勝者総取りの形式でした。

それをうけて国会議員の中にも小泉支持に回ることになって、

5年半続く小泉政権が誕生することになったわけです。


もちろん、今回はそれほどの熱狂はなく、単に世論が反小沢というだけですが…

世論の不支持が中間的な層の議員が小沢一郎氏への投票を躊躇する理由だったのは

間違いないと思いますがね。

単に能力であれば小沢氏の方が上なのは間違いないと思いますが、

起訴されそうな身が総理になるのはね…

台湾の陳水扁前総統の不正疑惑が発覚したのは2期目の任期途中で、

任期満了後に逮捕された。などといった事例がありますが、

少なくとも就任前にこのような事態になるのは前代未聞ですからね…



個人的な考えとしては、

小沢一郎氏が代表になった時のデメリット

・政治とカネの問題で国会の審議が止まる
・総理大臣が起訴されるという前代未聞の事態になりかねない。
・小沢内閣の方が公明党と連立を組む可能性が高い


菅直人氏が代表になった時のデメリット

・党内の対立が激化し、最悪の場合文字通り分裂しかねない。
・小沢氏に比べ剛腕ぶりに欠ける

と考えていたので、分裂の可能性を一番懸念しています。

さて、その点がどうなるか…