在特会の介入でますます混沌とする表現規制
今まで沈黙を保っていたチャンネル桜が都条例に賛成を表明しましたね…
そうなんじゃないかと思っていても、成立するまで沈黙を保っていたわけですから
敢えて成立するまで賛成を表明しないことには何か意図があるんじゃないかと思いますが、
私にはあまり良く分かりません。
てっきり、チャンネル桜の支持者に規制反対派が少なくないということを分かっていて、
敢えて封印していたのかと思っていましたが。
さて、水島総氏いわく
彼らの言っている表現の自由は違いますよ。表現の自由じゃない。 ポルノ漫画を描いて金儲けをする自由を求めているだけなんですよこれ。
とか。基準があいまいで広範囲な規制になりかねないことなどが人権擁護法案と同根であることを
規制反対派の多くは認識していたと思いますが、全くそういった問題意識がない発言です。*1
これには、チャンネル桜を支持してきた層からも強い反発が出ています。
水島氏に言わせると私は「日本解体」を目指すサヨク(激怒
http://blog.livedoor.jp/akito3ta/archives/51936319.html
この記事を書いた富田安紀子*2氏はアクションものやBLものなどを描いている漫画家で
チャンネル桜二千人委員会のメンバーで、在特会の会員でもあります。
そのような人までもがチャンネル桜に対して抗議するほど、波紋が広がっているのです。
っていうか、波紋が広がってほしいです。
はてなで典型的なネトウヨやっている人も取り上げて、「チャンネル桜終了」とか何とか書いてました。
これでチャンネル桜の支持を止めるかどうか、非常に見ものです。
日本ペンクラブや東京弁護士会が反対表明していることを槍玉に挙げ、
「完全に左翼です」、「表現の自由を口実に、日本解体をしようとしている」と発言。
ペンクラブや弁護士会を指して左翼呼ばわりしているのでしょうが、富田氏をますます逆なでする結果となりました。
確かに、日本ペンクラブや弁護士会には私でさえ左翼臭いと思う所はあります。
しかし、その手のレッテル貼りこそ水島氏のおっしゃる「日本解体を使用している勢力」の手口
そのものなのではないでしょうか。
むしろ、規制反対右派の間では規制推進派こそ左翼という認識なのですが。
例えば、ECPATと女性国際戦犯法廷を主催したVAWW-NETジャパンは姉妹団体ですし、
ジェンダーフリーなどを推進するフェミニスト団体こそが規制を推進しているのですが。
そう言った点は水島氏の見解とは全くの正反対なのです。
そんな中、Twitter経由でこんな情報が。
自称愛国集団の新風一味が表現規制反対派を名乗って活動を開始する模様です。これで在特会まで寄ってきたら超面倒…。 http://bit.ly/fqZoJ7 http://bit.ly/f3VxuF #hijitsuzai
http://twitter.com/oppata3/status/14672653969264641
来年の一月中旬くらいに在特会が条例反対のデモを打つ予定と、今さっきニコ生で桜井誠が明言。あ〜面倒な人達が出て来ちゃったねえ。 #hijitsuzai
http://twitter.com/damaten/status/16089584110669824
在特会などの「行動する保守」界隈が表現規制問題に介入してくるみたいですね。
前々から在特会側が反対寄りだということは、
http://d.hatena.ne.jp/jura03/20101219/p2
などでも言及されていますが、
私が以前、
http://d.hatena.ne.jp/slpolient/20100221/1266750084
で予言したことに近い事態になりそうです。
日本を護る市民の会が別件で日本ユニセフ協会に抗議活動をしているという事実、
彼らがインターネットを活動基盤としていることなどを理由に、在特会が規制問題に介入する可能性を
予想していましたが、ほぼ的中する形になりそうです。
そういえば、左翼も日本社会党や日本共産党などの「既存左翼」に愛想を尽かし、独自路線を築きましたね。
その独自路線を築いたグループを新左翼と言いますが、彼らはますます先鋭化、急進化して過激派と呼ばれるようになります。
これらのグループにとって、「既存左翼」は「権力の犬」であり、打倒されるべき存在なのです。
過激化した勢力は、日本赤軍や東アジア反日武装戦線などのように無差別テロを起こすようになったり、
中核派と革マル派が互いを敵視しあい、内ゲバ事件を起こしたり…という結果になっています。
少なくとも、チャンネル桜が賛成を表明したことで、ネトウヨの孤立化が進むことは間違いないわけで、
独自路線の強化は間違いなく起こり、下手すればさらに先鋭化、過激化したり、
まさかとは思いますが、チャンネル桜をも「反日左翼の手先」というほどにまでなると言うことも、
決してあり得ない話ではなくなってくるのではないかとさえ思えてきました…
アニメ・マンガ規制 断固反対!
http://ameblo.jp/doronpa01/entry-10749674173.html
在特会代表の桜井誠氏が直接言及してきました。在日特権云々はあまりに胡散臭いものの、
今回はそれらに比べて非常にまともな内容となっています。 なんだかなぁ…
桜井氏の主張によれば、創価学会が
児童ポルノ禁止法改正案や今回の東京都健全育成条例改正案はともにオブラートに包みながらも「表現規制」 を公権力が求める構図になっています。人権擁護法案の表現規制や言論統制などの部分をいきなりではなく、こうした国民が反対しにくい事案からゆっくりと慣らしてゆき、最終的に同法案への道筋をつけようとしているのです。
とのこと。
そして、
アニメやマンガへの規制断固反対を主張するデモ行進を来年1月中旬に予定しています。また、可能であればデモ前に今回の規制問題についてのパネルディスカッションを開けないか調整中です。詳細は年明け以降に発表する予定ですが、日本のアニメ・マンガ文化を守るために一人でも多くの皆さまが参加されますことをお願い申し上げます。
と、Twitterで流れていた通り、規制反対デモを本人が明言してますね…
この問題の黒幕は創価学会というよりは、むしろ日本キリスト教矯風会で、その関連団体にECPATとVAWW-NETジャパンがいるのです。
私が一時、在特会に秋波を送ろうと思っていたのは、その点をあげつらうことによって
規制推進派の右派と左派の間にくさびを打ち込むことができないかと思ってしまったからなのです。
青少年健全育成条例改正が成立してしまった今、各団体が抗議の声を上げる中、
ウヨサヨ問わず各セクトがこの問題をオルグの道具に使っているようです。
昼間たかし氏が委員会可決当日になって急に反対の声を上げ始めた市民団体の意図をいぶかっていたそうですし。
在特会が積極的に介入してくることで、この問題がますます混沌としていくことは間違いないでしょうね…
もうすでに、
別にびっくりするようなはなしではないが
在特会が青少年健全育成条例への反対運動に参戦、だそうで。
http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20101228
http://ameblo.jp/doronpa01/entry-10749674173.html
この↑エントリ中でも言及されている人権擁護法案への反対派の中にレイシストや歴史修正主義者がいっぱいいたことを考えれば、十分予想された事態ですな。それにしても「公権力が表現規制に介入することは憲法違反である以前に自由主義の精神を自ら放棄する所業に等しいものです」ですと。「表現の自由キリッ」の人々は自分の主張が桜井誠のそれと寸分違わぬものだということを自覚されたし。
のように規制反対派を小馬鹿にするような話が出てくる始末ですからね…
まあ、id:apesnotmonkeysさんはもともとこう言った問題に対し非常にシニカルでしたが…