単純所持問題に関する新たな考察
id:bulletさんによると、明日の総務部会で児童ポルノ法改定の与党案が決まるとのことです。
ネット掲示板からの引用があることから、100%確実に押し切られると少なくとも私が断言できない状況ですが、*1
ネット界隈では警戒する動きがある模様です。
ちなみに、bulletさんのリンク先の自民党のページには、4日21時時点で、
児童ポルノ法改正問題についての情報が載っていないのですが、どういうことなのでしょうかね…*2
いろいろな意味で不可解です。
盗撮罪を改めて検討すべきではないか。
さて、単純所持禁止にはいろいろな問題があることから反対の動きがあるのであって、
こういった問題が存在しなければ、反対する理由は一切無いでしょう。
内閣府の世論調査で9割が単純所持規制に賛成したのも、別件逮捕や冤罪、
でっち上げや陥れなどに使われるおそれがあることを知らない人が多いことの証左でしょう。
問題点を知らなければ私も大賛成していたでしょう。
もし、仮に別件逮捕や冤罪、強引な捜査やでっち上げなどの問題が全く無かったとしても、
単純所持禁止で現状で不十分な児童ポルノ問題を解決できるという主張は荒唐無稽ではないでしょうか。
この種の事案については、脱衣場などカメラ設置したところで服を脱ぐようにしむける行為を「姿態をとらせ」として3項製造罪(姿態とらせて製造)として立件した例もあるので、それが現行法で処罰できないと言っているのが大阪府警の勉強不足ですね、
また、盗撮の場合処罰できないのは、H16改正で意味不明の「姿態」要件をいれたために盗撮に製造罪を適用できなくしたせいなので、そこを取ればいいだけで、単純所持罪には直結しない。撮影行為は製造罪で処罰すべきです。(児童の裸体も含めて盗撮罪に反対しているのはマスコミだと聞いています。)
(中略)
なお、児童ポルノに被害者がいるというので世論を喚起しても、議員立法で被害者がないような体裁の法律を作ってしまったのは議員さんで、それで児童ポルノ罪が被害者なき犯罪になってしまったんだから、それは立法者に返ります。
やはり、児童ポルノ禁止法は当初の段階から被害者のことがないがしろにされていたということか?
何で今まで気づかず、なおかつ今も軽んじられているのだろうか。
被害者救済策の制定も、今まで全くの蚊帳の外でしたから、今回の改正では、
被害者救済に重点を置いた策が必要だというのに…
私は児童かどうかに係わらず、性的目的での盗撮罪を検討すべきだと思いますね。
脱衣所や浴室などの、人が裸になるような場所に隠しカメラを設置し、盗撮する行為を
懲役刑も含めた刑罰を課すことは可能かどうか、今後の課題になってくるのではないかと思います。
調査研究は必要だと言うが…
「机上の論争はもうやめて、まず調査をしてから対策を考えるべきだ」というのもその通りだとは思いますが、
やる前から結果が見えてしまう。決して中庸な立場からの調査研究ではなく、
規制すべきという前提の上で恣意的な情報操作が行われるのではないかという懸念があるのです。
だから、創作物に関する調査研究を附則に盛り込むのには断固として反対なのです。
(逆に、規制すべきではないという前提で情報操作が行われるのも、それはそれで問題である。)
人権擁護法案レトリックは万能か?
人権擁護法案の反対論を見て思ったのですが、
もともと2002年にはメディア規制法案と位置付けられ、マスメディアや、ジャーナリスト、
作家などが中心となった反対運動が繰り広げられ、2003年秋の衆議院解散で廃案になりました。
北朝鮮に関しては、2002年9月に日朝首脳会談もありましたし、1998年のテポドン発射や、
いくつかの不審船事件もあったにもかかわらず、保守論壇で北朝鮮と絡めた反対論は
一切ありませんでした。少なくとも、私は存じません。
2005年の3月になって、北朝鮮などと絡めた反対論が急浮上し、インターネットや
保守論壇を中心にした反対論が急沸騰しました。
ここでは詳細な経緯を省略しますが、*4もしこのような発想が無かったら
人権擁護法案は修正された上で成立していたでしょう。(メディア規制条項の削除などのちょこざいな修正のみでしょうけど…)
そして、この反対論が席巻した結果、人権擁護法案が通る見通しはほぼ皆無と言っていいでしょう。
このレトリックを使えば、単純所持規制を葬り去ることができるのではないでしょうか?
成功率は未知数ですが、成功すれば確実に葬り去ることができます。
何で、誰もこの手法を実践しなかった(できなかった)のでしょうか?
(私も人のことは言えませんが…)
人権擁護法案と単純所持禁止
若干こじつけめいてますが、双方の類似点を
人権擁護法案 人権侵害の定義があいまいである。
単純所持禁止 児童ポルノの定義があいまいである。
人権擁護法案 人権擁護委員は令状なしで立ち入り検査が可能である。
単純所持禁止 令状なしで(現行犯)逮捕が可能である。
人権擁護法案 人権擁護委員の選定に国籍条項はない(ので、北朝鮮の関係者でもなれる)
単純所持禁止 現行犯逮捕に国籍条項はない(ので、北朝鮮の関係者でも現行犯逮捕ができる)
人権擁護法案 「人権侵害」をしたとされる側に一切抗弁権が無い
単純所持禁止 単純所持をでっちあげられた側が名誉回復をすることは極めて困難である。
ざっとパッと思いついたものだけでこんなもんでしょう。他にもまだまだありますが、
いかがでしょうか、保守系の皆さん。
現行の法制上、児童ポルノの単純所持をでっちあげることにより、
たとえ北朝鮮の工作員でも捜査令状なしで現行犯逮捕が可能で、国会議員の不逮捕特権も
関係ありません。一度逮捕されると、性犯罪者のレッテルを貼られ、名誉回復は極めて
困難になりますよ。
もちろん、その他の反日勢力や国際テロリストもこの手口を使うことが可能ですよ。
それでも、あなたは単純所持禁止に賛成しますか?
まあ、四分ほどは風刺ですけどね…
本来は非論理的で好ましくない手法ですけど、それで成功できるのなら…
*1:ある程度の有力な情報の持ち主が本当にいるかは確かめようがありません。
*2:http://www.jimin.jp/jimin/kaigi/index.html