新聞の短評コラムは恐い

朝日「死に神」報道に法相激怒 「死刑執行された方に対する侮辱」

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080620/trl0806201109003-n1.htm


鳩山邦夫法務大臣が、朝日新聞のコラム『素粒子』に激怒したそうです。

記事によると、大臣は二重の意味で抗議を表明しているようです。

一つは、

「私を死に神と表現することがどれだけ悪影響を与えるか。そういう軽率な文章を平気で載せる態度自身が世の中を悪くしていると思う」

前景記事より

と自分が死神呼ばわりされていることに対するものであり、

もう一つは、

「(死刑囚は)犯した犯罪、法の規定によって執行された。死に神に連れていかれたというのは違うと思う。(記事は)執行された方に対する侮辱だと思う」

前掲記事より

という死刑囚に対する侮辱であるというものです。


確かに、このコラムは鳩山大臣を激怒させるのも無理はないものですし、

コラムの作者の品性を問うべきだというのもなるほどと思いますが…


実は、産経新聞朝日新聞のことをバカにはできませんよ…

産経抄】6月18日

 ▼2年前に刑が確定した麻原彰晃死刑囚も宮崎死刑囚同様、自ら罪を悔い、遺族に謝罪する可能性はゼロに近い。欧州連合(EU)では、死刑を廃止しているので日本も、という出羽(でわの)守(かみ)は、さっさと文明の都、パリあたりに移住されてはいかがか。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080618/trl0806180301000-n1.htm

このコラムを見ると、朝日のことをバカにはできないのではないかと思います。


朝日ほどあからさまな言葉ではないにせよ、

「死刑に反対するやつは日本を出て行け」と言わんばかりのニュアンスが

ある言葉です。どうも極端な話です。

所詮、産経も朝日と五十歩百歩に過ぎないのでしょうか…

私は情けなくて仕方がありません。

産経の皆さまにも、人のふり見て我がふり直していただきたいと思います。

ついでに、あらゆるマスメディアにかかわっている皆様にも申し上げますが、

報道とコラムを混同させないでいただきたいと思います。

(鳩山大臣が抗議したという事実を報道することは一切問題ありませんが…)


いずれにせよ、コラムは報道や社説に比べ、トンデモない言葉が飛び出すところが

恐ろしいところなのではないかと思います。

通常の記事や社説であれば分別が付くものも、風刺の入った短評という形式のコラムだと

慎重に書こうという気持ちが薄れてしまうように感じられます。

朝日や産経だけでなく、毎日新聞中日新聞などがよく槍玉にあがったという

記憶があります。

どの新聞の担当者も、コラムだと気が抜けてしまうのでしょうかね…

報道とコラムを混同させるべきではないと私は申し上げましたが、

掲載する上では、報道記事と同じぐらい注意して書いていただきたいと思います。*1


それは、私たちネットユーザーも同じだと思います。


たとえば、ちょっとした冗談のつもりで、犯行予告を書き込んでも、

たちまち警察に通報され、IPアドレスから追跡されて

逮捕されてしまいますよ!

秋葉原の通り魔事件に際して、この2週間程に便乗した愉快犯や

それ以前に犯行予告した人が10数人も摘発されているぐらいです。

皆さんも、ネットに書き込むときはくれぐれも慎重にしましょう。

犯行予告は決して書き込まず、人を中傷する文も書かず、

慎重に書き込みをしてください!

*1:といっても、朝日も産経もほかの新聞も一筋縄ではいきませんが…