どうもちぐはぐな署名運動

@++さんのページを時々見るようになってから、規制反対の署名運動についての情報を

@++さんの言葉も交えて分析するようになりましたが、そうしているうちに、

署名事務局の問題点が次々と表面化しているように感じられました。

同人業界に詳しい人が多いはずなのに後手後手の対応

まず、とらのあなに署名用紙が置かれたことに関して、

ちょいとばかし後手後手になってる感。
書店とかの根回しはコミケまでにやっておきたかった。
サンクリとかのカタログは、「コミケで上京して虎に行く人に手にとってもらえるよう」この時期に出るのです。

http://blog.livedoor.jp/increment/archives/51495602.htmlより 太字は引用者による

と@++さんもおっしゃっていたぐらいですからね…

その辺りの事情に全くもって疎い私とは違い、賛同者のリストにコミケ関係者や、

即売会主催者などが名前を連ね、さらに中心になっているのが全国同人誌即売会連絡会

だということからも、@++さんの指摘するように、サンシャインクリエイションのカタログが

この時期に出る理由も当然ご存知だと思うんですけどね…

買い専だと言っている@++さんでもご存知なのですから、当然、主催者やサークル参加者などが

多く集まっている署名事務局は気づいていなければおかしいのではないでしょうか。

カンパの募集が始まったが…

@++さんはカンパの募集に関しても、

これはまた微妙な。賛同人から集めればいいんじゃないかなーとか思った。
どれだけ逼迫してるかもよくわからないしなぁ。大変なのはわかるけど。
ある人に話したら「コミケでカンパ箱置いておけばよかったのに」と。
なんかいろいろとちぐはぐに見えるんですよね。

http://blog.livedoor.jp/increment/archives/51497683.html より

とおっしゃっていますが、今考えればまさにその通りだと思います。

賛同者から集めればという部分には若干の疑問を持っていますが、早めに

やるべきだったというのは間違いないでしょう。


即売会に足を運ぶ人たちが署名運動のボランティアに参加しているのですから、

交代制で活動し、非番の時間帯にサークルを回ったりするので実質交通費はほぼタダだとでも

お考えになっていたのか、あるいは手弁当で何とかできると思っていたのか、

はたまた私が持論としてきた意見広告の掲載を目指しているのかは分かりませんが、

やはりカンパを募るのであればコミケ前にやった方が良かったのではないでしょうか。


ハッキリ言ってこれも後手後手です。同人業界の「プロ」が何人も集まっている

はずなのに、何でこんなに下手な対応になってしまったのでしょうか。

後手後手の対応の背景は?

先日、私は

表現規制反対の署名運動の成果に関する考察(その2)

http://d.hatena.ne.jp/slpolient/20080822/1219411671

のエントリー中でコミックマーケット開催中の署名数が伸び悩んだ理由を

考察いたしましたが、その根本的な理由がそれなのではないかと思います。


それを箇条書きすると、以下の通りになるでしょう

・同人界に詳しい人が多数いるにもかかわらず、根回しが下手である

・対応が後手後手になってしまっている


署名事務局の内情までは全く分かりませんが、私が推測するに対応が後手後手に

なってしまったのも、署名活動に携わっている人々をうまく取りまとめることが

できなかったからではないでしょうか。


無秩序に賛同者リストを羅列しているぐらいですから、関係者のそれぞれが

意見をぶつけ合った結果まとまらず、「船頭多くして船山に登る」状態になり、

なおかつ代表世話人である山口貴士弁護士もうまくまとめることに失敗してしまったのでは

ないかと私は推測してしまいます。


もし署名運動がうまくまとまっていれば、広報活動もより十分にできたでしょうし、

オタク系ショップの大多数への根回しはすでに澄ませてあり、

コミケでも10万弱は署名が集まったのではないでしょうか。

カンパの募集はコミケ前に始まり、署名ブースでもカンパ箱が設置され、

あわよくば10万部前後*1の雑誌に意見広告を掲載できるだけの資金を調達することも

できたのではないかと思います。


こうしている間にも、日本ユニセフ協会などの規制推進派は淡々と

署名の数を増やしているのですから、このままでは先が思いやられますね…

余談ですが、朝日新聞にこんな記事が載っていたそうなので、紹介します。

朝日新聞「ゲームは凶悪事件がある度悪者にされる。日本がゲームの母国である事に誇りを持つべき」

http://hatimaki.blog110.fc2.com/blog-entry-577.html

ゲームを悪者にしているのはマスコミじゃないか、何で朝日がそんなことを書くんだ、

スポンサー目当てだろ、経済部が書いたからこんな記事になったのではないか

とかいった話も出ていますが、私はこれを見てますます持論を強化することになりました。


とりわけ、誰か保守系のジャーナリストやライターでなおかつサブカルチャーに好意的な方に

「漫画、アニメ、ゲームは日本が世界に誇る文化であり、それを貶めようとする連中は、

 反日国賊売国奴だ!!!」と強い口調で他の保守派の皆さんにアピールしていただきたいと

考えております。あえてどきつい言葉を用いることによって、保守派の皆さんの愛国心

訴えていけたらと考えていますが、さあ、実際のところはどうなんでしょうかね…


規制反対派には、左派・革新派の方が多いように見受けられますので、

是非とも、右派・保守派の皆さんにも規制反対派の輪の中に加わっていただきたいのですが…

*1:日本雑誌協会のサイトによればアニメ雑誌の印刷部数は10万部前後