麻生太郎は敵か味方か?
小池百合子氏や与謝野馨氏、石原伸晃氏、石破茂氏が名乗りをあげ、
山本一太氏らも出馬の可能性を模索する中、最も自由民主党の次期総裁に近いのが
麻生太郎氏です。
麻生氏は、閣僚も党幹部も十分に経験していて、実績は抜群です。
反麻生勢力も、他の候補者が乱立しているために票が散るので、総裁選で過半数を
とるのは今のところほぼ確実だと私は思います。
さて、麻生太郎氏といえば、ネットやオタクの世界では「ローゼン麻生」として
非常に人気のある方ですが、
弁護士山口貴士大いに語る 【オタクと政治】ポスト福田康夫の最有力候補、麻生太郎氏はオタクの味方か?
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2008/09/post-af12.html
の中で山口貴士弁護士は、かつて有害コミック問題が盛んになったころに、
麻生氏が「子供向けポルノコミック等対策議員懇話会」の会長に就任していたことを挙げ、
また、作品を生み出す「自由の土壌」の重要性を理解しているかどうか不明だという点を
挙げたうえで、直接的な表現は避けたものの、麻生氏は「オタクの敵」だという見解を示しています。
「麻生氏は敵か味方か」についての見解
私の見解について、結論から申し上げます。
麻生太郎氏は敵とも味方ともつきません。
麻生氏(とその陣営)は、自分がオタクに受けていることを十分に知っています。
そして、オタクに受けようというパフォーマンスさえしている節があります。
『ローゼンメイデン』の作者であるPEACH-PIT*1が色紙に大臣の
名前を書いたとのことですが、それは麻生氏が関係者を通じてPEACH-PITのサインをもらったことを
示唆しています。
秋葉原での演説を見ても、ワイドショーなどを見ても、どうも麻生氏はオタクに媚びを売るような
言動をしているように感じられるものがいくつかあるんですよね…
少なくとも、敵意は感じられません。むしろ、自分がオタクに人気なのを十分に認知していて
その人気を利用しようとしているのは間違いありません。
ですから、今の時点では麻生氏は表現規制の動きとはある程度距離を置いているのではないかと思います。
「媚中派」が中国批判をほとんどしないのと同様に、麻生氏が「媚オタ派」なのであれば、
オタクに対して敵対的な言動をする可能性は恐らく低いのではないかと思いますが…
少なくとも、表現規制推進派の急先鋒がなるよりは、はるかにましなのは間違いないでしょう。
党本部あるいは首相官邸への陳情は他の誰よりもやりやすくなるでしょう。
距離感がほかの政治家に比べ非常に近いので、話を聞いてもらえる可能性は他の政治家よりも高いのではないかと
少なくとも私は思います。
とにかく、絶対的な敵ではないというのは間違いないでしょう。
ただ、他の政治家よりも最も味方に近い政治家だという考え方も十分にありではないかと
私は思います。
そもそも、敵か味方かというのが、不適切な考えだと思います。*2
表現規制推進派の議員に中傷メールを送り付けるという例を何度か聞いたことがありますが、
そんなことをしたら、間違いなく逆効果になります。
敵だと思うと、冷静さを欠いてしまい、相手の逆鱗に触れるようなことをしてしまい、
場合によっては悪い方向に行ってしまう恐れがあります。
もう少し冷静に考えましょう。
そもそも、実際問題として規制推進派にいくら正論をぶつけたとしても、
彼ら、彼女らの信念を変えることなどほぼ不可能です。
と学会の山本弘氏が、いくら証拠を並べ立てても、彼らの信念を変えることは一度たりとも
できなかったぐらいですからね…
UFOは実在するとか、スカラー派による攻撃を受けているという主張と違い、
そういった話が国の立法政策に直結するから、表現規制の問題は難しいのです。
山口弁護士のブログにコメントを書き込んでいる皆様は、山口弁護士に考えが
近い方ばかりだと思われます。そのコメントの中に、署名を使って誰々は敵だの味方だのと
発言するのは控えるべきだとか、麻生氏は自民党内ではマシな人物なのではないかなどと
いった意見が見られます。
私も一応、賛同人に名前を連ねていますし、個人的に知り合いの著名人の賛同を複数とりつけるなどしております関係上、山口さんの署名に対する政治利用的な態度に疑問を感じます。
代表世話人というお立場、もう少ししっかりと受け止められた上で、署名を使って誰々は敵だの味方だのと御発言するのは、控えていただきたく思います。
発言はもう少し慎重にお願いします。
あなたの政治観は伺っておりません。
代表世話人というお立場で、署名を使って誰々は敵だの味方だのと御発言するのは、控えてくださいといっているだけです。
もう少し、常識のある行動をして頂きたく思います。
といった発言も私は気になりました。
そのコメントをされた藤原興氏は、新興保守派市民団体を謳う「憲政会」の主宰者で、
署名運動の賛同者に名前を連ねています。
代表世話人がこんなレベルの発言してるんじゃ、傍目に見ても常識と言うものが足りませんし、私みたいな人間は「味方」とやらから離れて行きますよ。
何となくですが、藤原氏は山口弁護士の発言にどことなく「サヨク臭さ」を感じているように
私は感じました。
藤原氏は、小林よしのり氏が『新ゴーマニズム宣言スペシャル 脱正義論』で暴露した
「薬害エイズ訴訟を支える会」の顛末のような結果に、この署名運動がなってしまうことを
危惧しているのでしょうか。
つまり、山口弁護士が麻生氏への批判を強めるあまり、反自民に傾きすぎたり、あるいは
署名運動とは異なる政治運動に利用されてしまう可能性について心配しているということなのでしょう。
(なお私は、自民党にも慎重な意見を持つ人や民主党にも非常に強く規制を推進している人がいることが、
無視されてしまう可能性も懸念しております)
あまり、必要以上に政府・与党批判に傾いてしまうと他の政治勢力に利用される危険性があるうえ、
せっかく、ウヨクと目される人物とサヨクと目される人物*3などが共闘しているのに、
あまり運動の中心になっている人物が「サヨク」的な発言をしてしまうと、
保守よりの人物が運動から離れてしまい、*4ひいては署名運動そのものが瓦解しかねません。
児童ポルノ法改正問題のみならず、他のいろいろな政策に口をはさんだり、*5
憲法9条改悪阻止だとか、在日を日本から追い出せだとかいろいろ言い出したら、
ますます参加者はドン引きします。
もちろん、賛同者の一人ひとりがそういう考えを持つのは、自由と言わざるをえません。
この署名運動においては、ひとまず児童ポルノ法改定問題とは関係ない話題は
慎むべきではないかと私は思います。
署名運動を成功させるには、あまり露骨に個人や団体を攻撃したり、あるいはそのように
受け取られかねない発言や、表現規制とは関係のない政策に首を突っ込むのは避けるべきです。
先が思いやられるばかりです…