ダウンロード違法化が決定する

私的録音録画小委員会:“iPod課金”見送り ダウンロード違法化へ - ITmedia News


http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/20/news077.html

あまり最近は話題になっていませんでしたが、ダウンロードの違法化がいよいよ本決まりに

なったようです。ネット論壇を中心に声高に反対論が叫ばれる中、押し切られる形になりました。


問題の小委員会で、反対派の津田大介氏が孤高奮闘するようでは、所詮小委員会の数の論理には

敵わないという非常に空しい事態になってしまいました。

全会一致でないと決めることができない陪審員制とは違い、こういった場では多数決に

なってしまうので、1対大勢では多勢に無勢どころの問題ではないでしょう。


MIAUが呼びかけたパブリックコメントが無視されたのも、マルチポストによる荒らしとみなされてしまい、

かえって逆効果になってしまった可能性も捨てきれないでしょう。

何千件のパブリックコメントが来ること自体、まずあり得ないうえ、似たような内容なのですから、

DDoS攻撃のような印象を、規制推進派に与えてしまったという点では失敗かもしれませんね。

今回はあくまでダウンロードが対象。ストリーミングは対象外。なのでYouTubeやニコニコに上がった違法動画も見るだけなら大丈夫。今後はストリーミングであれやこれやできるサービスが日本で盛り上がってくるかもね。ちなみにドワンゴは昨年のパブコメでダウンロード違法化に賛成している。

http://twitter.com/tsuda/statuses/967123948

と津田氏本人が言っていることから、今回、ひとまずはストリーミングは完全に対象外になったものと

推測してよろしいのでしょうか? しかし、小寺信良氏が自身のブログで

ダウンロード違法化は、実行されれば状況を悪くするだろう。そもそもストリーミングがベースのサービスがお構いなしということで、反抗的なネットユーザーによってさらに違法アップロードが増えることが予想される。そうなればストリーミングも規制対象となり、罰則化も検討されて行くだろう。こういうことは、効果がないとわかると、必ず規制がエスカレートするものである。

http://blogmag.ascii.jp/kodera/2008/10/21112216.html

と言っているように、今後ますます状況が悪化していく可能性は高いでしょう。*1

いずれにせよ、MIAUが今まで取ってきた手法ではダウンロード違法化を阻止することができなかったのは

事実なのですから、方針を転換しなければいけないことは確実ではないかと思います。

反対論を検討してみよう

では、どのような反対論を展開していけばいいのでしょうか?

そのヒントが、小倉秀夫弁護士のブログに書かれています。

 そのような法改正がなされた場合,一般市民は,JASRACまたはテレビ局からの証拠保全又は検証物提出命令等により,個人的に使用しているパソコンのハードディスクの中身及び操作ログをがっさりもっていかれた上で,どのような情報をどこから入手したのかを,丸裸にされることになります(「違法にアップロードされているデータ等をダウンロードした疑いがあるとして集められたデータを,JASRAC文科省に引き渡したとしても,JASRACに何ら制裁は加わりません。)。すなわち,政治家やジャーナリストを含めた個人の情報プライバシーは,文科省傘下であるJASRAC及び総務省傘下であるテレビ局の前には,なきに等しいという状況に陥る危険が十分にあります。
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2008/10/post-6b99.html より 太字強調は引用者による

つまりは、ダウンロード違法化が政府やテレビ局、JASRACなどによる

一般市民に対するのプライバシー監視の

ツールとして使われるということなのでしょう。

プライバシーの問題に関してやかましいのは左派の方ですね… いわゆる人権派の市民団体に対し、

そのような問題点を大々的にアピールしておけば、左派系の人間は動かしやすいと思います。


政府や公権力にとって不都合な情報を発信した

人間を抹殺できるといったことや、

監視社会化を引き起こすといったロジックは左派に

とっては極めて有効ですからね!!


さて、問題は右派です。青少年ネット規制法や児童ポルノ法改正問題と異なり、ダウンロード違法化に関しては、

北朝鮮に乗っ取られる」とか、「売国」「反日」などといったロジックを使うことが極めて困難です。


右派の間では、「大マスコミはいわゆる『特定アジア』に媚びへつらっている」とよく言われるので、

「大マスコミにとって不都合な情報を封殺できる」というアイデアはありますが…

あ、右派だけでなく、左派に対してもこのロジックは適用可能だ。

つまり、これは右派左派共通の反対論だ。これは使えるかもしれません!


とにかく、もう少しアイデアを考える必要があるように思います…

自分の中でさえもまだ煮詰まっていないのですから・・・

麻生総理を利用せよ!!

以前、山口貴士弁護士が「麻生太郎はオタクの敵」というような趣旨の発言をされていましたが、それに対し私は、

「麻生太郎は敵か味方か?」という記事で、麻生総理はオタクに媚びている節があるということと、

麻生太郎総理は距離感が近いので、陳情などがしやすいのではないかという考えを書かせていただきました。


もし、MIAUや他の市民団体などが表現規制やダウンロード規制などに反対する陳情をするのでしたら、

総理本人に会うことをお考えになってはいかがでしょうか。


表現規制問題等において、麻生太郎ほど利用しやすい総理大臣はいませんし、

その後もおそらく出てこないと思います。

いろいろ意見はあると思いますが、

麻生総理をチャンスだと積極的に捉えるべきです!!


コミックマーケットで2万人分の署名を集めるより、数百人規模の集会を行い、

首相官邸や各党本部に陳情するというパフォーマンスの方が面白いかもしれませんね。

ワイドショーでもスポーツ紙でも取り上げてくれれば恰好のアピールになります。

日テレ系列のワイドショーがWaiWai問題に抗議する集会を取り上げていたぐらいですから、

どこかのメディアの一つや二つは取材してくれるかもしれません。

カギとなるのは衆議院解散

やはり、この手の問題でもカギになるのは衆議院解散でしょう。

11月30日投開票が有力と報道されていますが、9月末まで10月3日解散説がマスコミを通じて

流布されていて、結局3日解散は行われなかったのですから11月30日投開票は眉唾物と考えていいでしょう。

麻生内閣の支持率が若干低下していますし、アメリカ大統領選挙後に緊急経済首脳会合が行われる上、

12月上旬に日中韓首脳会議を行なうことを中韓両国に打診していることから、

今年中の解散総選挙が行われる可能性は低くなったと言えるのではないでしょうか。


肝心の麻生総理本人は解散時期について言及していませんが、来週中にも結論を出すと言われています。

新聞辞令」が独り歩きして、国会議員まで翻弄されている以上、早く白黒つけてほしいものです…


ちなみに、

著作権法改正は通常自民党民主党文化庁が上げてきた案をそのまま通す(政治的争点にならない)のがほとんどなので、よほど来年の通常国会がカオスにならない限り、通る見込み。

http://twitter.com/tsuda/statuses/967116052

と津田氏が言っていたので、ダウンロード違法化反対派としては今年中ではなく、

来年の通常国会で予算が成立した直後に解散するのが望ましいのかも分かりませんね…

*1:もっとも、こういった話は下手すればドミノ理論という危険と隣り合わせですが…