国籍法改定案衆議院通過


国籍法改定案が無事に?(ちっとも無事ではない)衆議院を全会一致で通過しました。

「え、全会一致? 造反者はいなかったの?」と誰もがお思いでしょうが、

異議なし採決」という手法がとられたことにより、全会一致の採決と相成りました。*1 *2


国籍法改定案反対派には、衆議院議員も多いですよね?

平沼赳夫氏に、赤池誠章氏、馬渡龍治氏や戸井田徹氏も全員衆議院議員です。

しかしそれでも、法務委員会で全会一致で決まり、「異議なし採決」となりました。

本会議場ではヤジも罵声もほとんど飛びませんでした。

異議なし採決」なので、もちろん牛歩も牛タンもおこなわれませんでした。


法務委員会には、稲田朋美氏もいたと思いますが、奇妙なことです。

稲田氏は反対派に間違いないので、引き延ばそうとすると思うのですが…


異議なし採決」というものが、どのようなものか分からない方が多いかと思いますので、

よりによって、国籍法問題でブログが炎上した河野太郎衆議院議員のページに「異議なし採決」の

解説が載っていたので、詳しくはこちらをご覧ください。

 全員が賛成するかどうかは、本来、採決してみないとわからないものですが、本会議前の議院運営委員会で、各政党の代表が、わが党は賛成とか反対とか、立場を表明し、その時に反対者がいなければ、「異議なし採決」になり、反対政党があれば、「起立採決」になります。

 問題は、ここで「異議なし採決」ということが決められると、本会議で誰かが反対しても、無視されるということです。さらに、「起立採決」の場合も、個々の議員が起立したかどうかは、確認されません。議院運営委員会で、自民党の代表が、自民党は賛成と言えば、公式記録には「自民党は賛成」とだけ記録されます。

(太字は引用者による)

http://www.taro.org/ml/hardcopy/20/page03.html

というわけで、反対派は残念ながら出鼻をくじかれてしまったわけです。

盗人を見て縄をなうような対応では法案を阻止することはできなかったということになるのでしょうか…


いや、参議院では分かりません。

反対派有志はまだあきらめていないでしょう!

何らかの方法を使って、参議院で審議未了に追い込むことによって廃案にできないかどうか模索するでしょう。

野党に主導権を握られているといっても、衆議院も推進派に主導権を握られていた(?)のですから、

大した違いはないでしょう。

参議院ではもっと暴れてくれることを期待いたします。


成立してしまっても、理屈上は天皇陛下が法律に御名御璽をお入れになる前に、

国事行為を阻止することによって法案を葬り去ることができますが、これはさすがに違法行為。 

宮城事件まがいです… 第一、天皇主義者ができるわけがありません…



それにしても、なぜ反対派はバリケード封鎖やら力ずくで委員長のマイクを奪うやら、

プラカードなどを掲げた示威行為をしなかったのでしょうか?

所詮、トゥーレイトゆえに党の方針に逆らえなかったのでしょうか?

これでは、弱腰ではないですか!!

本気で阻止するなら、もっと食ってかかればいいのではないでしょうか?

ひとたび国会内で乱闘などの大騒ぎになれば、マスコミも報道するのではないかと思います。


あと、産経新聞を見ても、そんなに大々的に報道しているわけではないですね…

阿比留氏の記事を除き、大きな紙面を割いて大々的に反対キャンペーンをやっているようには

思えません。せいぜい、有志32人の申し入れと、反対派議員連盟の結成が

ベタ記事よりやや大きく載っている程度です。


穏健な慎重派である私から見ても及び腰だと思えます。保守系の産経といえども、

福田政権以降、政府を批判すべき時には批判するという論調を強めているので、

もっと自由に書けると思うのですが…



こういうのを見るたび、ネット規制児童ポルノ禁止法改正問題に応用できないかと思っているのです。

朝鮮総連は表向き、在日朝鮮人の人権擁護を目的の一つとしているのですから、

差別問題とからめて青少年ネット規制法の委員会に関与する資格がありますので、

是非関与していただいて、右派、保守派の皆さんを震え上がらせ、

ネット規制法を廃止に追い込んでほしいものだと思っております。

*1:厳密には、赤池誠章西川京子牧原秀樹各議員が採決前に退席したそうですが…

*2:追記 日本経済新聞の報道によると、自民党の議員10人と民主党の議員数名が退席あるいは棄権したそうです。