政府紙幣発行はあまりに安易な考えだ!!
政府紙幣発行に向け勉強会、自民・有志議員が発足
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090205-OYT1T00770.htm
菅義偉氏らが中心となって本格的に政府紙幣導入が検討されるようになりました。
安倍政権の総務大臣だった菅義偉氏が政府紙幣の発行を主張するならまだましなのですが、
格差問題・貧困問題で、政府・与党の姿勢を痛烈に非難してきた森永卓郎氏が
なぜか政府紙幣の問題に関しては政府を信用しきっているのです。
森永氏は、
もちろん、政府紙幣をあまりに膨大に発行すれば、通貨への信任が低下して、ハイパーインフレを起こしてしまう。しかし、デフレスパイラルに直面している日本経済にインフレの心配はない。発行限度は明確でないが、GDP(国内総生産)の10%程度であれば、何の問題もないだろう。
http://www.nsjournal.jp/column/detail.php?id=135367&ct=1
と、ハイパーインフレを起こす可能性を指摘していますが、
GDPの10%(約50兆円)程度ならインフレを起こす心配はないと説明しています。
ずいぶん楽観的な話ですね!!
一度こういう、政府紙幣と言う名の禁断の木の実を手に入れると、今後も
何か事あるごとに「政府紙幣を発行しよう」ということになって、最初に
発行した時点ではインフレにならなかったとしても、後々、次から次へと
どんどん政府紙幣が発行され、結果としてハイパーインフレになるのは間違いないでしょう。
伊吹文明氏が「日銀以外に政府が紙幣を供給すれば円の価値が下がり、
大変なインフレを招来する。議論するだけでも国益を損なう」、「マリフアナと同じ」と言い、
津島雄二氏が、「『円天』みたいなものを政府がやる」と批判しているように、*1
多くの反対意見があるのは当然でしょう。
おそらく、政府紙幣導入論者の皆さんは「超法規的措置」的な考えの持ち主で、
本気で日本経済を立て直そうとしてそう考えているのは間違いないでしょう。
ただ、目先のことだけの安直な考えではないかという懸念が私にはあります。
近年、日本で発行された政府紙幣も、
日本では、明治維新後の明治新政府は、政府紙幣を発行した。明治通宝などがそれである。1883年(明治16年)に発行された旧紙幣と交換された神功皇后が描かれた各種紙幣は「大日本帝国政府紙幣」であった。
第一次世界大戦中には、戦争により銀価格が急騰したため、銀貨の発行継続が困難になり50、20、10銭の政府紙幣が発行されたほか、1938年以降は銭単位の補助通貨が金属物資の戦争優先使用のために発行できなくなり、50銭の政府紙幣が発行された。なお、50銭の政府紙幣は銭単位が1953年に廃止されたため、日本で政府紙幣は流通しなくなった。
要するに、戦争による硬貨の材料不足のため、本来硬貨として発行される貨幣を
紙幣として発行しているだけに過ぎないんですよね… 軍票とも違いますし。
硬貨は今でも日本国政府が発行しているので、特に大きな変化があったわけで
無かったわけです。
一方、Wikipediaには、このような文章もあります。
しかし、フィリップス曲線の理論からは、インフレーションが起きると国民の失業が減る。よって雇用の確保にはインフレーションを起こすことが有効で、そのためには政府紙幣発行が最も簡便な手法である。
確かに、政府紙幣にメリットがあるのは事実なんですけど、弊害の方がよっぽど
怖くて仕方がないんです。
いずれにせよ、私は反対です。
ただし、「生理的に嫌」だという理由で反対するのはやめようと思います。
次回以降へ続くかもしれません。