自分が気付かないうちに児童ポルノ法で大きな動きか?
私が気付かないうちに、児童ポルノ法改定問題で動きがあったようなので、紹介します。
2月5日の産経新聞のコラム「正論」で犯罪心理学者の作田明氏が、児童ポルノ問題に関し、
論文を寄稿しました。
【正論】犯罪心理学者、聖学院大学客員教授・作田明 小児ポルノ規制で法改正を
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090205/trd0902050253001-n1.htm
全体的な論調としては子供への凶悪犯罪が急増しているというものから始め、
小児性愛者の分析と続き、
タイトルが「小児ポルノ規制で法改正を」となっているのに、児童ポルノ法を
改正すべきという主張は最後の1段落しかありません。
だったら、タイトルは「小児性愛者から子どもを守れ!!」とでもすべきだと思います。
id:pr3さんの見方によれば、
どのような経緯でこんな駄文が公開されたのかは不明ですが、いちおうは署名コラムですから、産経新聞側に直接の文責はないかもしれません。しかししばらく産経を観測していると、「正論」欄で観測気球を上げてから一般記事でその方向に走り始めることが、非常に多いのです。従来、少なくとも昨年3月以来、日本ユニセフ協会や「世界日報」がヒステリックな児童ポルノ規制キャンペーンを張っていたのに、ふだんはあれだけ世界日報の論調と親和的な産経新聞がほとんど中立あるいは無視の立場でいることが不思議だったのですが、いよいよ、始まるのかもしれません。
http://d.hatena.ne.jp/pr3/20090206/1233846807
とのことだそうです。
pr3さんとコメント欄で話したことがありますが、不思議なほどに、
産経新聞が児童ポルノ法に関し、単純所持規制や創作物規制に対し積極的な
論調を述べることが少なかったです。ただ、私の知る限りでは全くないわけではなく、
規制すべきという論調のものも一部はあったように思います。
このような推進寄りの立場の識者の寄稿を載せる傍らで、産経は
氾濫する児童ポルノ 規制強化には賛否両論も
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090213/crm0902131335017-n1.htm
だいたい、この手の記事は全体的に規制推進論でまとめられ、おざなりに反対論に
触れられる程度なので、「賛否両論」と書かれると、慎重論なのかと思ってしまいます。
しかし、表現の自由の観点から規制強化を懸念する声があるほか、自分の子供との入浴風景やアニメなどを対象とすることについては慎重論が根強い。一方的に児童ポルノを送りつけられた場合でも単純所持として摘発対象になるのかなど、議論は多岐にわたる。
甲南大学法科大学院の園田寿教授(刑法、サイバー法)は「児童ポルノは子供に深い傷を残す悪質な違法行為で、厳しく取り締まるべきだが、単純所持の規制などについて議論は煮詰まっておらず、現状に追いついていない」と指摘する。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090213/crm0902131335017-n1.htm
という後半の文章から考えても慎重寄りのように感じられるのですが…
やはり、保守派が騒げば法案を潰せる!!
さて、児童ポルノ法改悪を阻止するのであれば、やはり保守派を利用した方が
いいのではないでしょうか。 以前も取り上げましたが、維新政党・新風の
瀬戸弘幸氏も反対を表明しています。そして、先月にも以下の記事を書きました。
せと弘幸Blog『日本よ何処へ』児童ポルノでアグネスが民主党に要望
http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/52143664.html
この記事の中で瀬戸氏は、
1.単純所持の禁止によって、本人が知らない間に犯罪者に仕立てられてしまう可能性がある。
これはそのような写真を自分が知らない間に、自分のバックなどに何者かによって入れられて、警察に通報された場合など、自分の物ではないと主張しても一旦は取り調べられることになり、個人の人権が侵害される恐れが強いこと。
更に自分の知らない間に、パソコンに児童ポルノ写真がネットの回線を通して入れ込まれた場合も同様であり、冤罪を作り出す可能性がある。この二つの点に関して、その心配がないという確証がなければならない。
例えば、警察24時という番組を見ていて思いましたが、警察官の職務質問で車の中から薬物が発見された場合。
警察官 「これお前のものだろう?」
運転手 「知らないよ」
警察官 「お前の車から発見されたんだ。だったら誰のものだ」
運転手 「・・・」
この場合は運転手の持ち物であったことが、後で判明したようですが、一旦は逮捕され新聞に公表されます。
仮に車の窓の隙間から児童ポルノの写真を意図的に入れられたら、一体どうやって自分のものでないと証明できますか? これまでだったら単純所持なら罪にはなりません。販売用として大量に保持していなければ罪に問われることはないのです。
勿論、それをコピーして販売する目的で所持していたとした場合、罪になりますが、それを立証するのは警察側の仕事です。しかし、持っていただけで逮捕となれば、それを自分のものでないと証明するのは自分でしなければなりません。かなり困難なことと思います。
と、単純所持規制を批判し、創作物規制に関しても、
2.表現の自由が侵されはしないか。アニメ文化の衰退につながらないか?
この児童ポルノ問題で私が心配するのは、日本が世界に誇るアニメ文化に影響を与えるのではないかということです。アニメや漫画コミック、イラスト・ゲームなどが児童ポルノに類するものとして、処罰の対象とされるのではないか。
この基準がどこまで明確なのか、曖昧なままに法案だけが先行してしまうと、何でもかんでも児童ポルノと結びつけられて処罰の対象とされてしまいかねません。
(中略)
つまり、一見微笑ましいシーンであっても、そのような規制に抵触するということで、表現の自由が奪われてしまうのではないかという恐れです。
国家権力が悪意を持って行なえば、いくらでも罪は作り出されるということです。私にはこの法律が日本のアニメ文化やゲームなどを標的にしたもので、そのようなものを潰そうという考えが奥に潜んでいるように思えてなりません。
(太字は引用者による なお、原文中の○囲み数字は置き換えた)
瀬戸氏が反対するなら、他の保守派にも「特定アジア脅威論」による
反対論が広まる余地があるはずです!!
愛国心を鼓舞したり、中国や北朝鮮などの脅威を引き合いに出すなどして、
保守派が反対に回れば、法案を潰すのはお茶の子さいさいではないでしょうか?
id:Quietworksさんは、私の記事のブックマークで
寧ろ反差別で賛成派が勢いづいたような気がする。保守派が騒がなければ人権の観点から慎重論を唱えても批判が過熱することはなかったのではないか。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/slpolient/20081222/1229951407
と書いてあるように、私の見解に批判的なようですが、国籍法で一部の賛成派が
勢いづいたのも確かかもしれませんが、それ以上に国籍法改定反対派の勢いが
上回っていたように感じられます。法案阻止こそ成功しませんでしたが、
審議の引き延ばしには成功しているわけですから、反対派が成果を上げていることは
間違いありません。
好ましいことではないかもしれませんが、保守派が騒げば児童ポルノ法改定案をも
潰すことができるのではないかと思います。
創作物規制や単純所持規制が通ると、特定アジアがのさばります!!
北朝鮮がテポドン発射の準備をし、中国が原子力空母建造を計画している今、
児童ポルノ法も、特定アジアの手先に利用されかねないのです!!
民主党案がまとまったという情報もありますが、あす以降にします…
与党案と相討ちすればいいと期待していますが…