民主党案(素案)と新たな摘発事例
忘れないうちに、一応触れておかないといけないと思ったので
紹介しておきます。
NHKニュースのリンクが切れているので奥村徹弁護士の記事から孫引きです。
http://www3.nhk.or.jp/news/t10014039591000.html
いわゆる「児童ポルノ」の規制の強化に向けて、民主党の検討チームは、子どもたちのわいせつな写真や映像を買ったり、繰り返し取得したりした場合、3年以下の懲役を科すことなどを盛り込んだ、児童ポルノ禁止法の改正案をまとめました。
改正案では、児童ポルノをほかの人に配った場合の懲役や罰金を、今よりも厳しくすることにしており、民主党の検討チームは、今の国会への提出を目指して、調整を進めることにしています。
少なくとも、現行法で処罰の対象となるものに関して罰則を厳しくすべき
というのは私の考えと一致しています。
取得罪に関しては、なるほどと私が思う反面、
mudanさんのように、踏み込んだ規制反対派は全く納得していません。
やはり、取得罪でも曖昧さは排除しきれないということです。
いずれにせよ、今提出されている与党案よりはましな部類に入ります。
しかし、今国会に提出する予定との事ですが、
実際問題として、どう動くのでしょうか…
日本テレビの調査では支持率10%を切ったとの結果も出たほど、
麻生内閣の支持率は低い状態ですし、予算案の審議がこれから
本格的に始まるので、政局の混乱はまだまだ続きそうです。
提出がいつになるか、あるいは審議されるかにはまだまだ
極めて不透明なところがあります。
奥村弁護士の記事には以下のような追記がありました。
追記
どこが変わったのかと民主党の議員に問い合わせたところ、、正式には改正案はまとめていなくて、昨年6月11日付の改正案骨子・新旧対照表の新の方がそうだと教えられまし
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20090208#1234095924
え、てっきりまとまったものかと思っていましたが。
まとめるということは、まだ素案もできていないということでしょうか…
民主党では慎重派が若干優勢のようですが、推進派も黙ってはいないでしょうから、
動向を見ていくほかはないんでしょうね…
与党案が提出されても審議されないで済んでいるのは、政局のおかげです。
というわけで、政局で焦点となっている予算案などが通ってからが、
一番警戒すべき場面なのかもしれないと思います。
いずれにせよ、規制反対派より、むしろ規制推進派の方が「弱腰だ」と
批判してきそうな法案のように感じられます。
与党案と民主党案が共倒れになってくれれば…というのが、
規制反対派の本音でしょうね…
もっともそれだと、性的搾取に苦しむ子供たちが救われないというのが
一番の問題点なんですよね…
児童ポルノ法の話題でもうひとつ
「水着でも児童ポルノ」DVD製造販売の3容疑者逮捕
http://www.asahi.com/national/update/0217/TKY200902170128.html
18歳未満に過激な水着を着せたDVDの製作者が児童ポルノ法違反で摘発されたそうです。
同記事によれば、
少年育成課と亀有署などによると、神崎容疑者らは昨年6月22日、東京都中野区本町5丁目の貸しスタジオで、モデルの少女(16)が18歳未満と知りながら、わいせつなDVD作品を撮影した疑いがある。全裸シーンはないが、下腹部を誇張した下着を着たり、女性スタッフが水着の上から胸を触ったりする映像があるという。
とのこと。具体的な内容を知る由はありませんが、
衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
という児童ポルノ法第2条第3項第3号に抵触すると警察は判断したのでしょう。
毎日新聞の記事によれば、逮捕された容疑者は、
「これまでに撮影した動画の露出度などから判断し大丈夫と思った」と供述し
3人とも容疑を認めているそうです。
私としては、てっきり容疑を否認し、あくまでも「児童ポルノではない」と
白を切るものだと思っていました。あと、今後容疑者が起訴され、
裁判にかけられ、最高裁判所まで争えば、最高裁の判例でどの範囲までのものを
児童ポルノとするのが適当かという判断が下される可能性があるということも
ちょっと個人的には気になってしまいます。
つまりは、現状の法運用でグレーゾーンになっている範囲が白黒はっきりつき、
曖昧性がある程度排除されるのではないかということです。
警察も摘発の対象にすべきかどうか相当迷ったでしょうからね…
仮に、問題の映像が児童ポルノに該当しないとしても、これらの行為は
児童福祉法違反です。 第一、常識的な範囲を逸脱した過激な水着を着せる
などの行為を児童に対して行なうのは決して好ましい行為ではありません。
警察による摘発は、見せしめという側面が強いということは間違いありません。
このような過激なものを作るなという強いメッセージが表れているわけです。
果たして、こういうものを作る人たちは、懲りて作るのを止めるか、
あるいは地下に潜るか… 私は前者であることを願います。
こういったものなら、児童ポルノ法が適用できないものでも、常識の範囲を
大きく逸脱したものなら児童福祉法が適用できますので、
どんどん取り締まってほしいものです。
追伸 id:nisshiey_s1 さんへ
ブックマークコメントありがとうございます。この場を借りて
というコメントに対する私のレスをしたいと思います。
「3次元の規制は被害児童がいる限り、やむを得ない」というのはまさに
そのとおりです。単純所持に対するnisshiey_s1さんの見解を存じておりませんので、
もし機会があればお教え願います。
あと、「児童ポルノ法改定は、公明党による日本解体の一環だ!!」と
大きく書いたのは煽りですので、大マジに捉えないようにしてください。
そういう背景を承知の上で、わざと大袈裟に書き立てて、
反創価学会の人間を煽れないかと思って書いたということなので、あしからず…