小沢代表秘書逮捕で混迷を極める政局
西松献金、小沢氏団体の公設第1秘書ら3人逮捕 献金総額2億円近くか
準大手ゼネコン「西松建設」(東京)が、政治団体をダミーにして政界にトンネル献金をしていたとされる疑惑で、献金が事実上の企業献金だった疑いが強まり、東京地検特捜部は3日、政治資金規正法違反容疑で、民主党の小沢一郎代表の公設第1秘書で資金管理団体「陸山会(りくざんかい)」の会計責任者、大久保隆規容疑者(47)と、西松前社長の国沢幹雄容疑者(70)=外為法違反で起訴=ら3人を逮捕、東京都港区の陸山会事務所を捜索した。小沢氏側への献金総額は2億円近くに上るとみられる。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090303/crm0903031740027-n1.htm
民主党の小沢一郎代表の秘書が政治献金規正法違反で逮捕されました。
小沢代表の政治団体が、西松建設から迂回献金を受け取ったという容疑です。
民主党サイドからは、国策捜査だとか、政府の陰謀だという陰謀論も少なからず
出ているようですが、*1強制捜査するからには東京地検特捜部は
確固たる裏を取ったということなのでしょうから、秘書側が
ヤミ献金だと知っていたという認識なのでしょう。
いずれにせよ、民主党にとっては壊滅的なダメージです。
政局にも重大な影響があります。与党側は反転攻勢を強めてきますし、
与党内で早期解散を求める声が強まってきています。
自民党も笑ってばかりはいられない
この捜査、逮捕劇を「神風」だと喜んでいる自民党関係者も多いようですが、
冷静な態度をとっている自民党関係者が意外と多いことに驚かされました。
西松建設から政治献金を受け取っている自民党の大物政治家も少なくないので、
今後の捜査次第では、下手をすれば、自民党側にも火の粉が
飛ぶかもしれないという不安がそういった関係者の頭の中にはあるのでしょう…
第一、内閣支持率が10%近くにまで低迷したのは、政策に期待が持てないからで、*2
今後の世論調査次第ですが、民主党支持の低下分がそのまま自民党に流れるとは
考えにくいのではないかと思います。
案外、漁夫の利で共産党が躍進するのかもしれませんね…
格差問題、貧困問題、蟹工船ブームに乗じて、党員数を増やしていますし、
もう、いっそのこと小沢代表は辞めるべきである。
この事件の前の民主党の最大の危機といえば、永田メール騒動である。
ご存じの通り、ライブドア事件に関し、永田寿康議員(当時)が国会質疑の場で偽のメールを
使ったことによる騒動である。
この騒動で民主党は存続の危機といわれるほどの危機に立たされたが、
前原誠司氏が代表を辞任し、小沢一郎氏が代表になり「挙党一致」を掲げたことで
党勢を回復させたわけです。 この事例から考えて、小沢代表が早く辞任して
挙党一致体制を復活させれば復活する余地は十分にあるのではないかと思います。
いずれにせよ、動向を見守るほかはありませんね…
*1:なお佐藤優氏は、検察幹部の関与した国策捜査ではなく、むしろ青年将校のような考えをもった捜査員が動いたのではないかという考えを示している。 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090303/trl0903032039015-n2.htm ただし、id:hagakurekakugoさんは、事実との矛盾を指摘し、佐藤氏の主張を批判しています。
*2:あと、運が悪いことも大きな理由の一つ