児童ポルノ法修正協議の行方は?

児童ポルノ画像所持、原則禁止で合意


 今の国会で審議されている児童ポルノ禁止法の改正案をめぐって自民・公明・民主党の3党は、これまで禁止されていなかった児童ポルノ画像などを所持する行為についても、原則禁止することで大筋合意しました。

 現在の法律では18歳未満の子供を撮影した児童ポルノを製造したり、販売することを禁止していますが、画像などを所持すること自体は禁止されていません。

 9日夜の協議では、自民党公明党が求めていた児童ポルノ画像などの所持を原則禁止することで大筋合意しました。

 民主党は意図せずに所持していた場合にも罪になる恐れがあるなどと主張していましたが、こうした懸念を踏まえ、捜査機関に対して禁止行為についての立証努力を尽くすよう求める条文を盛り込みました。

 3党は詳細をさらに詰めた上で、今の国会で改正案を成立させる意向ですが、国会情勢などに左右される可能性もあり、最終的に成立するかどうかは不透明です。(10日01:02)

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4180098.html

児童ポルノ法改定に向けた協議が始まりました。

自民党からは葉梨康弘議員、塩崎恭久議員、公明党から富田茂之議員、

民主党から枝野幸男議員、小宮山洋子議員、細川律夫議員が参加しました。


ブックマークのコメントを見ると、

あの審議は何だったのかとか、TBS系以外のソースがないので詳細等は不明とか、

今回は大幅な道筋を付けただけではないかとか、絶望や怒り、詳細が不明故の困惑

といった意見があるように感じられました。


小宮山洋子議員によると、昼に都議選の応援に行き、21時から23時まで修正協議をしたそうです。


しかし、TBSの記事を見ても、小宮山議員のレポートを見ても具体的な内容は分かりません。

民主党案にある取得案を以て「児童ポルノ画像などの所持を原則禁止」と解釈できなくもない。

ただ、「詳細をさらに詰めた上で、今の国会で改正案を成立させる意向」なのですから、

結論が出たわけではないということだけは明らかです。

そういえば、公明新聞も「民主党も単純所持規制を盛り込んでるじゃないか!!」と

いった趣旨の記事を載せていたように思いますが、それと同じ意味合いなのでしょうか…*1
))


なお、保坂展人議員のブログにはこのようにあります。

児童ポルノ禁止法」の与野党修正協議の行方は


 東京都議会議員選挙で走り回っていて、久しぶりに国会にたどりついた。6月26日に審議された「児童ポルノ禁止法改正案」の行方について報告しておきたい。すでに、メディアが伝えているように自民・公明の与党側と民主党で「修正協議」が始まっている。一部では、すでに「まとまった」という情報もあり、「どうなるのか」という問い合わせもあるが、結論から言うとまだまとまっていない。協議はまだ続いていて、明日10日(金)、週明けの14日(火)に衆議院法務委員会が開催される予定はない。


(中略)


 このように報道されているが、枝野氏に聞くと、与党案と民主案はなお大きく隔たっている模様だ。「単純所持の犯罪化」に与党が拘泥している限り、合意の壁は高いのではないかと、私は予想している。社民党は、この与野党協議には参加していないので、26日に示された懸念が一掃されるような議論を枝野さんたちに期待したい。

 本来なら、「内心の自由」に踏み込む共謀罪に反対してきた人たちや、メディア規制に道をひらく個人情報保護法に危機感を持った人などが、幅広く「言論・表現の自由」をめぐり議論に参加してくれることが望ましいが、「児童ポルノ」という言葉がバリアになって、まだ幅広い議論になっていない。ただし、ネット上の議論や情報交換はすさまじい勢いでされている。

 メディアでも『週刊ポスト』が今週号で2ページの記事を書いてくれているが、新聞・テレビがもう少し踏み込んだ報道をしてくれると国会での議論も変化するはずだ。解散・総選挙直前の状況だからこそ、しっかりした議論をしておかないとメディアも危ない、ということに気がついてほしい。国会審議を脇に、「児童ポルノ摘発事件」が報道されている。

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/353b86cc8eb3c9433043b21de507586b

保坂議員自身は協議の蚊帳の外になってしまっていますが、枝野議員と情報交換していて、

修正協議が難航していることを示唆しています。

葉梨議員が民主党案を丸呑みするわけないですし、枝野議員が与党案をのむとも考えにくいですからね…


さて、この問題については詳報を待つほかないでしょう…

TBSだけが報道して、他の規制推進派寄りのメディアが報道しないとは考えにくいですからね…


あとこのニュースを見て気になったのは、このニュースを聞いて、

民主党だけ」が悪者扱いされる方向にすり替えられないか心配です。

事実、国籍法の時も閣法であるにも関わらず民主党が攻撃されてましたからね…

来週にも不信任案提出へ!?

そういえば、政局の動きにこんなのもありました。

民主、13日に不信任決議案提出で調整

 民主党は9日、内閣不信任決議案の衆院への提出について、12日に投開票を迎える都議選直後の13日に提出する方向で調整に入った。同日に幹部会を開き、麻生太郎首相や自民党内の動向を見極めた上で、参院への首相問責決議案の提出を含めて最終判断する。

 不信任決議案提出を都議選直後とするのは、選挙戦で民主党の躍進が予想されることから、「次期衆院選に都議選の勢いを持ち込むため、麻生政権のふがいなさを世論に印象づける」(幹部)狙いがある。鳩山由紀夫代表は9日、記者団に、「都議選(の結果)をみて判断する」と述べた。

 不信任決議案や問責決議案を提出した場合、野党側は通常、国会審議をボイコットする。ただ、9日の幹部間協議では、参院で審議中の臓器移植法改正案については13日中の採決に応じる方向で調整しているが、「議員立法なので党議拘束はかかっていない」(幹部)として、不信任決議案や問責決議案とは切り離して対応する方針を確認した。これまで党内では、同改正案が成立するまで不信任決議案や問責決議案の提出は先送りする案が浮上していた。

 北朝鮮関係船舶への立ち入り検査を可能にする貨物検査特別措置法案は、不信任決議案や問責決議案の提出に伴う審議拒否で、廃案に追い込むことも辞さない構えだ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090710/stt0907100102001-n1.htm

ブックマークでは「貨物検査特措法案が廃案になっても構わない」という発言を槍玉に挙げて、

民主党北朝鮮に及び腰だ!!」などと吹いている人がいます。確かにそんな考えもできますが、

児童ポルノ法改定問題に注目している立場からすれば、こういう解釈をします。


審議拒否の結果、児童ポルノ法改定案が廃案になってくれれば万々歳だ


北朝鮮問題が選挙の争点になりにくいことは、2004年の参議院選挙の時に

選挙の直前に曽我ひとみさん一家の再開を実現させたことが、

与党にとって追い風にならなかったことからも明らかです。

北朝鮮問題よりも、景気対策年金問題の方が一般庶民にとっては

争点になりやすいのです。*2


鳩山代表は貨物検査特措法が廃案になったら与党のせいにするつもりでしょう。

自民党北朝鮮問題より、献金問題の方が民主党を攻撃する好材料ですからね。


とにかく、私たち規制反対派は審議拒否に期待するしかありません!!

審議拒否が長く続けば、時間切れ廃案になります!!

そうすれば、総選挙後まで時間稼ぎができるのではないでしょうか…


鳩山代表の政治献金疑惑追及のために臨時国会を開くべきだという主張もあるようですが…)

*1:≪「単純所持を禁止すべき」との考え方にも大きな差異はない。≫ http://www.komei.or.jp/news/2009/0630/14951.html

*2:そもそも、児童ポルノ法改定問題は一般庶民の争点にならない。