デモについて考察してみる。
東京都青少年健全育成条例改定案は、昨日の都議会本会議で正式に継続審議が決まり、
採決は6月以降に先送りになりました。
前回の続きみたいなものですが、藤本由香里氏らに正式に意見を出す前に、
改めて私の考えを掘り下げてみようと思い、情報収集してみようと思いました。
そんななかで、こんな動画を見つけました。
4年前の話になりますが、仙台で共学化に反対する高校生のデモがあったそうです。
いやはや、21世紀の日本でこんなデモをやる高校生がいるんですね…
それもかなりの人数が… と驚きを隠せません。
というのも、後ほど取り上げるように、デモについて考察していたからです。
話は変わりますが、在特会が勢力を急速に拡大していったのも、
ネットユーザーの怒りを汲み取り、ニーズにこたえてきたからでしょう。
例の朝鮮学校の事件だって、そもそもの発端は、誰か在特会の会員か支持者が
「朝鮮学校が公園を不法占拠してる!!」ってメールでタレこんだからだと思います。
(活動の前に下見もしていたはず。でなければ朝鮮学校側がカメラを持って様子を撮影することは不可能。)
外国人参政権ならともかく、「在日特権」という概念は保守論壇でもクローズアップされることはなく、
そういう問題を扱うのはほぼ在特会のみということも、在特会台頭の背景の一つでしょう。
在特会に言及したところで、それに関連して規制推進派の思想についても触れてみますが、
日本キリスト教矯風会なんて、典型的な「反日左翼」だと思うんですよね…
何せ関連団体に外国人住民基本法案を推進する、外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会と、
児童ポルノ法改定と青少年条例改定を推進するECPAT/ストップ子ども買春の会と、
女性国際戦犯法廷を主催したVAWW-NETジャパンと、「売国」「反日」団体が勢揃いですよ、本当に!
宗教右派なのにも関わらず、絵に描いたような「反日左翼」的側面が強いというのも、
奇妙な話なので、何とかそこを利用できないかと考えていたものです。
だから、日本を護る市民の会が街宣活動をやると聞いて、
つい彼らがECPATを「反日左翼」だと糾弾することを期待してしまったわけです。
ただ、日護会の街宣をの動画を見る限り、ECPATに対する言及はなかったようです…
そして、意外なことに青少年・治安対策本部長の倉田潤氏が
志布志事件の関係者であることについて非難していました。
まあ、いずれにせよid:baisemoi_bullet(@knkz2009)さんが
そういう所に取り込まれることは死んでもあり得ないと思いますが、
私なんかも、在特会や日護会に秋波を送ろうと思ったぐらいですから、
下手したらそういう所に取り込まれてしまいかねない人は多いと思います。
そんな事態にならないために、イデオロギー色のない、
極右から極左まで参加できる反表現規制の国民的運動を行なうべきだと思いました。
それも、私が大規模活動を志向する理由の一つなんです。
さっき在特会に言及したところで、それに関連した記事を紹介します。
デモにも関連がありますからね。
抗議集会に900人 円山からデモ行進 京都朝鮮初級学校に差別発言
昨年12月、京都市南区の京都朝鮮第一初級学校に、「在日特権を許さない市民の会(在特会)」を名乗る団体が押しかけ在日朝鮮人を差別する発言や脅迫を繰り返したとされる問題で28日、差別的攻撃に抗議する集会が東山区の円山公園であった。
集会は、大学教授や弁護士らが呼びかけ人となり、実行委が開催し、900人(主催者発表)が参加した。
集会では、攻撃を受けた初級学校生徒の保護者らが登壇し「子どもたちは心に大きな傷を負った」などと話した。高校授業料無償化から朝鮮学校を排除する動きについてもアピールがあり「すべての在日・滞日外国人が民族性や文化を尊重され、共に生きていくことができる多民族共生社会の実現に力を合わせよう」とする宣言が、拍手で採択された。
集会後には、参加者らが円山公園から市役所前までデモ行進した。四条河原町交差点や市役所前で、在特会のメンバーらが「日本から出て行け」などと叫び、デモ隊ともみ合い府警の機動隊員が割って入るトラブルもあった。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100328000121&genre=C4&area=K00
ついに反在特会側も900人(主催者発表ですが)を動員したのか…
朝鮮学校の事件に関しては、在特会を許してはならないと私は思います。*1
例え在特会の主張通り、「不法占拠」だったからといって、免罪されるものではありません。
その在特会の事件に関して、国連の人種差別撤廃委員会で取り上げられたのも、
反在特会側がロビー活動していったからこそです。
差別禁止法を作るべきだというのも、理念としては賛同できるのですが、
運用する上で、恣意的に運用される危険性などを考えると法制化には賛同しかねますがね…
ロビー活動といえば、規制推進派も女性差別撤廃委員会に入り込んで、
創作物規制をすべきだという勧告を出させていますけどね…
そういったことを考えると、
デモや集会よりもロビー活動の方が効果的なのは明らかなんですよね。
そんなことは実は、在特会でさえも知っている。
実際に、在特会は対馬市議会で外国人参政権に反対する意見書を採択させています。
こうした地道な努力が決してできないわけではないのです。
では、在特会は何故デモ活動を頻繁に行なうのか。
一つ、支持者を団結させることにより、求心力を高めるため。
もう一つ、大多数のロビー活動できない人のために発言の場を提供するため。
最後に、世論に対してアピールするため。
在特会のデモは、世論喚起になるかはともかく、ものすごいインパクトがあります。
以前、在特会のデモを見に行ったとき、野次馬がいっぱいいましたからね…
右派左派問わず、デモ活動をやっている団体は、
大抵はロビー活動などの当事者に働きかける活動をしていると思います。
以下の理由があってロビー活動に参加できない一般参加者に活動する場を提供することと、
世論に対してアピールするためです。
そういう点では、集会にも同じことが言えるでしょう。
ロビー活動ができないというのは、能力が無くてできないというのと、
時間がなくてできないというものの二つの理由があります。
ロビー活動をするにあたっては、非常に高い能力が求められます。
それだけの能力があったとしても、政治家に対するロビー活動には最大のネックがあります。
それは、平日の昼間に動かなければならないこと。
サラリーマンであれば平日の昼間に動くのはほぼ不可能。
平日の昼間に動けるとなれば、多くは自営業・自由業か無職*2。そうでなければ、
文字通りのプロ市民でないとできません。
平日の昼間に動こうと思えば動けるのですから、漫画家の皆様に動いていただきたい!!
というのは、乱暴すぎる話でしょうか…
前回は、大規模なデモや集会を開くべきではないかと思う。と言いましたが、
baisemoi_bulletさんが紹介したブログでは、「国の思う壺になるからデモはするな」
と発言しているそうですが、それは公安の監視のことを言っているのでしょうか?
右翼団体や左翼団体が関与しているデモには、必ずと言っていいほど公安の監視が付きます。
カメラを持っている私服警官がいたら、おそらくその人が公安関係者です。
公安も、デモそのものよりもむしろその背後の方を危険視しているように私は思います。
といっても、国の思う壺って、どういう理屈なのかが全く分かりません。
マスコミの偏向報道について指摘しているのか、あるいは、暴動と混同しているのかまでも
私には理解できませんでした。
とりあえず、basemoi_bulletさんのデモ観を紹介しておきます。
そして、デモで行われる言動についても強い先入観があるのではないかとも思った。
特定の政治勢力の影響下になければ出来ないもの、警察や政府に正面から敵対する反社会行為と認識されている、等々のイメージが前提になっているのではないかと思った。
表現規制反対派があまりデモを始めとする街頭行動をしないのは、集まりにくいのと集まっただけの効果が期待出来ないからに過ぎない。
問題を知っていて、それで危機感を抱いて、僅かでも何かをしたいと考える人がそれだけ少なかったのだ。そこから、ロビー活動や手紙作戦が洗練化されて行ったという経緯がある。ここまで様々な人達がこの問題に注視し、テンションが高まり広がっている今なら、望む者達の間で街宣行動が行われるのは(メインではない事を意識しつつ)それなりの意味を持つのではないかと思える。
http://blog.livedoor.jp/baisemoi_bullet/archives/65320276.html
このブログと別の所でも、デモへのあまり正確ではない忌避感を目にしたので、そこでは多少発言する事にした。
怖い、攻撃的なデモをする必要なんてない。
真面目さが伝わる、あるいはむしろ楽しげに興味を引く形で、自分の主張や趣味を織り込んだデモや街頭演説や集会を、友達同士とかでもやれると思う。
私は基本的に、デモや街宣はあまり知られていない問題について取り上げるものだという認識です。
外国人参政権なんて、一般の市民にはほとんど知られていないはずですし、
在特会が朝鮮学校に殴りこんで罵声を浴びせた事件もネットユーザーしか知りません。
国鉄の労働闘争自体は知っている人は多くても、多くの人は昔のこととしか思いません。
ましてや、マイクロ装置による洗脳なんて普通の人が知るはずもありません。(笑)*3
大規模な集会をやる価値といえば、やはり士気の高揚でしょうか。
あと、実質的な利益になるような行為といえば、その場でカンパを募るなり、
署名を集めるなりといったことがあるのではないかと思います。
夫婦別姓反対の集会で、300万筆の署名を集めると開始前に豪語していたように思います。
表現規制問題に関して集会を開き、その場で反対の署名を集めると、十数万筆は集められると思います。
(別々の署名をそれぞれ1筆と数えた場合)
直接請求(条例の改廃やリコール請求)の署名以外の、陳情・請願*4の署名は、国籍や年齢を問いません。
ですから、署名活動をするかは注目すべき事柄です。住所と氏名を書けばいいだけですからね。
デモや集会はともかく、署名活動はおそらく規制反対派の団体がやると思います。
また保坂展人氏が、藤本由香里氏と表現規制問題に関して議論する場を提供したいと話し合っているそうなので、
何か、中小規模の集会を構想しているのではないかと考えて、それについては動向を見守りましょう。