4月24日の集会レポート
4月24日に代々木にある東京中央日本語学院で行なわれた集会、
「どうする表現規制、民主主義の使い方を考えよう」に行ってきたので、まとめます。
さすがに全部まとめるのは困難なので、その点はご容赦願います。
5時半開始の予定が、会場の準備が難航して15分ぐらい遅れて始まりました。
参加人数は100人はいたかと思います。
じゅうたんに地べたに座る形になっていたので、後になって足が少ししびれてしまいました…
まず藤本由香里氏から、東京都青少年健全育成条例について説明がありました。
条例案で問題になっているのは、主に「非実在青少年」が記載されている第7条第2項と
「青少年性的視覚描写物」が含まれる第18条*1です。
藤本氏によると、単なる裸は条例の対象に入らない*2が、児童ポルノ法には入りうるとのこと。
条文中の「みだりに」とは、正当な目的、学術的、あるいは捜査目的を除くとのことらしいです。
「肯定的に」とは、前日の集会での松下玲子都議の話によれば、
「告発する目的のものは含まれない」とのこと。もちろん、「性交又は性交類似行為」をしていれば
高校生同士の性描写も含まれます。
中でも藤本氏が繰り返していたのは
推進派はろくに条例を読んでいないということ。
石原都知事は提出者であるにも関わらず条例を読んでいませんし、*3
推進派の主張は条例文の内容とかみ合わないところも多いんだそうです。
ただ、私は反対派の中にも、ろくに条例を読んでいない人が少なくないと思います。
つまり、この問題に関心がある人は賛否の立場を問わず
法令を読むべきだということだと私は認識いたしました。
さらに、規制推進派が討論の場に出てこないことについても指摘しました。
それについては、私も思う所があります。
「行動する保守」ですら「反日左翼」と討論しているぐらい*4ですが、
規制推進派で議論の場に出てきたのは猪瀬直樹副知事だけです!!
やましいことがなければ、堂々と出てこられるはずです!!
藤本氏が言うには、猪瀬氏の考えではなく東京都の役人の助言に沿っているのではないかとのこと。
結局は自分の考えを討論の場で述べる規制推進派はいないのだから、出てくるべきなのです。
また、青少年性的視覚描写物について、審議では「非実在青少年を含む」と答弁しているにも関わらず、
電凸に対し、都側は「創作物を含まない」と答えたと言います。
青少年課の担当者も、ろくに条文を理解していないのです。
都による直接的な規制は8条のみだが、7条と18条のセットにより、
直接規制せず、市民にさせるので逆らうことができない。
悪書狩りができると、藤本氏は警告しました。
保坂氏は中学生のころに学生運動に参加して、そのことを内申書に書かれ高校受験に失敗ました。
そして、それについて不当だと16歳にして裁判を起こしたのです。
結果として敗訴しましたが、この出来事が保坂氏の活動の原点となっているのです。
ちなみにその時の弁護士の一人が仙谷由人氏、現国家戦略担当大臣だそうです。
そうした経緯もあり、保坂氏は内心の自由に関わる問題に非常に関心が高いのです。
昨年6月の審議の時や12月のトークライブの時にも話していたと思いますが、
「子どもの権利を守る」という目的では保坂氏もアグネス・チャン氏も同じわけです。
ただし、それを広げてあらゆる物を持っているだけで犯罪にするのか?と保坂氏は問います。
単純所持規制となれば自白に頼らざるを得ず、内心の自由に介入される危険性がある。
規制慎重派は児童ポルノの擁護者と見なされかねず、実際には目をつぶって賛成しています。
保坂氏は青少年ネット規制法に反対だったが、党として賛成せざるを得なかったとのこと。
その件で平沢勝栄氏と話していると、フィルタリングは非常に大雑把なものだと分かったそうです。
平沢氏や保坂氏のサイトもフィルタリングされた携帯電話から見られない。
金閣寺さえフィルタリングの対象なのだそうです。
休憩をはさんで、表現規制問題の背景について藤本氏と保坂氏が話します。
藤本氏は3号ポルノが問題、0歳から18歳なで一緒くたにされているのはおかしいと語ります。
保坂氏は、遊び場が鉄で囲われている、東京都が精神運動を行なっていると指摘。
藤本氏は「日本は児童ポルノ大国」だというのは作られたもの。
キリスト教原理主義団体(ECPATのことと思われる)が漫画等をよく知らない層に
漫画を児童ポルノだと喧伝しているとのこと。宗教戦争の一面もあるという。
保坂氏は、地雷やクラスター爆弾の問題をあげ、アメリカが子どもの人権に敏感とは思えないと
見解を述べ、シーだ―前大使がロビー活動についてFBIから表彰されたことを取り上げ、
前田雅英氏が児童ポルノ法と共謀罪の双方を推進していることを挙げ、共謀罪とのつながりを指摘しました。
子どもが性表現を見るのと警察権力が拡大するのとどちらが危険か、
警察権力と子どもの判断力のどちらをを信用するかを問いたいと藤本氏は言います。
藤本氏が山口貴士弁護士から聞いた話によれば、石原都知事は公約に治安を掲げているため、
警察にいい顔をする必要がある。知事は条例を読んでいない。(おそらく他の条例も)
協議会は時限爆弾のようだと藤本氏は言います。
ここで男女共同参画基本計画の件について話が出ました。
その中の表現規制を検討する条項について、保坂氏は
「都条例と同じ」、「旧政権のころからのメンバーが関わっている」と発言。
保坂氏は「(福島瑞穂氏に)伝えておきます。」、
「福島さんに大臣として動いていただきたい」とコメントしました。
是非とも伝えていただきたいと思います。こればかりは、何とかしないとまずいです。
もしそのまま通ってしまえば、保守・右派に
「福島瑞穂が規制を推進している!!」とミスリードされるのは間違いなのですから。*5
そして、その内容が最終的に通ってしまえば、ミスリードではなくなってしまうのですからね。
藤本氏は改めて、「前政権の物が時限爆弾のようになっている」と指摘。
ネットを見てると「好き放題かけるのが表現の自由だと思っている」、
「抗議に対応する必要がある」と苦言を呈しました。
かつては部落解放同盟でさえ、糾弾活動こそあれど、差別表現禁止が主張されることは
なかったとこのことですが、今は人権擁護法案とかがありますからね…
最後にいくつかの質問に対する回答がなされました。
自公は6月に条例を成立させるつもりらしいという情報や、
PTA協議会は実質的に極少数の人間しか関わっていないこと、
「非実在青少年」は素晴らしいという皮肉や、東京都が
中小出版社に働きかけていることが取り上げられました。東京都の答弁によれば、
「ハレンチ学園」や「風と木の詩」は対象に含まれないとのことだが、
単なる性行為だけでなく、強姦や近親相姦なども含まれている作品を何を根拠に
対象外だとしているか、「有名な作家だから」という理由なのではないかと
藤本氏は勘繰っているようでした。
そして、改めて条例案の問題点は「7条と18条」だと語りました。
これが通れば、自主規制の強要と悪書狩りが起こり、
ゆくゆくは児童ポルノ法での創作物規制に行きつくのではないかと危惧しています。
最後に、何ができるかということについて話がありました。
風説に対抗していく必要がある。知られないこと、議論しないことが通すカギとなっている。
よって、知らせること、議論することがカギになると保坂氏は語りました。
藤本氏は「今の若者の方が健全だと思う」、
「情報が共有されないことが悪影響」だと語りました。
私の質問は時間がなかったからなのか、読まれませんでした。
是非とも藤本氏にお答えいただきたかったのですがね…
最後に、会場となった東京中央日本語学院の学院長から挨拶がありました。
実は、学院長は、保坂氏と古い友人だそうです。
学院長は、保坂氏と一緒に反戦活動などに参加するなどしていたんだそうです。
終了後に、ちょうど出口のところに保坂氏が立っていたので、
「保坂さん、ありがとうございました。頑張ってください!!」と声をかけました。
保坂氏からも握手を求められたので、非常にうれしかったです。
皆様、本当にお疲れ様でした。
頑張ってください!!