男女共同参画基本計画は相変わらず
「第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(答申)」について
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kihon/sanjikeikaku/toshin/index.html
以前、表現規制が盛り込まれているとして問題になった第3次男女共同参画基本計画ですが、
相変わらず、表現規制を検討するという条項は盛り込まれたままです。
規制だけでなく、直接男女共同参画に関係なさそうに見えるものを無理やり盛り込むのも
相変わらずと言ったところでしょうか。
具体的には、
? 児童ポルノの根絶に向けて、国民運動の実施、インターネット上の流通防止対策の推進や閲覧防止対策の検討等総合的な対策を検討・推進するとともに、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の見直しについても検討する。また、子どもに対する性・暴力表現について、DVD、ビデオ、パソコンゲーム等バーチャルな分野を含め、メディア産業の自主規制等の取組を促進するとともに、表現の自由を十分尊重した上で、その流通・閲覧等に関する対策の在り方を検討する。
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kihon/sanjikeikaku/toshin/2-09.pdf
や、
8 メディアにおける性・暴力表現への対応
(1) 施策の基本的方向
女性をもっぱら性的ないしは暴力行為の対象として捉えたメディアにおける性・暴力
表現は、男女共同参画社会の形成を大きく阻害するものであり、女性に対する人権
侵害となるものもある。
こうした性・暴力表現については、インターネットの普及等を通じて発信主体が社会
一般に拡大していることに加え、パソコンゲーム等バーチャルな分野においても、国際
的に重大な懸念が表明されるコンテンツの流通が現実問題となっていることから、表現
の自由を十分尊重した上で有効な対策を講じる。(2) 具体的な取組
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kihon/sanjikeikaku/toshin/2-09.pdf
? 女性をもっぱら性的ないしは暴力行為の対象として捉えたメディアにおける性・暴力
表現は、男女共同参画社会の形成を大きく阻害するものであるという観点から広報啓発を
行うとともに、メディア・リテラシー向上のための取組を推進する。
? 性・暴力表現が人々の心理・行動に与える影響についての調査方法を検討する。
? インターネット上の児童ポルノ画像や盗撮画像等の流通防止対策を推進する。さらに、
ブロッキングの導入等、児童ポルノ画像の閲覧防止対策を検討する。
? メディア産業の性・暴力表現について、DVD、ビデオ、パソコンゲーム等バーチャル
な分野を含め、自主規制等の取組を促進するとともに、表現の自由を十分尊重した上で、
その流通・閲覧等に関する対策の在り方を検討する。
? 女性や子どもの人権を侵害するような表現の問題点を、メディア側も受け手も共通の課題として認識するため、有識者や市民団体等を交えた調査を実施する。それをメディアの自主的取組及び市民団体などによるモニタリング等の活動の一助とする。
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kihon/sanjikeikaku/toshin/2-13.pdf
? メディア産業の性・暴力表現について、DVD、ビデオ、パソコンゲーム等バーチャルな分野を含め、自主規制等の取組を促進するとともに、表現の自由を十分尊重した上で、その流通・閲覧等に関する対策の在り方を検討する。
などがあるのですが、
実は、平成17年にまとめられた第2次男女共同参画基本計画にも、
表現規制を検討する条項が盛り込まれていたのです。
卑わいな広告物等の貼付等を行う供給元に対する取締りを実施するとともに、これらの広告物等の排除活動を推進する。また、様々なメディアにおける性に関する情報の氾濫やテレホンクラブ等の性を売り物とする営業の増加に伴い、特に児童の性的な被害が増加していることから、不法事案の積極的な取締り等による環境浄化を図るとともに、地方公共団体の青少年保護育成条例等について地方公共団体に各種の助言や情報提供を行うことや、性や暴力に関する有害図書類等が青少年に販売されないよう関係団体へ働きかけることなどを推進する。さらに、関係機関・団体等と連携して児童の権利の保護や青少年を取り巻く有害環境浄化に関する広報・啓発活動を推進する。
http://www.gender.go.jp/kihon-keikaku/2nd/2-07.pdf
性の商品化や暴力表現が女性の人権を侵害している現状を改善し、メディアが自主的に人権を尊重した表現や固定的な性別役割分担にとらわれることのない表現を行うよう促すとともに、性・暴力表現を扱ったメディアから青少年やそれに接することを望まない者を守ることを含め、メディアにおける人権尊重を推進する実効的な方策について検討する。
http://www.gender.go.jp/kihon-keikaku/2nd/2-09.pdf
・性・暴力表現を扱った出版物、コンピューターソフト等については、青少年の健全育成のために、出版、販売等の関係業界への自主的な取り組みの徹底、青少年保護育成条例における有害図書類の指定制度の効果的な運用、地域の環境浄化を図るための啓発活動等の方策を推進する。
http://www.gender.go.jp/kihon-keikaku/2nd/2-09.pdf
・これらの方策の一層の推進に資するために、メディアの実態や青少年に与える影響、諸外国における取組の動向等について調査研究に努める。
などの文言があり、児童ポルノやネット上の有害情報にも言及されています。
というわけで、
児ポ法に反対してる奴らはなんで民主の第3次男女共同参画基本計画案には何にも言わないの?
http://chiraurasouko.blogspot.com/2010/07/blog-post_4928.html
という主張に対しては、
「規制問題に関心がある人は反対意見を送るよう、呼びかけている」だけでなく、
第2次男女共同参画基本計画が決定されたのは平成17年、つまり自民党政権の時代なので、
「自民党政権の第2次男女共同参画基本計画にも表現規制を検討する条項が盛り込まれている」
と反論するのも手かもしれません。