青少年条例で訴訟を起こした人がいるが、その主張がアレな件。

都条例、裁判の場へ

http://togetter.com/li/96296

Twitter上で常光康弘氏(@tsunemitsu)が

【どこより早い未来予測ニュース】西暦2011年02月04日(金)に東京都青少年健全育成条例改正案に対し、日本国憲法第三章に明確に違反しているため、廃案を求める訴状が東京地方裁判所に提出され裁判が始まります。 #agesoft #muvluv

と、東京都青少年健全育成条例に対する違憲訴訟を起こすと表明しました。


そのことに関し、@tentama_goさんが、

アイディアの特許申請料をなげうってまで法の場に持ち込むことを決めた常光 康弘さん。
応援の気持ちを込めてのまとめです。

と書くほど、この人の主張は比較的きれいにまとめられていました。

主張の内容は非常にまともな物となっております。


しかし、問題点がないわけではありません。

ドイツなどで見られるような憲法裁判所が設置されていないので、

日本では各法律の違憲性を審査するときには、具体的な事件がないと憲法判断ができないことになっています。

単に「○○法は憲法違反だ」という理由では憲法訴訟は起こせず、

あくまでも通常の裁判の過程で原告が憲法違反を主張し、争点とした上で、

裁判所が違憲か合憲かを判断するものです。

(日本でも憲法改正によらず、法改正によって憲法裁判所の設置は事実上可能とする学説があるが)



しかし、常光氏の次の主張で旗色は一変します。

都条例裁判の常光氏「都条例は中国共産党による言論統制

http://togetter.com/li/96371

それによると、

既に国家間の戦争はだいぶ前から始まっている。
 
直接目に見える形での武力介入とした、弾道ミサイル攻撃、戦闘機による爆撃、陸上部隊の上陸作戦、潜水艦による交易通商路破壊は『まだ』行われていないが、20世紀後半〜21世紀にかけての『戦争の範囲』は広がった。
 
具体的には、情報戦略により敵対国の教育機関・政治機構・地域社会・軍隊に静かに浸透し、徐々に遅延性の麻痺を引き起こす工作が日本国に対して中国共産党指導層により実施されている。
 
そう、『静かなる戦争』はもうかなり以前から始まっており、日本国は本土決戦で敗退を続けている。これを『静戦』と呼称する事にしよう。
 
(中略)
 
さて、ここで日本国の国防論の前提条件をお話ししたところで、一回りして、東京都青少年健全育成条例改正案を振り返るとまさに『静戦』で語られる枠組みの案件であることが見抜ける。これは、漫画・アニメーションは強力な情報伝達方法であると見抜いた中国共産党指導部によるピンポイント攻撃だ。.
 
もちろん、東京都青少年健全育成条例改正案を軸として徐々に言論統制を進めていく方向に誘導しようとしていく気は満々だろう。だが、恐ろしいことをいうが、実は中国共産党指導部にとっては、漫画とアニメを規制することこそが、初めからクライマックスの大本命である。
 
言論統制という意味では、『静戦』により、テレビ・新聞をほぼ掌握している。また、NPOの皮をかぶり反米運動を行う組織の裏には中国共産党指導部による日本国と米国を離反させる工作活動の一環がある。特に標的とされる沖縄米軍駐留基地は、住民よりも、中国共産党指導部にとり特に邪魔なのだ。
 
東京都青少年健全育成条例改正案によって、表側では子供たちに対する性犯罪抑制のため、裏側では漫画やアニメの持つ表現伝播能力の高さに脅威を抱き、本当の日本国の姿や世界の姿が描ける影響力を持つメディアとして認識した中国共産党指導部による言論統制&検閲の実施が目的である。
 
特にターゲットにされるのは、『小林 よしのり』氏の描く漫画である。教育・戦争・中国共産党指導部の行為・既存報道機関問題・皇室・世界で起きていることを独特の切り口で詳しく描いており、戦争時のレイプシーンや惨殺描写を理由に発禁指定されかねない。

青少年健全育成条例改正は中国共産党の陰謀だとする陰謀論が述べられているのです。

あまりにネトウヨ臭い言説ですね…


私も中国共産党陰謀論を(ネタとして)ぶち上げたことはあります。

その内容も、これほど具体的ではありませんが、常光氏の陰謀論を要約したものと似ています。

この陰謀論を、代表的なネトウヨ系サイト、「国民の知らない反日の実態」の、

「表現規制問題の正体」や、「表現規制問題のしくみ」に出てくる話と比べると、

ちょっと違うような気もしますが、似ているところも多いですね…

藤井厳喜氏が言っていた中国による「無制限戦争」の話を、表現規制問題に応用したのhが

常光氏の論であるように思います。


この話はトンデモ臭い話ですが、陰謀論の「証拠」はいくらでも出てくるわけで、

例えば、ユニセフ協会大使のアグネス・チャン氏は香港出身の中国人(国籍はイギリス)ですし、

鳥山仁氏の情報によれば、性暴力ゲームに対する抗議文に中国語のものが多かったそうですし、

中国共産党の陰謀」の「証拠」ならいくらでも出てくるわけですよ…


が、小林よしのり氏の漫画がターゲットにされているとはあまりにとんでもない主張だ。

確かに小林氏の作品には下品な物や残虐なシーンも出てきますが、

少し前までならともかく、小林氏は保守論壇での影響力はかなり低下していると思いますが…

外国人参政権反対を訴えてきたわけですが、女系天皇容認論者ですし、

代表作の『おぼっちゃまくん』をパチンコ化しましたからね…

今時コヴァなんて時代遅れですし…

ある意味、在特会の連中の主張の方がそれよりもはるかにまともに思えます。


あと、小林氏は1990年の有害コミック騒動の頃はよく発言していたはずですが、

今回はこの問題に関する発言を全く聞きませんね…



そして、その人は「中国共産党の陰謀」よりもはるかにとんでもないことを

やらかしてしまいました…

都条例、訴状提出からリプライ絨毯爆撃、そして30年後の世界を憂う

http://togetter.com/li/97364

自身の主張を述べた動画をあちこちに見境なくリプライしまくってます。

角川書店井上伸一郎社長、岡田斗司夫氏、西又葵氏、東国原英夫前宮崎県知事、

高橋昭一議員、孫正義氏などなど、はては100ちょっとフォロアー数がいないところまで…

フォロアー数が多い所を狙ってリプライを送りつけているわけではなく、

リプライ相手を選ぶ根拠さえも全く見当がつきません。


もはや電波と化してしまってます…


そういえばkitaharakさんは日本ユニセフ協会から訴えられた裁判で敗訴しましたが、

その時に山口貴士弁護士にたしなめられたらしいです。

常光氏の気持ちは十分に分かりますが、何か不穏な感じがしてしまいます…